<数学サイトで拾った整数のべき乗和等式> mathworld.wolfram.comの「数論/ディオファントス方程式/5乗セクション( >Number Theory >Diophantine Eq. >5th Power)では、整数5乗和等式が54式例示されている。その中から目に付く10式を拾い出した!!
ここで、係数1の5乗和の等式を(次数5、左辺項数、右辺項数)で表すことにする。まず、解のない5乗和等式から始まる:(5,2,1) A5+B5=C5 はフェルマーの最終定理の5乗の場合に相当し、整数解はない。 また、(5,2,2) A5+B5=C5+D5 にも1.02×1026 迄には整数解がない。更に、(5,3,1) A5+B5+C5=D5 にも8×1012 迄には整数解がないことが確かめられている。
<不思議な性質 1&5乗和等式の10例> この54例中の10例の等式では、同じ整数の組で、1乗和等式と5乗和等式の双方が成立していることに気づいた。例示されている5乗和等式数の19%が1乗和等式としても成立しているのである。このことは、当該サイトには記述されてない(筈)。
パラメトリック解が知られている(5,3,3)形式A5+B5+C5=D5+E5+F5では、例えば、245+285+675=35+545+625の場合、5乗和と1乗和の等式の双方が成立する。
(5,3,3)形式では同じ性質を持つ、他の4式、[18,44,66]=[13,51,64]1,5、 [21,43,74]=[8,62,68]1,5、 [56,67,83]=[53,72,81]1,5、 [49,75,107]=[39,92,100]1,5 をピックアップできる。
また、これらとは異なる形式(5,4,3)の最小解[1,8,14,27]=[3,22,25] 1,5、(5,4,4)の最小解[5,6,6,8]=[4,7,7,7] 1,5 、および(5,4,4,4)の最小解[3,48,52,61]=[13,36,51,64]=[18,36,44,66] 1,5 がピックアップできる。
さらに項数の多い、(5,5,6)の[22,17,16,6,5]=[21,20,12,10,2,1] 1,5と(5,6,6)の[87,233,264,396,496,540]=[90,206,309,366,522,523] 1,5の2式があり、1乗・5乗の複数べき乗和等式が成立する合計10式がピックアップされる。
<より多くのべき乗指数で同時成立する例> で5乗以下の例がないか探索した。すると、同一整数組で1,3,5乗と1,2,3,5乗に対応する等べき乗和等式がある。(5,3,4)の[ 24, 33, 51] = [7, 13, 38, 50] 1,3,5と、負整数を組に含む(5,4,4)の[-91, -17, -5, 113] = [-77, -55, 23, 109] 1,2,3,5を見つけた。”keisan”と言う計算サイトを使えば、これらの等式の真偽確認は容易である。
<1~5のべき乗指数全てで成立する例> 冒頭に挙げたサイトの5乗和の項には(5,6,6)形式でk=1,2,3,4,5乗の一般パラメトリック表示(パラメータ5個)が見られる。恐るべし!Srinivasa Ramanujan級だ!
5乗以下の非負べき乗指数全てで成立の非負整数組の(5,6,6)形式として、 [ 0, 5, 6, 16, 17, 22 ] = [ 1, 2, 10, 12, 20, 21 ] k=1,2,3,4,5 ・・・(1912,G.Tarry)、(5,6,6,6,6)形式の[ 0, 23, 25, 71, 73, 96 ] = [ 1, 16, 33, 63, 80, 95 ] = [ 3, 11, 40, 56, 85, 93 ] = [ 5, 8, 45, 51, 88, 91 ] k=1,2,3,4,5 ・・・(1944,A.Golden)がある。
<素数組の最近の発見例> 素数限定の(5,6,6)形式では、 [ 17, 37, 43, 83, 89, 109 ] = [ 19, 29, 53, 73, 97, 107 ] k=1,2,3,4,5…(2016, Qiu Min, Wu Qiang: http://eslpower.org/eslp.htm#IdealPrimeSolutions)が挙げられる。
17+37+43+83+89+109 = 19+29+53+73+97+107 = 378
172+372+432+832+892+1092=192+292+532+732+972+1072= 30198
173+373+433+833+893+1093=193+293+533+733+973+1073= 2706858
174+374+434+834+894+1094=194+294+534+734+974+1074= 256735206
175+375+435+835+895+1095=195+295+535+735+975+1075= 25127111898
このように連続する指数で成立する素数の同べき乗和の左右同項数等式の中でネット検索での現時点最多連続指数の例では、表示はしないが、k=1~9乗の事例がある(2016, Chen Shuwen)。