メンタルヘルス…足立から発進

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定年後の再雇用「事務→清掃は違法」・・・ トヨタ

2016年09月30日 | 労働
定年後の再雇用「事務→清掃は違法」 トヨタに賠償命令

定年後の再雇用「事務→清掃は違法」 トヨタに賠償命令

12:02朝日新聞

 トヨタ自動車で事務職だった元社員男性(63)が、定年後の再雇用に際して会社から清掃業務を提示されたのは不当だとして、同社に200万円の損害賠償などを求めた裁判の控訴審が名古屋高裁であった。藤山雅行裁判長は請求を棄却した一審・名古屋地裁岡崎支部の判決を一部変更し、同社に約127万円の賠償を命じた。判決は28日付。

 判決によると、同社は2013年2月、定年を控えた男性に1年契約の清掃業務で1日4時間、時給1千円のパート勤務を提示。男性はそれまでと同じ事務職での再雇用(最長5年)を求めたが、再雇用されることなく同年7月に定年退職した。

 藤山裁判長は「男性が定年退職せざるを得ないよう仕向けた疑いさえ生じる。実質的に継続雇用の機会を与えたとは認められない」と指摘。その上で、厚生年金の支給開始年齢の引き上げに伴う無年金の空白を防ぎ、継続雇用の措置などを義務づけた「改正高年齢者雇用安定法」の趣旨に反している、とした。


再雇用巡りトヨタ敗訴、127万円支払い命令

09月29日 07:43読売新聞

 定年後の再雇用を巡り、不当な業務内容を提示されたとして、元トヨタ自動車社員の男性(63)(愛知県豊田市)が同社に200万円の慰謝料などを求めた訴訟の控訴審の判決が28日、名古屋高裁(藤山雅行裁判長)であり、請求を棄却した1審・名古屋地裁岡崎支部の判決を変更し、同社に約127万円の支払いを命じた。

 判決によると、事務職として働いていた男性は、2013年、60歳の定年を迎えるのを機に、雇用期間が最長5年の「スキルドパートナー」職としての再雇用を希望した。しかし、同社は、能力が同職種として再雇用される基準に達していないとして、原則1年雇用のパートタイム職を提示。その業務内容が社内の清掃だったため、男性は拒否し、再雇用されなかった。

 判決理由で藤山裁判長は、「再雇用の業務内容がそれまでと全く違い、社会通念上、労働者にとって到底受け入れがたいものだ」と指摘。継続雇用などの措置を講ずるよう義務づけた改正高年齢者雇用安定法の趣旨に明らかに反しており、違法だとした。

 トヨタ自動車は「当社の主張が認められず残念。今後の対応は、判決内容を精査して検討したい」とコメントした。

「病院門前町から病院が消える!?」・・・東京女子医大東医療センター

2016年09月30日 | 病院誘致
「病院門前町から病院が消える!?」噂の!東京マガジン【7月24日放送】
テレビ 2016年7月31日 (日)配信Live on TV

病院門前町から病院が消える!? 商店街も区も大慌て!

 荒川区の東京女子医大通り宮前商店街は、大学病院を中心に栄えてきた昭和の香りを残す商店街。喫茶店「MIYOSH」で話を聞くと、お客さんは病院関係者や患者が多いという。今回、問題となる東京女子医科大学東医療センターの紹介。外来患者は1日平均1004人で病床数は495床、職員数は1115人と大きな病院である。現在、病院の移転計画が上がっている。全長250mの商店街沿いに東医療センターの関連施設が建っていて、総面積は14,978平方メートルとなる。1号館は建築後50年を迎え老朽化も深刻問題となっていたが諸条件が整わず移転を検討したと説明。ここで商店街に入る衣料品店「SUMIRE」の店主は、「打撃は打撃。もしかしたら商店街が潰れる」と危惧していた。さらに、病院は唯一侵害時の災害拠点病院であり、荒川区行政としても移転に反対している。病院の移転先で挙がっているのは隣の足立区で、足立区民は来てほしいと考えていて病院争奪戦の状況となっている。荒川区の商店街の辺りは、昔は芸者が行き交う花街で、阿部定事件の場所も存在する。かつては医療過疎の街でもあり、それを解消するために東京女子医大の創設者である吉岡彌生氏が分院を開設した。それから80年 商店街のマスコット「お宮ちゃん」は病院がモチーフになっている。今回の病院移転について、おにぎり店「ふじた」の店主は「びっくりしました。ウソでしょと思いました」と語った。また青果店「宮前青果」店主も「女子医大がなくなったら商売上がったりになります」とコメント。荒川区民は病院の移転計画に戸惑っている。

スタジオトーク

 荒川区の大学病院の移転計画が与える影響について出演者は、「これは大変だなあ」「ほとんど病院関係で成り立っているんだ」などと話した。井崎脩五郎は「母親がこの病院で手術した、名医揃いで評判でした」とコメントした。清水国明は移転理由をフリップで解説。効率性の問題や、大規模災害時における安全性の不安、敷地内上空の高圧送電線による制限などがあるという。また、移転して新たに病院を誘致することは、医療圏の問題が関わってくるため、できないという事を解説した。

病院門前町から病院が消える!? 商店街も区も大慌て!

 東京・足立区の移転候補地の一つの江北エリアは3万平方メートル以上と、今の場所より好条件である。病院の誘致を進める足立区経営戦略推進担当課 佐々木拓課長は、「助成金を用意するために病院整備の基金を設置して積立を開始している」という。その金額は60億円にもなっているという。そもそも足立区への誘致は、医療圏の関係から移転場所が荒川区になく、足立区が誘致しなければ、病院は医療圏の外に移転してしまう可能性もあるというところから始まったという。しかし、荒川区民は区に対して動きが遅いから先をこされたと考えている人もいる。

 病院の移転話が持ち上がり、荒川区の生活衛生課の東山忠史課長はこれまで共に手を携えて来たのに信頼関係が損なわれたとコメント。一方の東京女子医科大学は、これまでに荒川区内での移転をと代替地の確保を区にお願いしてきたが、残念ながら代替地の確保に至らなかったとしている。2年前に区と病院が建て替え案に関する合意書を交わしたが、建て替えに伴う道路幅拡張が精一杯だという。荒川区民は足立区の近藤区長は女性ながらパワーがあり、荒川区長の西川さんにも頑張ってもらいたいと話した。

スタジオトーク

 荒川区は合併した学校の跡地に病院の代替地として利用するなどの考えがあるという。しかし、病院は民間企業なので立地条件や採算の良い場所に移りたいと考えるのは仕方がないと指摘した。

認知症保険、売れ行き好調・・・経済的負担に備えて

2016年09月30日 | ニュース(介護)

認知症保険、売れ行き好調 家族の離職・施設費…経済的負担に備え

2016年9月30日 (金)配信朝日新聞

 高齢化で今後も増加が見込まれている認知症の人。生命保険2社が今春に相次ぎ「認知症保険」を販売しました。売れ行きは好調だそうですが、どんな仕組みなのでしょう?

 認知症になって要介護認定を受けたら、公的な介護保険でショートステイや訪問介護といったサービスを原則1割の自己負担で受けられる。一方、民間保険ではお金を受け取る。認知症は付き添いや見守りが必要で、ほかの理由による介護より経済的負担が大きいとされ、ここに備える位置づけだ。

 太陽生命が3月に売り出したのが「ひまわり認知症治療保険」。加入した後に認知症と診断され、同社の定める状態が180日続いた場合、300万円の給付金が支払われる仕組みだ。要介護の原因になりやすい骨折時の保障もつく。担当者は「認知症治療の費用負担、介護離職など家族の経済的負担が予想される」と、導入理由を説明する。

 20歳から加入でき、年齢や性別で月々の保険料は異なる。60歳で払込期間が終身だと男性は5112円、女性は8167円。認知症になると認知機能が下がるため、専門知識のある社員が契約者宅に出向き、給付金請求のサポートをするサービスも備えた。発売から7カ月で加入者数は10万件を超え、過去の新商品にはない速いペースという。

 朝日生命は「あんしん介護 認知症保険」を4月に発売した。保険金の受け取り方を一時金か終身年金かで選べるのが特徴で、担当者は「施設に入った場合は月々の入居費用がかかり、自宅のリフォーム工事代などにはまとまったお金が必要。様々な需要に応えるため」とする。

 一時金や年金の額を加入者が選ぶこともできる。終身払いで一時金300万円なら、月々の保険料は男性60歳で3465円、女性60歳で4077円。終身の年金タイプ(年金額60万円)は男性60歳6342円、女性60歳で1万560円だ。8月末までに合計約2万件の契約があった。希望すれば、家族にも契約内容を説明する仕組みも用意した。

 発売から間もないため、両社とも保険金支払いの実績はない。太陽生命は今後、受け取った保険金の使い道を調査して、より実態にあった仕組みにしていきたいという。

 厚生労働省の推計では、認知症の高齢者は2012年時点で462万人。20年に602万人、40年に802万人に増えるとみられる。加入を検討する人に対し、ファイナンシャルプランナーの大木美子さんは「すでに医療保険に加入しているなら、保障内容の重複も確認してほしい。また、貯蓄で収入減や費用負担に対応できるように家計を整えておくのも大切だ」とアドバイスする。

 (浅野真)

75歳以上、保険料上げ検討 後期高齢者医療の特例廃止・・・厚生労働省

2016年09月28日 | 相模原事件
75歳以上、保険料上げ検討 後期高齢者医療の特例廃止 来年度から9百万人対象
2016年9月28日 (水)配信共同通信社

 厚生労働省は27日、75歳以上の後期高齢者医療制度で、低所得者ら916万人の保険料を最大9割軽減している特例を廃止し、2017年度から段階的に保険料を引き上げる方向で検討に入った。法令で定める軽減幅は最大7割で、現在は税金を使ってさらに安くしているが、本来の規定通りにする。増え続ける医療費を賄うため高齢者にも負担を求め、世代間での公平性を高めるのが狙い。

 政府は17年度から特例軽減を原則的に廃止すると15年にいったん決定していたが、消費税増税の再延期のあおりで扱いが宙に浮いていた。厚労省は年末の予算編成に向け、詰めの議論に入りたい考えだ。ただ保険料負担が約5倍に増える人もいることから、高齢者の反発を懸念する与党から異論が出る可能性もあり、調整は難航しそうだ。

 厚労省は29日に開く審議会で「激変緩和措置を設けつつ、原則的に(法令上の)本則に戻していくべきではないか」と提案し、議論を求める。

 特例軽減の対象は75歳以上の約1600万人のうち所得が低い747万人と、74歳まで会社員らに扶養されていた169万人。国費945億円と地方負担159億円を投じ負担を軽くしている。

 扶養家族だった人の場合、現在月380円の保険料が特例廃止により最大で1890円と5倍増となる。ただ、所得に関係なく特例が適用される上、1人暮らしを続けてきた人らは対象外で不公平との指摘もある。

 特例廃止は、消費税増税に伴い実施予定だった介護保険料の軽減拡充や年金生活者支援給付金とセットで実現することになっていた。しかし、これらの低所得者対策は実施の見通しが立っておらず、負担を和らげる代替策も検討する。

 厚労省はこのほか、毎月の患者負担に上限を設ける「高額療養費制度」についても、高齢者の優遇措置を見直したい考えだ。70歳以上の大半が現役世代より負担が軽く、高所得者を中心に負担上限引き上げを議論する。

 ※後期高齢者医療の特例軽減

 75歳以上の医療保険料は現在、全国平均で月5659円(見込み)。低所得者については保険料の定額部分を2~7割軽減すると法令で規定されているが、予算措置で最大9割引きにする特例がある。また、74歳まで会社員や公務員の扶養家族だった人は75歳から2年間だけ5割軽減のはずが、特例により無期限で9割軽減されている。2008年度に後期高齢者医療制度がスタートした際、高齢者の反発をかわそうと自公政権が特例軽減を導入した。特例に充てた国費は16年度までの累計で7243億円。

働き方改革スタート 非正規処遇の改善検討・・・政府

2016年09月28日 | 労働

残業規制強化へ 政府、働き方改革スタート 非正規処遇の改善検討 実効性焦点、労使対立か

2016年9月28日 (水)配信共同通信社

 政府は27日、「働き方改革」に向け関係閣僚や労使代表ら有識者による「実現会議」(議長・安倍晋三首相)の初会合を首相官邸で開いた。長時間労働を抑制するための残業規制強化やパートなど非正規労働者の処遇改善などが柱。来年3月をめどに実行計画をまとめる。

 安倍政権が推進するアベノミクスの失速が指摘される中、実効性がある政策を打ち出せるかが焦点だ。労使対立が激しく難航も予想される。

 働き方改革を「最大のチャレンジ」と位置付ける安倍首相は会合で「大切なことはスピードと実行だ。もはや先送りは許されない。強い意志で取り組まなければならない」と強調した。

 長時間労働の抑制は、労働基準法が定めた残業に関する労使協定(三六協定)の見直しが課題となる。現在は労使が合意すれば事実上残業が無制限となるため、上限の設定を検討する。自民党内には超過した場合の罰則を求める声もある。

 政府によると、日本で働く人の2014年の労働時間は平均1729時間。ドイツやフランスは300時間前後少ない。

 長時間になりがちな働き方が育児や介護など生活との両立を妨げ、女性や高齢者が働き続けることを阻害したり、少子化や生産性低下につながったりしているとの指摘がある。政府は1人当たりの生産性の向上が人口減少下での経済成長に不可欠だとしている。

 正社員と非正規との不合理な待遇格差をなくす「同一労働同一賃金」の実現も目指す。厚生労働省は企業向けの指針を年内に策定する。関係法の改正も念頭に置く。

 柔軟な働き方ができる環境づくりも進める。65歳以上の継続雇用・定年延長に取り組む企業への支援や、ITを活用して在宅勤務をするテレワークの拡大、がんなど病気の治療と仕事が両立できる環境を整備する。返済不要の「給付型奨学金」の創設や、外国人材の受け入れも議論する。

 実現会議は月1回程度開催する。



労働慣行が壁に 好循環、実現見通せず 「表層深層」働き方改革スタート
2016年9月28日 (水)配信共同通信社

 安倍政権の最重要課題の一つである「働き方改革」の本格的な議論が27日、始まった。非正規労働者の待遇改善を目指す「同一労働同一賃金」の実現や正社員を中心とした長時間労働の是正が柱。政権は経済の好循環につなげる思惑だが、年功賃金など労働慣行が厚い壁となり、実現は見通せない。

 ▽弾切れ

 「改革を必ずやり遂げる。スピード感を持って国会に関連法案を提出する」。安倍晋三首相は、働き方改革実現会議で強調した。

 首相が強い意欲を示すのは、アベノミクスが失速気味で、デフレ脱却や経済成長が思うように進まないからだ。財界関係者は「政権にはもうアベノミクスを軌道に乗せる弾がないから、働き方改革に手を突っ込んだ」と解説してみせた。

 有効求人倍率や失業率は大幅に改善したものの、雇用の受け皿は依然、低賃金の非正規頼み。同一労働同一賃金が実現すれば働く人の約4割を占める非正規の賃金が底上げされ、消費が拡大し経済成長につながるというわけだ。長時間労働を是正し女性や高齢者が働きやすい環境が整えば、少子高齢化で減少する労働力も確保できる。

 ▽力の源泉

 労使が長年議論してきた働き方の見直しは、利害が対立し進展しなかった。厚生労働省の担当者は「政権が率先して取り組むことに意義がある」と強調。首相も「具体的な実行計画にしたい」と意気込むが、労働慣行にメスを入れるのは容易ではない。

 欧州は同一労働同一賃金が定着している。正社員か非正規かではなく、仕事の内容(職務)で賃金水準を決める「職務給」が一般的なためだ。一方、日本企業の正社員は年功賃金が主流で、欧州型はなじみにくい。

 責任が重く、転勤や異動もある正社員は、似たような仕事をしていても非正規と待遇が違うのは当然という意識が強い。経団連の榊原定征会長は26日の記者会見で「日本の労働慣行は産業競争力の源泉だ」と話し、慣行の見直しは難しいと指摘した。

 非正規の賃金は正社員の6割弱にとどまっており、政権は欧州並みの8割程度を目標にする。企業経営者は人件費の膨張を警戒し、正社員には「賃金が引き下げられるのでは」との不安もある。

 実現会議には複数の経済団体幹部が名を連ねるが、労働者側は主に正社員が組合員の連合会長だけ。待遇改善が必要な非正規の代表はおらず、当事者不在で議論が進みそうな気配だ。

 ▽人気取り

 長時間労働是正のため、政権は残業時間の上限設定を検討。過労死やうつ病などの健康被害を減らし、女性や高齢者らが働きやすくなることを期待する。

 日本は正社員の解雇規制が厳しく、仕事の繁閑には正社員の残業や非正規の増減などで対応することが多い。経営者側は、残業時間に一律に上限が設けられると繁忙期や災害などの緊急時に仕事が回らなくなると反発。労働者側は「実効性のある規制を導入すべきだ」として、規制の例外が多くなり、長時間労働抑制が骨抜きにされることを警戒する。

 働き方改革は「政権の人気取り」(政府関係者)と冷ややかな声も聞かれ、首相がどれだけ成果を出せるか注目される。



青天井労働に歯止め 同一賃金実現へ法改正
2016年9月28日 (水)配信共同通信社

 政府の「働き方改革実現会議」は、長時間労働の抑制策などを話し合う。主なテーマの現状と課題を整理した。

 【長時間労働の抑制】

 過労死の防止や育児・介護などと仕事を両立させるためには、長時間労働の解消は不可欠だ。女性の社会進出を阻む要因にもなっている。

 長時間労働を減らすため、政府は労働基準法を改正し残業の上限時間設定や、それを超過した場合の罰則の在り方を検討するとみられる。労使合意があれば事実上残業が無制限にでき「青天井」との批判がある労使協定のルール見直しが焦点だ。

 労基法は働く時間の上限を原則として1日8時間、週40時間までと規定している。それを超えて働かせる場合、労使が協定を結ぶ必要がある。同法36条に基づくため「三六協定」と呼ばれる。

 厚生労働省は一部例外を除き残業の上限を月45時間、年360時間などと定めているが、「特別条項」に合意すれば、1年の半分までは上限時間を超えることが可能だ。

 一律に厳しく残業時間を制限することには、経営側の反発が予想され、実際の労働時間を記録せずサービス残業をさせるケースが出る恐れもある。逆に、あまり緩やかでは規制として意味がない。労使の着地点を見いだすのは簡単ではない。

 【同一労働同一賃金】

 厚労省によると、パートや派遣社員といった非正規雇用は2015年で1980万人に達し、労働者の37・5%を占める。一方で非正規の賃金水準は正社員の約60%と、待遇格差が問題になっている。

 安倍晋三首相は1月の施政方針演説で「同一労働同一賃金の実現」を宣言。政府は6月に閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」で、非正規の賃金について、正社員の80%程度である欧州並みを目指すと明示した。

 しかし、同一労働同一賃金は言葉の定義が曖昧な上、日本では職務内容だけでなく能力や成果への対価として給料を支払う「職能給」制度を採用している企業が多く、職務内容に応じた賃金を支払う欧州を模倣することには疑問の声も上がる。

 政府は年内に、どのような格差が不合理に当たるかを示すガイドラインを策定する。法改正も視野に入れるが、格差縮小をどこまで実現できるかは不透明だ。

 【多様な働き方】

 内閣府の調査では、60歳以上の65・9%が65歳を超えても働くことを希望。しかし企業に課せられた雇用義務は65歳までで、65歳以上の就業率は21・7%と低い。政府は高齢者の就労促進を目指すが、法律による雇用義務の拡大には根強い反発がある。65歳までの定年延長や65歳以降の継続雇用など、企業の自発的な取り組み支援の強化が鍵となる。

 柔軟な働き方も広げる。民間企業や公的機関で働く障害者は増え続けており、15年の民間企業における雇用者数は約45万3千人。子育てや介護をしながら働く人も増えている。政府は在宅勤務が可能なテレワークなど、情報通信技術(ICT)の活用などを進める。