2019 /9/19、英Bristol大発表・・・1953年のパズルの解
「Bristol大Booker教授とマサチュセッツ工科大Sutherland教授*は3を整数の3乗3個の和で表す新しい解(10進21桁)を発見した。」
パズル : Mordell(Cambridge大)が1953年倫敦数学会誌に出題。
n=x3+y3+z3と自然数nを表す時の整数解xyzの組は、n=1とn=2には無数にある**。一方n=3には3= 13+13+13 & 3= 43+43+(-5)3の2個の簡単trivial解しか知られてない。 もっとあるはず・・・でも考え付けない!
答 ::
新しい解は、50万台のPCを連結した並列計算***で得た次式:
3=5699368212219623807203 + (-569936821113563493509)3+ (-472715493453327032)3
検算は、「カシオKETSAN」サイトでできるが、Excelでは実行不可:
185131426470358721030003064550489120286063150089838997749248000-
185131426364725746289073278168542399539619802127338908944671229-
105632974740929786381946720746443347962500088804576768=3
。
註
- Bookerは計算アルゴリズムを考案、Sutherlandは大規模並列計算を調整・実行。共に計算数論computational number theoryの専門家である。“Cracking the problem with 33” でBooker論文.pdf (2019)に到達可能である。
** 2人はn=1~100(但しn≠±4(mod 9)) に対する本表示式の最終解n=42を本年提示した。n=1と2には3乗3項和のパラメータ表示式がある。1 = (9n4)3 + (3n-9n4)3 + (1-9n3)3, 2 = (1+6m3)3 + (1+6m3)3 + (-6m2)3・・・m,nは任意整数
*** Sutherland談「この大規模並列計算は、あたかも天文学者が高性能望遠鏡を手に入れて従来見えなかった星を見るようなもので、ワクワクする。」
上の課題の計算時間総計は400万時間で、実質10時間相当か?。
Bookerはスパコン3週間で自然数表示のn=33を解いた。n≦100の最終解n=42は少くも10倍掛かると見て、並列実績のSutherlandとチーム結成。結果は130万時間(50万PC計)を要し、計算量は6.5倍。単純に同じスパコンなら3週×6.5=20週=5カ月占用で解けるのか。これらは2019年春と秋の結果である。500,000PCs(Charity Engine)はスパコンの1000倍速(スパコン3週間×6.5÷2.6時間=スパコン×1260)と言うことになる。
?
Mordell出題の1953年は、小生80才老生が中2で結核休学していた年である。当時「1 9 5 3」の4数字で0~100になる表示式を作って数学教師に送った。「皆和n」=1+2+・・・+nを多用したっけ。
それは休学中の教室で披露され、クラスが沸いたと後で級友から聞いた・・・遠い記憶!