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同一労働同一賃金・・・オランダでは

2016年09月12日 | 労働
週3日勤務、共働きで生計 パートも「同一賃金」 「欧州の働き方」
2016年9月12日 (月)配信共同通信社

 「仕事と生活のバランスが取れて満足だね。月曜の午前は趣味のテニスをしているよ」

 オランダ第4の都市、ユトレヒトに住む編集者レイニエル・ファン・ドゥ・ブリーさん(57)は、13年前の転職をきっかけに週3日勤務のパートタイムで働く。週末に加え月曜、金曜日も休みだ。家庭での時間を大切にするのが大きな理由だが、こういった働き方を可能にするのはフルタイムで働く人と時給を同じにするなど待遇を保障する制度があるからだ。

 ブリーさんは「同一労働同一賃金」の原則に基づきフルタイムで働く場合と同じ時給を得られ、"働き盛り"の40代から、ためらいなくパート勤務を続けることができた。週5日のフルタイムで働く場合に比べて給与総額は60%程度になるが、妻も出産を機に週3日のパート勤務。2人で1人分超を稼ぎ、18歳と15歳の子どもを育てている。

 日本ではパートで働く場合、正社員に比べ待遇が大きく見劣りするケースが多い。時給は6割未満であるほか、福利厚生面でも大きな差があり、企業が安価な労働力として活用する性質が強い。

 「それは差別みたいですね」。「オランダ労働組合連盟」の幹部コーエン・ファン・デル・ビールさんは日本の待遇格差にいぶかしげだ。

 オランダでは1980年代からパートタイムが増えた。当時の深刻な経済不況の下、失業者を減らすため、仕事を分け合うワークシェアリングを進めた経緯があるが、労働環境も改善されてきた。96年には、フルタイムで働く人との賃金や社会保険、昇進といった労働条件の待遇差が禁じられた。

 日本のパート労働法にも同様の規定はあるが、対象者の範囲が狭く定着していない。

 さらにオランダでは2000年から、労働者に働く時間を短縮・延長できる権利が法律で保障され、柔軟な働き方を後押しする。子育てに積極的で一時的にパートに切り替える男性も増えているという。

 こうした環境の違いが、年間の平均労働時間の大きな差を生んでいる。オランダの平均は1347時間で、日本の1741時間より約400時間も短い。

 副業が広く認められていることも柔軟な働き方に一役買っているようだ。週3日勤務のブリーさんも、年に何回かは記者業をして「趣味に使う程度」の稼ぎを得ているという。日本では一部の企業で認める動きはあるが一般的ではない。

 千葉大の水島治郎(みずしま・じろう)教授(オランダ現代政治)によると、労働組合が80年代以降、存続に向けた戦略の下、積極的に女性やパートタイムで働く人の待遇改善を訴えてきたという。日本では、転勤や無制限な残業といった責任を担わされる男性中心の正社員モデルを見直す必要があると指摘する。

 「同一労働同一賃金を進めるには抽象的に議論しても意味がない。まずは長時間労働を是正し、仕事の役割を明確にした上で、均等待遇を担保していくべきだ」



待遇同じだから、父も時短 同一労働同一賃金、オランダでは

2016年8月30日 (火)配信朝日新聞

 働き方の先進地とされるオランダでは、育児で働く時間や日数を減らしてパートタイマーになっても、時給換算ではフルタイムと同水準の賃金で働く人がいる。パートでも無期雇用で働く人が多く、「同一労働同一賃金」が浸透していることが背景にある。パートで働くオランダの家族を訪ねて実情を聞いた。

 ■育児のため自ら選択

 オランダのアムステルダムに住む、エドガー・レクストロ・ライスダイクさん(48)にとって、毎週金曜日は「子どものための日」だ。朝、3人の子どもを学校に送り届け、家を片付けて、夕食の支度をする。子どもが帰宅すると、一緒に遊んだり宿題をみたり。仕事より大変と感じることもあるが、「3人を世話する時間が、父親の責任感を育ててくれるよ」と笑顔で話す。

 大手都市開発コンサルティング会社に勤務し、設計士を束ねる役職にあるエドガーさん。12年前に長男が誕生し、生活は大きく変わった。会社には勤務形態を選べる仕組みがあり、週5日のフルタイム勤務から、週4日のパートタイム勤務への変更を上司に申し出た。

 勤務時間が減ったので、収入は減った。「給料やボーナスが週1日分、つまり2割ほど減ったことぐらい」。オランダでは、フルタイムかパートかどうかで、時間あたりの賃金に差は生じない。昇進にも影響はなかった。

 高等専修学校教員の妻、クラールチェさん(44)も、同様に週5日から4日勤務になった。「昔より仕事に集中するから、こなす仕事量はそんなに変わらない。会社にとっても賢い選択ね」。夫婦ともに無期雇用のパートタイムで働いている。

 ユトレヒト大学のフランス・ペニングス教授(労働法)によると、オランダで働く女性の75%、男性の20%が、フルタイムよりも労働日数・時間が短い「パートタイマー」。全労働者の49・8%がパートで、欧州平均の19・9%を大きく上回る。オランダでは勤務時間以外の労働条件がフルタイムと変わらないパートタイマーが珍しくなく、日本のパートとは異なる。

 オランダは景気低迷にあえいだ1980年代から労働市場の改革を図ってきた。82年、国全体の労使で「ワッセナー合意」を結び、賃金水準を抑える代わりに労働時間を短くして雇用を守る「ワークシェアリング」を掲げた。結婚後は主婦になるのが一般的だった女性の価値観も変わり、パートで働き続ける女性が増えた。

 オランダでは最近、男性のパートも増えている。ペニングス教授は「子どもの保育費が高いことが背景にある。働く日数を調整して、自分で子どもを世話する方が家計に優しい、と考える夫婦が増えている」とみる。

 大手人材会社ランスタッドのアンネマリー・ムンツさんは、「ライフステージに合わせて、働く時間と収入と生活のバランスをコントロールしやすいのが、この国の特徴」と話す。制度を整えるだけでなく「実際に使う文化を育てることが大切」とも話す。「根気はいります。オランダも1世代分の時間をかけたのですから」

 3人の父親のエドガーさんが「パート勤務にしたい」と相談した時、上司はこう応じた。「人生最後の時、もっと働いておけばよかった、と嘆くヤツはいない。もっと、と望むのは家族との時間のはず。だったら、今それを手にするべきだよ」

 ■転勤・残業、日本は条件差が壁

 「オランダモデル」とされる雇用形態は日本にも採り入れられるのだろうか。千葉大の水島治郎教授は「今のままでは難しい」という。日本とオランダでは労働慣行が異なるためだ。

 オランダの場合、フルタイムとパートタイムで、勤務時間以外の労働条件がほぼ同じことは珍しくない。日本の場合、パートタイムは非正社員とされ、正社員とは労働条件が異なっている。正社員はフルタイムの無期雇用で、勤務時間外も残業で長時間働き、頻繁な転勤も受け入れるのが一般的だ。パートタイマーは勤務時間や業務、勤務地が限定されがちだ。

 日本では「働き方改革」の一環で、正社員か非正社員かに関わらず同じ仕事内容であれば同じ賃金を払う「同一労働同一賃金」を目指している。ただ、働き方が異なる慣行が残れば、正社員と非正社員との賃金差は「働き方は違うのだから合理的だ」となりかねない。水島教授は「まずは、正社員の労働時間に上限を設けるべきだ。同時にパートとの格差を禁じ、処遇を引き上げるのがいいのではないか」と話す。

 オランダでも課題はある。水島教授によると、男性が出世を気にしてしまい、専門職以外ではパートを選ばないケースがある。パートを選ぶのは女性が中心になり、キャリアで男女に差がつきがちだという。「オランダでは、フルタイムで働きたいのにパートで働く女性が多いわけではないが、『パートでは女性は自立できない』という議論もある」と指摘する。(和気真也、末崎毅)


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1 コメント

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フレキシブル対応 (王島将春)
2019-10-05 04:23:00
はじめまして。福井市在住の王島将春(おうしままさはる)と言います。

間もなく、エゼキエル書38章に書かれている通り、ロシア・トルコ・イランがイスラエルを攻撃します。そして、マタイの福音書24章に書かれている通り、世界中からクリスチャンが消えます。その前に、キリストに悔い改めてください。

もしもクリスチャンが消えた後の世界に取り残されたら、黙示録14章を確認ください。絶対に獣の刻印(666)を受けないでください。

管理人様が悔い改めたら、私の派遣先のK社長に、以下の2つを伝えてください。

1.ゴーイチの人手不足と賃金格差を是正してください。

2.定時までにノルマを達成した人には、給与満額支給の上、早めに帰らせることを認めてください。

・・・と伝えてほしいです。

1について補足します。ゴーイチとは工場の名前です。人手が足りてないところは残業が多くて従業員が辛そうにしていますから、助けてほしいです。賃金格差は、所属する派遣会社や正社員・非正規の違いによって、同一労働なのに賃金に格差が生じているということです。高い人を下げるのではなく、低い人を高い人の水準に合わせてほしいと願っています。

2について補足します。たとえ話で説明します。「120巻け」と言われて定時になる前に巻き終わってしまった場合、140巻くべきでしょうか、という話です。120巻いたら、定時を待たずに帰る。勿論、定時まで会社にいたとみなして、給与は満額支給する。こういった体制・システムにしてほしいというのが私の願いです。営業ノルマに関しても、生産ノルマに関しても、ノルマ達成したなら早めに帰ってもらう(繰り返しますが、勿論、給与満額支給)。早めに帰った時間で、家族サービスに励んだり、趣味を楽しんだり。クリスチャンなら、聖書を読んだり、祈ったり、福音を伝えたり。会社にいる時間を短くして、自由時間を長くしてしまった方が、そっちの方が全然嬉しい。フレキシブルにしてほしい。世界中からクリスチャンが消えるまで、ほとんど時間がありません。クリスチャンが消えた後に反キリストが新世界秩序(ニューワールドオーダー)を宣言するのですが、それから数えて獣の刻印の試練まで、約3年半しかありません。一日一日が貴重なのです。・・・。まあ、貴重と言いながら、職場の人達に御言葉を伝えていない私は、どうしようもなく情けない限りなのですが。

最後に、管理人様が救われますように。今日を救いの日にしてくださいませ。
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