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◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

今日の秀句/4月11日~4月20日

2025-04-11 23:54:30 | Weblog
4月20日(1句)
 
★特急の通過駅なり花は葉に/桑本栄太郎
特急が通過してしまう駅、つまり、急行は止まるかもしれないが、小さな駅。少し前までは桜に彩られていたのに、はや葉桜の季節になって装いを新たにしている。駅に寄せる愛着がいい。(髙橋正子)
 
4月19日(2句)
★春の海水平線まで凪いでおり/多田有花
春の海は「春の海ひねもすのたりのたりかな/蕪村」と詠まれたように、のどかでおっとりしているが、有花さんは「水平線まで凪いでおり」と現代的な感覚で受け止めたところが、新しい。(髙橋正子)

★山吹やごっとん水車の廻り初む/桑本栄太郎
故郷の原風景を思い起させる情景。山吹の黄色い花が水車の傍に咲いて、水車の水も飛び散っているだろう。そこで、初めて水車はゆっくり水をためて「ごっとん」と廻るのだ。(髙橋正子)
 
4月18日(2句)
 
★今日の雨白梅の香をふくみおり/小口泰與
泰與さんのお住いの群馬あたりは、まだ白梅が咲いているのだろうか。雨に白梅の香りが含まれていて、その透明感と清々しさに心が洗われる。(髙橋正子)

★咲くものは咲き匂い立つかに春爛漫/桑本栄太郎
春はさまざまな花が咲き誇る。咲くものは咲き、この世が匂い立つようなふんいきになる。それを春爛漫と言う。(髙橋正子)
 
4月17日(1句)
 
★春夕陽小豆島へと沈みゆく/多田有花
姫路からの眺めなのだろうか。多島海の美しい空を茜色に染め、とりわけ小豆島へ沈む夕陽は幻想的な風景を見せるのだろうと、思う。(髙橋正子)
 
4月16日(1句)
 
★柳の芽濠辺にひかり揺らしたり/川名ますみ
濠辺の柳の芽が揺れると、ひかりを揺らしているように見える。繊細な光の動きが柳の芽の柔らかさをよく伝えている。(髙橋正子)
 
4月15日
該当句無し
 
4月14日(1句)
★菜の花の彼方に青き大阪湾/多田有花
菜の花の黄色と青い大阪湾を大きくダイナミックに、鮮明に捉えたところがいい。(髙橋正子)
4月13日(2句)
★湧き出づる雲や木の芽数多出づ/小口泰與
湧き出る雲が、数多の木の芽をやわらかく包んでいるようなやさしさがいい。
「出づ」は文語表記だが、「出ず」とすると、否定の意味になるので、「出づ」は文語表記のままとします。(髙橋正子)
★渡り来し橋春光の真ん中に/多田有花
橋には谷を繋ぐ橋、島を繋ぐ橋などいろいろあるが、今渡ってきた橋を振りい帰ると、橋は春光の真ん中にある。捉え方に発見があって面白い。(髙橋正子)
 
4月12日(2句)
 
★いっぱいに山桜抱き増位山/多田有花
増位山は兵庫県にある山だが、この名の相撲取もいた。まるで、大きな体の山が山桜をあちこちにいっぱい抱えている様子に見える。山桜に飾られた増位山が親しみを込めて詠まれている。(髙橋正子)
 
★目借時図書閉館のアナウンス/上島祥子
「目借時」のいい季節のどかさ。図書館でゆっくり本を楽しんでいたら、閉館のアナウンスがあって、あわてた。ユーモアのある「目借時」の季語が楽しい。(髙橋正子)
 
4月11日(1句)
 
★夕闇に目立つ目白の眼かな/小口泰與
夕闇が降りても、ちいさな目白の眼は判別できる。それほどに目の周りにくっきり白い輪が縁取っている。目白の存在感が知れる。(髙橋正子)
 
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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
御礼 (小口泰與)
2025-04-12 13:05:16
高橋正子先生
(目白)の句を今日の秀句にお選びいただき有難う御座います。大変うれしいです。
今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
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Unknown (上島祥子)
2025-04-15 12:15:50
お礼
正子先生
4/12の秀句に「目借時」の句をお選び頂きありがとうございました。
返信する
お礼 (多田有花)
2025-04-16 11:54:30
正子先生
「いっぱいに山桜抱き増位山」を4月12日の
「渡り来し橋春光の真ん中に」を4月13日の
「菜の花の彼方に青き大阪湾」を4月14日の
それぞれ秀句にお選びいただきありがとうございます。

増位山は自宅のすぐ西にあり毎日眺めています。なだらかな山容で山桜がいっぱいに咲きます。
先日淡路島在住の友人たちとミニ同窓会を行いました。
快晴に恵まれ、明石海峡大橋を渡るところから大いに楽しめました。
「あわじ花さじき」からの一面の菜の花と大阪湾の眺めは素晴らしかったです。
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お礼 (川名ますみ)
2025-04-17 17:53:52
正子先生、いつもあたたかいご指導をありがとうございます。
通院途中、皇居のお壕端を見ます。久しぶりに晴れた日で、その辺りにひかりを揺らしているようでした。
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お礼 (多田有花)
2025-04-19 12:05:35
正子先生
「春夕陽小豆島へと沈みゆく」を4月17日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
先日、ミニ同窓会で淡路島へ行き、友人のご両親宅だった古民家に宿泊しました。
洲本市五色町で西側がすぐ浜辺になっており、そこから小豆島が見えます。

姫路からは小豆島は南西に見え、五色町はほぼ真南です。
これらを結んだ三角形の中が播磨灘です。
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御礼 (桑本栄太郎)
2025-04-19 17:24:41
高橋正子先生
4月18日の今日の秀句に「咲くものは咲き匂い立つかに春爛漫」の句をお選び頂き、嬉しいご句評も頂戴しまして大変有難う御座います!!。
ここ数日、急激に暖かくなり今では、花みずき、山吹、すかんぽの穂なども出て。、当に匂いたつかのような春爛漫となりました。
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御礼 (小口泰與)
2025-04-20 12:00:23
高橋正子先生
4/13の投句(木の芽)の句を秀句にお取り上げ頂きその上素晴らしい句評をいただき有難う御座います。
大変う嬉しいです。
今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
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御礼 (小口泰與)
2025-04-20 12:03:44
高橋正子先生
4/18の投句(白梅)の句を秀句にお取り上げ頂き有難う御座います。そのうえ素晴らしい句評をいただき有難う御座います。大変うれしいです。
今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
返信する
お礼 (多田有花)
2025-04-22 14:12:53
正子先生
「春の海水平線まで凪いでおり」を4月19日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
洲本市五色町の朝の浜辺から海を眺めた様子です。
夏は海水浴でにぎわう浜辺です。
今は人影はなく静かで落ち着いた雰囲気でした。
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御礼 (桑本栄太郎)
2025-04-23 17:09:47
高橋正子先生
4月19日の秀句に「山吹きやごっとん水車の廻りけり」の句を、又20日の今日の秀句に「特急の通過駅なり花は葉に」の句をお選び頂き、それぞれの句に嬉しい過分なるご句評も頂戴しまして、大変有難う御座います!!。未だ4月中旬なのに此処の所暖かい日が続き。周囲は初夏のような様相であります。
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