母方の祖父は、小生の小学生時代には、すでに体調を崩して引退し、仕事には就いていなかったが、羊羹を切り分けるにもスケールを当てる技術屋だったので、小生の進路に影響したかも知れない。2本の平行直線間に等間隔線を入れるときにスケールを斜めに使うなども祖父の振りを見て覚えた。
その祖父が革表紙の対数表の使い方を小5のとき教えてくれた。掛け算が足し算でできることに驚いた。表の数値の補間も教わった。多分、丸善の数表だった。同じく祖父の古い革ケース入りの手持ちトランシットは、永く手元にあったのだが、今はない。
大学3年の測量実習では、教官助手先生の三角関数表は学生のより桁が多かった。波浪水槽実験の波長計算には、米工兵隊のShore Protection Manualの表を使った。計算尺も多用したが、PC普及でどちらも使わなくなった。
海岸踏査に常時携帯したクリノメータが、今も手元にある。馴染みがあるのは、祖父譲りのコンパスの所為だろう。また、機械実用便覧昭和31年版が62年後の今も手元にある。この材料のJIS表は永く使った。クリノメータと便覧の写真を示す。
機械学会編機械実用便覧691p.の目次は数表と単位、数学、力学、材料力学、水力学、熱および熱力学、工業材料、機械の要素、機械工作、各種機械、電気である。表紙裏に材料力学宿題の20歳のペン字書き込みが残っている。
ここで、携帯英語類語辞書(Pocket Roget's Thesaurus)を思い出した。例示すれば、辞書前半に main 32(4) 34(5) 343(1) 624(8) 638(5) と引けるのに対し、後半のmain 相当語説明で、32greatness第4意、34superiority第5意、343ocean第1意、624way第8意、638importance第5意の説明を読み取る訳である。単語を検索すると、後半の複数の語の記述個所を読まなくてはならなかったので、使いこなしと言うには程遠かったが・・・。