メンタルヘルス…足立から発進

メンタルヘルスに関するボランティア活動や介護を担う人達とのビアサポートをお伝えします。

知的障害児1割強に抗精神病薬を処方・・・ 研究チーム調査

2017年01月31日 | 一般ニュース
知的障害児1割強に抗精神病薬を処方 研究チーム調査
臨床

 知的障害のある子どもの8人に1人に、統合失調症の治療に本来使われる抗精神病薬が処方されていることが、医療経済研究機構(東京)などの研究チームの調査でわかった。うち半数で年300日以上も処方されていた。研究チームは「自傷行為や暴力などの行動障害を抑制するためとみられるが、長期の使用は体重増加など副作用のリスクが高まる」と指摘している。
 研究チームは、健康保険組合の加入者約162万人の診療報酬明細書(レセプト)のデータベースを分析。2012年4月~13年3月に知的障害と診断された3~17歳の患者2035人の薬物療法について、1年間、追跡した。
 その結果、抗精神病薬が1回以上処方された人は12・5%。年齢別では3~5歳が3・7%、6~11歳が11・0%、12~14歳が19・5%、15~17歳が27・0%と年齢が上がると、処方割合が高くなった。1年あたりの処方日数は小学校入学以降に長期化していた。
 統合失調症の発症年齢のピークは10代後半から30代中ごろとされる。世界精神医学会の診療指針では、精神疾患が原因でない行動障害には、子どもの特性に応じた環境の整備など薬物に頼らない治療を推奨している。
 同機構の奥村泰之主任研究員(臨床疫学)は「医療や教育現場で適切な支援を普及させるため、日本でも早急に診療指針をつくる必要がある」と話している。(黒田壮吉)

訪問看護師、暴力に泣き寝入り 対策へ・・・医療関係者、弁護士ら検討会発足

2017年01月30日 | ニュース(介護)
訪問看護師、暴力に泣き寝入り 対策へ医療関係者、弁護士ら検討会発足
07:00神戸新聞

 在宅での介護や看護を担う看護師らに対する利用者やその家族からの暴力への対策を考える民間の検討会が29日、神戸市で発足した。1人で利用者の自宅を訪れることが多いため、被害が明らかになりにくく、「暴力を受けることも仕事」と泣き寝入りするケースもあったという。検討会では暴力の実例を聞き取り、公的な相談窓口の設置を求めるなど2018年春にも対応策をまとめる。(山路 進)

 検討会は、同市須磨区の訪問看護事業所長の看護師藤田愛さん(51)が呼び掛けた。兵庫県内外の看護師や介護ヘルパー、薬剤師のほか、医療や看護が専門の大学教授、弁護士ら約20人が参加した。

 藤田さんや神戸市看護大の林千冬教授(看護管理学)らが15年度、県内の訪問看護事業所の訪問看護師を対象に、利用者や家族からの暴力について調査。回答した358人の半数が、身体的な暴力や言葉での侮辱などの「暴力」を受けた経験があると答えた。抱きつくなど性的な暴行もあったが、十分に対策がとられていないことが明らかになった。

 初会合で代表に選ばれた藤田さんは「暴力の原因には家族内のトラブルや経済的な困窮、服用薬の影響などがある。在宅ケアの充実のためにも問題解決の方法をまとめたい」とあいさつ。出席者からは「暴力を当たり前と耐えている人もいる」「誤った苦情対応が暴力を招くケースもある」などの課題が提示された。

 今後、メンバーからの暴力の実例を聞き取って分析し、暴言やセクハラなど被害の形態別の対応策をまとめる。


■被害見えにくく、議論遅れる

 利用者の自宅が職場となる訪問看護師。利用者本人やその家族からの暴言に加え、殴る、蹴るの暴行や抱きつきなど深刻な被害の訴えが続く。

 神戸市看護大などの2015年度の調査で、暴力を受けたと回答した180人のうち、振るわれた相手は利用者本人が71%、家族・親族が24%だった。身体的暴力に加え、「はさみで刺したろか」などの暴言、複数のカメラでの監視、陰部への接触の強要などもあった。

 防止策の一つに複数での訪問があるが、検討会の藤田愛代表は「人件費もかさみ経営的に難しい」。検討会メンバーで、全国訪問看護事業協会(東京)の新津ふみ子監事は「暴力は昔からあったが、対策は議論されてこなかった」と振り返る。同協会は、同大などの調査を受けて17年度、全国8千以上の事業所を対象に同様の調査を計画。「看護師を守るため、検討会の議論にも生かしたい」としている。(山路 進)

がん治療と仕事両立「難しい」6割超・・・ 内閣府世論調査

2017年01月30日 | 相模原事件
がん治療と仕事両立「難しい」6割超 内閣府世論調査
01月28日 18:40朝日新聞

 がんの治療と仕事の両立は難しいと考える人が6割超に上ることが、内閣府の世論調査でわかった。両立には、短時間勤務や柔軟な休暇制度が必要と考える人が5割程度いた。

 調査では、がんの治療や検査には、2週間に1回程度通院の必要があるとした上で、現在の日本社会は働き続けられる環境と思うかどうかを尋ねた。「そう思わない」(29・3%)、「どちらかといえばそう思わない」(35・2%)で、計64・5%が否定的だった。

 両立が難しいと考える人に最大の理由を尋ねると、「代わりに仕事をする人がいない、いても頼みにくい」(21・7%)が最多。「職場が休むことを許してくれるかどうかわからない」(21・3%)、「両立が体力的に困難」(19・9%)と続いた。両立に必要な取り組み(複数回答)は「治療や通院のために短時間勤務が活用できること」(52・6%)が最も多く、「1時間単位の休暇や長期の休暇が取れるなど柔軟な休暇制度」(46・0%)、「在宅勤務を取り入れること」(38・6%)が上位を占めた。

 政府は「働き方改革」を掲げ、両立支援に向け、治療休暇制度の普及や、出社せずに自宅で働けるテレワークなど柔軟な働き方を広げる方針を打ち出している。医療機関と企業、産業医・心理カウンセラーの3者が連携して、患者を支える仕組みづくりも進める。

 調査は昨年11月17〜27日、全国の18歳以上の男女3千人を対象に実施。1815人が回答した(回収率60・5%)。(大久保貴裕)

家族の賠償責任を公費で救済…神戸市

2017年01月26日 | ニュース(介護)
認知症患者、家族の賠償責任を公費で救済…「やさしいまちづくり条例」神戸市29年度内制定目指す

認知症の高齢者が徘徊中などに起こした事故をめぐり、神戸市は25日、家族の被害弁償を公的に補助する救済制度の創設を盛り込んだ条例案を発表した。市は骨子案を来月17日開会の市議会2月定例会に提出し、3月には制度を検討する有識者会議を設置する。平成29年度内の制定を目指すという。

 条例案の名称は「認知症の人にやさしいまちづくり条例(仮称)」。事故に関する救済制度のほか、運転免許証の自主返納や中学校区での徘徊模擬訓練の実施などを推進する。

 多額の賠償を求められた認知症患者の家族の公的救済制度については、愛知県大府市で19年に徘徊中の男性が電車にはねられ死亡した事故で鉄道会社が起こした訴訟を機に、必要性をめぐる議論が活発化。国の連絡会議は昨年12月、「専門的見地からの検討が必要」と導入を見送ったが、神戸市は同9月に市内で開かれた先進7カ国(G7)神戸保健大臣会合で採択された「神戸宣言」を受け、独自に検討を進めていた。

 市は国の検討結果を参考に、福祉関係者らでつくる有識者会議を設置し、創設の可否を含めて議論を進める。久元喜造市長は25日の定例会見で、「地域社会のなかで求められる制度。国は制度化を見送ったが、市としてあきらめるべきではない」と、制度実現に前向きな姿勢を見せた。

事件半年 傷負って確かめた絆・・・相模原殺傷

2017年01月26日 | 相模原事件
<相模原殺傷>事件半年 傷負って確かめた絆
01月25日 21:43毎日新聞

<相模原殺傷>事件半年 傷負って確かめた絆

尾野一矢さん(中央)を見守りながら食事をする母のチキ子さん(右)と父の剛志さん=神奈川県厚木市で2017年1月25日、国本愛撮影

(毎日新聞)

 ◇遺族は悲しみ癒えぬまま

 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で46人が殺傷された事件は26日で半年がたつ。重傷を負った息子とその家族は、事件を乗り越えて親子の絆を確かめ合う日々を送る。一方、犠牲者の遺族は癒えぬ悲しみや苦しみを抱えたままだ。

 25日、神奈川県厚木市の公園に、昼食を楽しむ尾野剛志(たかし)さん(73)と妻チキ子さん(75)、長男一矢さん(43)の姿があった。手作りのおにぎりやポテトサラダを一矢さんが頬張り、2人は笑顔で見つめた。

 一矢さんは事件で生死の境をさまよい、退院後も車椅子の日々が続いた。手が震え、自分でスプーンを握ることもできなかった。2人は将来が心配で眠れない日もあったが、「生きていてくれるだけで、たまらなく幸せ」と思い直した。

 半年を経て自分の力で歩けるまでに回復。今は別の施設に入り、2人が毎週訪ねる。チキ子さんは「事件を機に、家族の絆をもう一度感じ、もっと強くなった」という。

 実名で取材に応じる理由は半年前から変わらない。「障害と関係なく、大切な息子であることを世間に知ってほしい。何も隠すことはない」

    ◇

 事件で兄を失った同県内の女性は、まだ墓に遺骨を納められずにいる。「お寺には施設で殺されたなんて言えない。どう説明したらいいのか」。背負う悲しみは癒えない。

 「でも、良かったんじゃない」。事件後にかけられた年配女性の言葉が、とげのように胸に突き刺さっている。慰めかもしれないが、容疑者の「障害者は不幸だ」との供述に重なって聞こえた。

 今も事件の報道に触れるたび、あの日の恐怖がよみがえる。「私はもう忘れたい。でも事件のことは忘れてほしくない」。気持ちは揺れ続ける。

 兄の写真は家にほとんどなく、遺影は施設に作ってもらった。事件以来、毎朝欠かさず手を合わせ、好物だったスナック菓子を供える。「暖かくなったら納骨してあげたい」。兄が生まれた春を静かに待つ。【国本愛、森健太郎】