映像解析し「暴行が原因」と判断…千葉患者死亡
2015年7月10日(金)配信読売新聞
千葉市中央区浜野町の精神科病院「石郷岡病院」で男性入院患者に暴行し、その際の負傷が原因で死亡させたとして、県警は8日、准看護師2人を傷害致死容疑で逮捕した。
暴行があったとされる2012年1月から被害者が死亡するまでは、2年以上が経過していたが、県警は暴行が行われたとされる部屋の様子を撮影した映像を解析するなどし、暴行が結果的に男性の死亡につながったと判断した。
逮捕されたのは、同病院に勤務する菅原巧容疑者(62)(千葉市若葉区加曽利町)と、現在は退職している田中清容疑者(66)(市川市真間)。
発表によると、両容疑者は12年1月1日、同病院の保護室で、入院中の男性(当時33歳)の着替えを介助する際、横たわった男性の顔をひざで押さえたり、顔を蹴ったりして首の骨を折るなどの重傷を負わせ、14年4月28日、肺炎のため呼吸できなくなったことが原因で死亡させた疑い。
男性は薬の副作用で、あごが鎖骨辺りに付くほど頭部が前に傾いたまま動かせない状態だった。県警は、首を自由に動かせない男性の顔に力を加え、けがを負わせたとみている。
男性の父親(68)によると、男性は同病院から「広汎性発達障害」との診断を受け、11年9月から入院していた。12年1月3日に別の病院に搬送された際、首の骨折が判明。首から下がまひし、寝たきりになった。死亡時は、1メートル78の身長に対し、体重は36キロまで減っていた。
同病院は逮捕を受けた取材に応じず、代理人弁護士が「今後も捜査に協力する。職員が逮捕されたことは遺憾で、遺族にはお悔やみ申し上げる」とコメントした。
一方、男性の父親は「これまで本当に長かったけれど、遺影に手を合わせ『やっと逮捕になったよ』と伝えられた」と話した。
また、精神疾患がある家族を持つ人たちでつくるNPO法人「千葉県精神障害者家族会連合会」の貫井信夫理事長(75)は「今回は映像があったから警察も逮捕ができたのかもしれないが、このような事件があると、『ほかの病院は大丈夫なのか』と不安になる」と漏らした。
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この事件をどのようにご紹介したらよいのか、、、。
最初に知ったときは60歳代の准看護師2名による暴行ということに着目しました。
まさに30年前なら、こういったことも明るみに出ないままあったのかもしれまい。看護師の世界も今は4大卒が4割を言われています。以前はいろんなルートから看護職につかれたのではないでしょうか。もちろん、どのような経歴で看護師になられても優秀で立派な方が多いと思います。この病院もHPで見る限りでは閉ざされた病院ではないと感じました。見えない部分で古い体質を残したままの病院環境もあるかもしれないと思ったのです。この事件で思ったことは介護の世界も適切な連続した教育と実働に見合った報酬を保障しなければ同じ様な事件が起こるのではという疑念でした。
その後、少し調べていくと他の問題も見えてきました。
大学生がたった10年ぐらいの期間で、誤診で投薬され、それの副作用を押さえるために抗精神薬、その薬のために問題行動が多くなり精神科病院に入院、排泄も自力でできなくなり、保護室にまで入れられてしまうようになったという事実です。
現代ビジネスに詳しくレポートされています。
ごく普通の大学生だったこの男性が、なぜ精神科病院に長期入院し、暴行の末、命を失うことになったのか。佐藤光展記者が書いた『精神医療ダークサイド』(講談社現代新書)の調査報道をもとに、事件の一部始終をレポートする(全2回)。
前篇 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43950
後篇 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44131
そして、お姉様のブログを見つけました。
弟のこと。~その陽はまだ沈まない~
http://gunter75.blog.fc2.com/blog-category-4.html
大学生だった弟が精神科病院で処方された向精神薬で副作用に遭い、別の入院先である、石郷岡病院で職員に暴行されました。頚椎骨折・首から下が麻痺しました。タイトルは弟の名前から取りました 2014年4月28日15時永眠しました。
※転載・リンクフリーです。
とあります。
いろいろと考えさせられる事件です。
今のこの世の中でこんな形で若い命を落とされてしまった、、、無念
心から哀悼とご冥福をお祈り申し上げます。
--------------------------------続報
傷害致死罪で准看護師起訴 千葉、入院患者死亡
2015年7月29日(水)配信共同通信社
千葉地検は28日、千葉市の精神科病院「石郷岡病院」で、介助中の男性患者に暴行を加え死なせたとして、傷害致死罪でいずれも准看護師の菅原巧(すがわら・たくみ)容疑者(62)=千葉市若葉区=と、田中清(たなか・きよし)容疑者(66)=千葉県市川市=を起訴した。
起訴状によると、2人は2012年1月1日、入院患者だった同県市原市の弘中陽(ひろなか・よう)さん=当時(33)=を保護室で介助した際、菅原被告が顔を足で数回踏みつけ、田中被告が膝で首などを押さえつけるなどの暴行を加えて頸髄(けいずい)損傷を負わせ、2年4カ月後に衰弱による肺炎で死亡させたとしている。