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壁のポートレート

道端の壁が気になって写真を撮り続けています。
でもオーロラやら植物・風景などが最近多いですね。

やっぱりトルネ湖 Abisko13_14

2018年02月14日 | オーロラ

 さて、アビスコ2日目です。朝ごはんを食べた後、天気は良いのですが、今日は一日ホテルで過ごすことにしました。午前中はロビー近くの居心地の良い椅子を確保して(泊まっているアビスコ・ツーリストステーション・ホテルの良いところは、館内の至る所に休憩できるスペースや椅子があるところです。)、写真の整理をしたり、ブログを書いて過ごします。そうそう、カメラの不具合の対処方法を見つけました。マニュアル露出の設定方法には新型の6Dmk2から、コマンドダイヤルでの設定以外に、モニタ表示にタッチして設定する方法が加わりました。試しに、モニタ表示から露出を変えてみると、あら不思議、設定できるではありませんか。コマンドダイヤルの方は相変わらずダメなので、根本的な解決にはなっていませんが、とりあえず、昨夜の苦労からは解放されそうです。解決は日本に帰ってからメーカー送りですね。
 昼食は、日本から持参したカップご飯(お湯を注いで5分待つやつ)とインスタントスープで済ませます。最近は種類も多くて味もまずまずなので愛用しています。昼からは部屋で仮眠です。出発からの疲れがたまっているようで、夕方までぐっすり寝てしまいました。
 5時半に予約したレストランへ。レストランは5時半スタートなのですが、今夜は、すでにお客さんがちらほらと見えます。予約のある旨を告げると、1人先客のあるテーブルに案内されました。そういえば、昨年までと、レストランの予約方法が変わったようです。昨年はホテルのフロントで、時間とコースの種類(フルコース・メインのみのワンプレート・ベジタリアン)を一括して予約していたのですが、今年は、レストランで時間だけを予約して、後は席に案内されてから、コースを注文するようになったようです。
 アビスコのレストランは、1人だけだと、必ず相席に案内されます。話し相手を世話してあげようという配慮と、もちろん、すぐに混み始めるのでスペースを節約する目的もあるでしょうが。で、相席した2人が2人とも無口の場合は、かなり気詰まりな時間が流れることになります。昨夜は、相手から話しかけてくれたので良かったのですが、今回は相手も無口です。うーん困った。仕方ない。アビスコの定番挨拶で、こちらから話しかけます。
"Um…. Did you see the Northern Linghs last naight."
"Yes. I did. Big one. Did you take fhoto?"
"Ya-. I could."
とりあえず、責任は果たしたゾ。
 昨夜もそうでしたが、料理を食べ始めてしばらくすると、若い男性スタッフが、料理はどうかと聞いてきました。"Berry Good."と答えましたが、たぶん彼はシェフじゃないかな。サービス開始直後ということで、今日の料理の様子を数人のお客さんに聞いているようです。でも、社交辞令じゃなくほんとにおいしいです。今夜のメニューはarctic char(後でネットで調べると北極イワナだそうです)の赤ワインソース添え。生臭さが全くないし、下味も付いているようです。このホテルのレストランは、自然公園のアクセス基地ということから、野生肉料理が売り物ですが、日本人には苦手な人も多いようです。かくいう私もあまり得意ではありません。独特の臭みがあるので、体調の悪いときなどは、ウッとなることもあります。昨日の料理も野生肉の臭みが薄いなと思っていたのですが、今日の魚料理も白身魚特有の生臭さがありません。シェフが変わったんでしょうか?
 さて、捲土重来。トルネ湖へと出かけます。7時頃着きましたが、肝心の北の空が曇っています。天頂と南の空は晴れていますが、よほど大規模なオーロラが発生しない限りは、南側までは広がってこないので、少し心配です。今夜はなかなかオーロラが現れません。せっかく湖まで来たのに…。待つこと2時間。9時頃になって、北の空の地平線近く(地平線の近くだけ雲が途切れています)に小さなオーロラが現れました。というか、本体の大きなところは厚い雲に隠されているようです。最悪。雲どっかにいってくれー。
 願いが通じたのか、10時頃になると雲が少しずつ薄くなり、それとともに、明るいオーロラが出現し始めました。撮影開始です。心配した不具合がある方のカメラも問題なく撮影できているようです。いつの間にかギャラリーも多くなり、湖上は賑やかになってきました。半時間ほどすると雲はほとんど気にならなくなり、オーロラの色も濃くなってきました。ただ、まだ、北の空に留まっていて、中空までは達していません。
 11時近くなると、空の高い位置まで達する帯状のオーロラも出現し始めました。ギャラリーも騒がしくなっています。昨夜もそうでしたが、一端出始めると、強い弱いの変動はあっても、途切れることなくオーロラが出現し続けています。11時半頃に活動のピークに達し、薄いオーロラに関しては天頂まで覆っています。
 12時近くなると、活動が収まり、相変わらず薄いオーロラは出ているものの動きが無くなりました。撤収することにします。やっぱりトルネ湖は良いですね。ホテル裏と違って地形の起伏がないので、オーロラの出現方向に従ってベストなポジションを探してあちこちと移動する必要が無く、撮影に専念できました。今夜の残念なところは、オーロラの色味が全体に薄かったこと。強いオーロラでも黄色みが強くて、赤やピンクの色が少ないようです。オーロラの色は出現する地上からの高度によって決まるので、今夜は比較的低い高度での出現だったということになります。また、明晩に期待したいと思います。

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やっぱり裏切らない Abisko12_13

2018年02月13日 | オーロラ

 キルナからアビスコまで1時間ほどの列車の旅です。はじめは雲に覆われていた空も、アビスコが近づくにつれ、青い部分が増えて行きます。そして、アビスコに到着したときには、空の低いところを除いて快晴になっていました。
 ホテルフロントで、今チェックインできないか尋ねると、やっぱりダメとの返事です。まだ12時にもなってないからねー。3時頃にチェックインできるとのことなので、スーツケースを荷物室に預けて、トルネ湖まで下見に行くことにしました。
 車窓から見えたトルネ湖はしっかり凍結しているようでした。遊歩道をズンズンと湖の方へ降りてゆきます。道は厚い雪に覆われるか凍結していて、昨年のように土の地肌を見せる情けないことにはなっていません。そしてトルネ湖は、うん、見渡す限りの大雪原、例年どおりの見事な姿を見せてくれました。船着き場の様子からは、氷もかなりの厚さのようです。湖面(雪面?)の所々に黒々とした氷が露出しており、最近の積雪はそう多くないことを示しています。ラポーテンも綺麗に見えています。

 予約してディナー(今夜の日替わりはトナカイ肉の赤ワインソース添。癖がなくおいしかった。)を早めに済ました後に、防寒対策を整えて湖へと向かいます。湖面に降りて空を見上げると星空が見えています。しめしめ、オーロラが出たら綺麗にとれるぞ、とほくそ笑んでいたら、少し風が強くなってきました。だんだん、だんだん、強くなってきます。ひあー、倒れる。セットした三脚が風にあおられて倒れるところを間一髪受け止めました。これって無理、絶対、無理。体感気温も一気に下がってきたので、やむなく、湖面から退散することにしました。せっかく来たのに…、ホテル裏の空き地まで戻ることにします。
 ホテル裏からもトルネ湖は見えるし、視界が開けているので、オーロラ撮影には支障はないのですが、一寸残念です。しばらく待つうちに風は収まってきましたが、もう一度湖面まで行く元気はなくなってしまいました。仕方ない。今夜はここで撮影です。そうして1時間もしない7時過ぎから、オーロラが出始めました。まもなく、姿がはっきりして動きも速くなります。北東の空低い位置にあるので、比較的小ぶりですが、まごうことなく、立派なオーロラです。やがて渦巻き始め、動きも激しくなって来ました。空の高い位置にも広がっています。2台のカメラをフル回転させます。実は、2台のうち、新しい方のカメラの不調が夕方わかり、今夜は古い方のカメラをメインで使っています。半年前に購入したばかりの6DMark2のマニュアル露出が何故かうまく動かないのです。仕方なくカメラをバルブモードにして、外付けレリーズのコントローラーの方で、露出時間を調整することにしました。この方法でも、一応撮影は可能ですが、オーロラの光度が変化したときに、露出時間を変更するのに時間が掛かるという欠点があります。なんとか、だましだまし最後まで撮影できましたが、撮影枚数が少なくなるのは仕方ないとして、露出オーバーのカットが少ないことを祈ります。
 さて、オーロラの乱舞は、形と位置を変えながら続きます。今夜は連続撮影を控えめにして、1枚1枚の露出と構図をできるだけ微調整して撮影することにしました。頭上まで広がるオーロラと比べると動きが比較的穏やかで小ぶりなのと、どうやら、赤い色も出ているようなので、露出オーバーさせたくなかったのが理由です。オーロラの出現は間断なく続き、9時過ぎまで2時間近く続きました。周辺には、多くの人が集まり、新たなオーロラが出現するたびに歓声を上げながら見守っています。小ぶりとはいえ、渦巻く様子やカーテン状のオーロラも出現したので、今夜集まった人たちは、光の饗宴を堪能できたのではないでしょうか。明るいオーロラが一段落した後は、空の低い位置に弱いオーロラがへばり付いた状態が続き、雲も出てきたので、12時まで粘りましたが、今夜はこれで撤収することにしました。アビスコは、やっぱり期待を裏切りません。

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やっぱり雪でした Kiruna11_12

2018年02月12日 | オーロラ

 今年もキルナ到着は雪でした。おまけに1時間ほど遅れたし…。キルナには何回も来ていて、滞在期間中にオーロラも大概は見えてるんだけど、どうも初日だけは相性が悪いらしい。成田からコペンハーゲンまでは順調で、40分ほど早く着いたほど。今回は機内であまり眠くなかったので、ほとんどを映画を見て過ごしました。
 最初は「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」。うーん、10分見て中断しました。一寸これは僕に合わないかなー。気を取り直して、「Professor Marston and the Wonder Women」。実は内容を知らずに、ワンダーウーマンに惹かれて選んだ(ミーハー)のですが、面白かった。登場人物の心の描写がもう一歩掘り下げ足りない気はしますが、あまりくどいと、それもどうかと思うので、これでいいのかな。ある意味でシリアスな映画ですけど、自分の心に素直になろうとする主人公3人の姿に、見終わった後、暖かい気持ちになりました。続いては「Kingsman」。アクションがコメディタッチにぶっ飛んでて、めちゃ面白かった。そのままの勢いで続編の「Kingsman: The Golden Circle」へ。007の正当な後継版という気がします。文句なしに面白い。このあともう1本アクション映画を見て、最後に到着時間が迫ってきたので、時間短めの「IceAige」(海賊と戦うやつ。4作目?)で締めにしました。映画5本(と10分)分ずっと起きていたので、後で眠くて眠くて。搭乗口で結構爆睡していたので、乗り遅れなくてよかった。(たぶん誰か起こしてくれるだろう?)
 コペンハーゲンからストックホルムを経て、いよいよ、キルナへ。ここで、25分の遅延が発生。前便の到着が遅れたらしいです。中継地で降りたウメオでも、降雪が激しくなって、飛行機に着氷防止のシャワーを掛けてもらったりして、キルナへは最終的には1時間ほど到着が遅れたのかな。座った席が主翼の上だったので、薬剤が窓に掛かるところも見えました。ちょうどドライブスルーの洗車機のようなものです。薬剤は洗剤というよりも透明な粘っこい感じですね。
 さて、今、アビスコへの列車の時間を待ちながら、リパンホテルのロビーでこれを書いています。リパンは僕にとって居心地のよいホテルです。今朝もカフェテリアで朝食を取っていると、1年ぶりですが、つい先週も来ていたような錯覚に陥ります。ほったらかしというかアバウトなところがあり、ホテルの宿泊客かどうか誰もチェックしに来ないし、誰にも断らずにとっとと入っていって、(いつものように)ヨーグルトやらウィンナーやらを取り分けて食事をし、最後にコーヒーをゆっくり飲みます。「自分の居場所」みたいな気分。
 再度、今、アビスコに向かう列車の中です。薄雲が空全体にかかっていますが、所々青いところも見えます。今夜に期待できるかなー。そうそう、列車の出発の半時間前に駅まで送ってくれることになっていたのだけれども、ロビーで待っていても誰も来ない。10分たって、これはだめだと思ってフロントの人に、誰か私を駅まで連れて行ってくれるはずなんですけど、と申し出ると、一寸待ってねといって、空いてるスタッフに駅まで送るように伝えてくれたようです。予約が通っていたんだかいなかったんだか。やっぱり…アバウトです。

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2017Kiruna/Abiscoオーロラ写真集(ダイジェスト)

2017年02月05日 | オーロラ

 さて、今年のキルナとアビスコの写真の整理が何とか終わったので、そのダイジェスト版をアップします。思えば、今回の撮影旅行は期間を通して天候がずっと思わしくなく、本当に、「今回は空振りか?」とやきもきしました。そんな中で僅かな雲間を突いて何とか一定のレベルの写真を撮ることができたのは奇跡のようなものです。ラッキーだったのかアンラッキーだったのか、よく判らないのですが、でもやっぱりラッキーだったのだと思います。オーロラの神様に感謝。

 上段3枚はアビスコ、2段目以降はキルナです。アビスコは狭い範囲ですがクリアに晴れたので星が写っていますが、キルナでは全ての写真が薄雲を通しての写真です。トーンカーブで可成り強い補正を掛けています。

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メディテイト at Church

2017年01月28日 | オーロラ

 久しぶりに青空を見た気がする。今日は朝食後、街へとお土産を買いに出かけました。以前から何度も行ってるので取り立てて見て回ると言うことはないのですが、職場に1人だけ、AnthonBergのチョコレートを買ってこいと言う迷惑な友人が居て、以前お土産に買っていったチョコレートが気に入ったようで、日本で正規に輸入されていないことからうるさく言われていたのです。デンマークのメーカーですが、ブランド物ではなく、日本で言えば明治とかロッテといった菓子メーカーだと思います。スーパーで普通に売ってるので取りあえず購入。
 街で他に買いたい物も特にないので久々にキルナ教会に寄ってみることにしました。木造の旧い立派な教会で、中に入ると、木材とオイルの微かな香りがします。クリスチャンではありませんが教会の雰囲気は好きです。信徒席の長いすに座ってボーとしていると心が安らぐ気がします。キルナに又来られたことのお礼と家族の健康をお願いしました。しばらく座っていて、ふと気づくと涙を流していました。悲しいわけでも何でもなかったので自分でも不思議です。昨年亡くなった父のことを考えていたせいかもしれません。

 ホテルに戻って(あ、しまった。神様に特大オーロラをおねだりするのを忘れた。)、ディナーの予約をした後に夕方まで仮眠を取ります。このホテルのレストランは街の住民も利用するみたいで、週末は予約しないと食いっぱぐれる恐れがあります。6時にディナーに出かける際に空を見ると、薄い雲は懸かっているものの星が見えており、昨日より大分マシなようです。9時に観測をスタート。
 11時から12時頃にかけて、2回、強いオーロラが出ました。昨日のようなオーロラ爆発はありませんでしたが、カーテン状にするすると延びる様子も見られました。薄雲はやはり出ていて、でも昨日よりマシかな。今日はもう帰らなくてはならないので、撮影した画像をゆっくり変換する暇がありません。今日はその一部を載せることにして、日本に帰ってから改めてオーロラ写真集を掲載したいと思います。いま、午前2時半です。空港へのお迎えが6時に来てくれるので、それまで少し仮眠できます。今回の撮影旅行では、天候に泣かされたけれども、それでも、オーロラを見、撮影できたことに感謝です。また来年!


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わんダフル on TRAIN

2017年01月27日 | オーロラ

 さて、今日はアビスコから昼過ぎの列車でキルナまで戻ります。天気予報では今日は晴れ間が見えることになっていたのですが、早朝から太陽は顔を出しません。今夜も晴れてくれるでしょうか。9時過ぎにチェックアウトした後、ロビーで前日の分のブログを更新したりして過ごします。出発まで時間がありますが、路面や遊歩道はシャーベット状なので周辺を散歩するのも億劫です。
 列車はどうやら約1時間遅れの模様です。ホテルのロビーにも運行状況の掲示板があり、遅延や休止(なことになったら大変ですが…)が駅まで行かなくても分かるようになっています。ようやく到着した列車に乗り込みます。私の指定席に手荷物を措いて座っている人が居ましたが、他の席も空いているようなので、奥の方へ座ることにしました。あれ、ワンちゃんがいます。体長1m半はありそうな大きなシェパードが飼い主の脇にべたっと座り込んでいます。列車が揺れるのが気になるみたいで、時折、飼い主にクーンと訴えているのが可愛らしい。了解を得て写真を撮らせて貰いましたが、驚かせ無いようフラッシュを使わなかったせいでブレてしまいました。
 世界最北の列車ノーランストーグ(Norrlandståg)は電気機関車に牽かれる客車なので、電車のようにモーター音とかせずに静かで快適です。レトロな外観に似合わず、一旦乗り込んで自動ドアを抜けて客室に入れば、いかにも北欧家具といった風情のゆったりした座席が出迎えてくれます。各座席には照明やコンセントも備えられており、今回の客車は売店付きでコーヒー等の暖かい飲物も販売されていました。最長ストックホルムからノルウェーのNarvik間の約1600kmを結んでいるとのことで、いつか乗ってみたいなあ(たぶん絶対おそらく無理)と憧れます。

 キルナの天候は、小雪のちらつく相変わらずの様子です。リパンホテルに到着後、外出せずに仮眠をします。6時に起きて外を見ると相変わらず曇っています。あ、いや、天頂付近に1個だけ星が…。ただ雲は厚いようなので、夕食後(今日はレストランに出るのも億劫になったので、日本から持ち込んだ食料で済ますことにしました。)も様子見を続けることにします。リパンはロッジなので、天候が回復すれば直ぐに撮影を始められる利点があります。半時間から1時間置きに外の様子を伺いますが、中々晴れてくれません。星も見えなくなりました。
 出ました!何がって、オーロラ爆発です。11時に少し雲が薄くなったようなので、外に出て撮影の準備を始めました。オーロラはずっと出ているのですが、雲に邪魔されてボヤッとしか分かりません。ただし、昨日までよりもずっと高い位置で天頂近くに出ています。うーん、これで、もっと光が強くなれば…と考えていた12時を回ろうとする時です。いきなり強い光が上空を駆け巡り、時間が経つにつれ、天頂付近でもオーロラ爆発が起こり始めました。ただし!!残念ながら、但し書きが付きます。相変わらず薄雲が取れない。うーん、これでは作品にはなれない。画像処理すればそれなりの綺麗な絵は得られますが、透明感のある、あのオーロラの色は出ません。
 ただ、撮影中は、あまり考える余地はなく、ひたすらカメラを向けてシャッターを切っていきます。私の撮影スタイルは、1台のカメラを目標に向け、シャッター速度と構図を決めて連写を開始します。そうして置いて、もう1台のカメラを別の目標に向けて同じように連写を開始します。2台のカメラの構図からオーロラは外れていないか、オーロラが増光して露出オーバーになっていないか、をチェックしながら、こまめに構図と露出を修正していきます。だから、強いオーロラが出始めると忙しくなります。(自虐的に、コマネズミ型数打ちゃ当たる方式と呼んでいますが…)
 強いオーロラでは、シャッター速度が早くなる関係で撮影枚数も多くなり、昨日一晩での2台合計で4000枚を少し超えています。それだけに昨夜は残念でした。いやもう一日あります。最後の夜に期待です。

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シンギン(なわけないでしょ)in the Rain

2017年01月26日 | オーロラ

 窓ガラスの外に水滴…。雨!! 木立が大きく揺れています。風も相当強いようです。8時の目覚ましで起きるとえらいことになっていました。1月のアビスコでまさか雨が降るなんて…。家を出る時に心配性の母親から「傘は持った?」と訊かれたので、「あのねぇ。あっちは雪しか降らないの。」と鼻で笑ったのですが、You ware dead right。少し外に出てみましたが確かに傘が要る程の大粒の雨です。もし明日帰る際にも降っていたら駅までずぶ濡れになりそう。おまけにアビスコ駅は駅舎がなく吹きさらしです。(訂正:記憶違いでした。小さいながらも駅舎と待合室があります。)
 ため息。今日は一日、ホテル内で停滞です。客室にいても良いのですが、館内には、メインロビーの他にも、居心地の良いソファが置かれた複数の小部屋や、通路沿いにも椅子とテーブルが置かれたちょっとしたスペースが豊富で、居場所には不自由しません。インターネットと持参したヘミングウェイの短編集で過ごすことにします。
 今日のディナーはメニューに、topside of reindeerとありました。実際食べてみると赤みできめの細かい軟らかな肉で癖がありません。ここのレストランの売りは自然公園内のホテルらしく野生肉です。野生肉が苦手な方は要注意で、僕も体調の悪い時は、その臭みにウッとなることがあります。どうしてもダメな場合はベジタリアンメニューを選ぶこともできますが…。でも、今日の肉は上品ですね。topsideをネットで調べると、もも肉の最上部位とありました。
 食事後に外に出て天候を確かめると、雪が舞っています。雨は昼過ぎから雪に変わったようですが、厳冬期の粉雪ではなく、日本のような湿気の多い大きな雪片が上空から次々と舞い降りてきます。簡単には止みそうになく昨夜と同様の長期戦を強いられそうです。

 

 仮眠をして9時半、外に出ると、星が出てる…。信じられない。天頂付近だけですが確かに星が瞬いています。急いで部屋に帰り、準備をしてホテルの裏庭へ。トルネ湖畔まで足を伸ばすことも考えましたが、足下が融けた雪やら氷やらでグチュグチュです。ちょっと歩いただけで滑りそうになりました。今回湖畔からの写真は1枚も無いことになりますがやむを得ません。待つこと1時間、北東の空低くですが、まごうことなくオーロラが現れました。1日目よりも光が強いようです。2台のカメラの露出を交互に調整しながら連続撮影していきます。光は全体に弱いですが、時折、縦輝線も見えます。アビスコ最終日に何とか、オーロラらしいオーロラを撮影することができました。太陽活動が低調らしく、2年前のようなオーロラ爆発は望むべくもありませんが、取りあえず満足できそうな画が手に入り、来た甲斐があったというものです。
 12時頃には地平付近が再び曇り始め、風も強くなってきました。注意しないと三脚が倒されそうです。カメラもそうですが、三脚も荷物の軽量化を目指して毎年のように買い換えてきた結果、以前よりずっと軽い物に変わっています。勿論大きさと強度は確保した上での話ですが、その報いとして風には弱い。これは誤算です。14mmのほうは30秒露出もするので風で揺れないよう手で押さえつける必要がありました。1時まで粘りましたが、強風は止むことなく、みぞれのような雪も降り始めました。まだ上空は晴れていて、オーロラも出ていますが、撤収することにします。部屋に帰ってちょっと落ち着いてから窓から外を見ると、水たまりに雨粒による波紋が見えました。今夜は本当にこれ以上はないタイミングで晴れてくれたようです。午前中の雨を考えると奇跡です。アビスコのオーロラの神様に感謝。

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ストラグル with SNOW

2017年01月25日 | オーロラ

 朝8時。ラポーテンが、オレンジ色の朝焼けをバックに浮かび上がっています。今日は期待できるかなー。今日は午前中に、昨日とは別の、ホテルから見て上流側の様子を見に行くことにしました。防寒ブーツにアルミの「わかん」を付けて出発です。氷が少ないとはいうものの、新雪は多めです。以前にも何回か通った道ですが、踏み跡がないとコースが分かりにくくなっています。最後の方は踏み跡もなくなり、純白の新雪を一歩一歩踏んでいきます。わかんを付けていてもここまで新雪が深いと簡単に沈みます。なんで(ズボッ)、こんなに(ズボッ)、雪が(ズボッ)、多い(ズボッ)、んだ…。うわっ(ズブ・ズブ・ズブ)。
 雪と格闘しながら、何とか湖が見えるところまでたどり着きました。ラポーテンも綺麗に見えています。あれっ。雪面に何か動く物があります。1匹、2匹、3匹。遠いのでよく分かりませんが、トナカイの家族でしょうか。できるだけ望遠で撮影して、部屋に戻ってから拡大トリミングしてみましょう。湖に着くと綺麗な雪原が広がっていました。沖合には水面が見えるので、ここも湖面に降りるのはやめた方が良さそうです。対岸の山々が太陽の光を受けて輝いています。あの山の向こう側はもうフィンランドですね。
 帰り道は、途中からコースを変えて、凍った川の様子を見に行くことにしました。河の水が音を立てて流れています。やはり凍結していないようです。アイスクライミングの人たちを見つけました。ホテルの案内ブースに載っていたアクティビティツアーのようです。ここでやってたんですね。

 夕食は、前菜がキノコのスープに、メインはゴロンとした白身魚のソテーです。ごろん?メニューにはhalibutと記載されていましたが、何でしょう。臭みのない淡泊な味です。あとでネット英和で調べると「オヒョウ」と出ていました。曰く、カレイに似るが1mを超える大型の海水魚。うへっ。
 夕食後に空の様子を見に外に出ると、明らかに曇っています。風もやや強いようです。仮眠をした後、9時頃再度見に行くと、雪まで降ってきました。10時、雪は止んだものの星影なし。11時、曇り、ときおり雪。12時、曇り、ときおり雪。13時半、あらっ、天頂付近に微かに星が見える。このまま寝るのも何なので、ダメ元で、カメラを出してみよう。というわけで、準備をして2時からホテル裏で様子を見ることにしました。ひたすら待ちますが昨夜のようには晴れてくれません。雲の切れ間は狭く、時として星が全く見えなくなります。微かに見える地平付近の薄緑を目当てにシャッターを押してモニタで確認すると、オーロラには違いありません。ただ、その光はほんとうに弱々しい。雲が晴れてくれないかな…。強いオーロラが出てくれないかな…。雪の上で時が過ぎるのを待ちます…。誰も居ない、静かな、静かな時間。やがて4時ごろにはもやが懸かり始めたので、今夜はこれで撤収です。


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バニシング of ICE

2017年01月24日 | オーロラ

 おお懐かしーのトルネ湖の大雪原ーん!おや、あの黒い物は何だろう?もしかして。ひえー、水だ、水!氷が消えてるー!アビスコ・ツーリスト・ステーションホテルに着いて、荷物を部屋に片して、さて、撮影場所の下見に行こうとホテルの裏に出たとたんの衝撃です。湖の半分ほどが凍っておらず黒々とした水面を見せていました。思い起こせば、最近のキルナの天気情報をチェックしているとマイナス一桁の暖かい日が多かったようです。曇りの日が多いなあ、と天候を気にはしていましたが、気温は関心外で、まさかまさか、こんなことになろうとは。

 ショックを受けていても始まらないので、取りあえず、何時もの撮影場所の船着き場へと急ぎます。来てみると、湖面は一応真っ白な雪に覆われているようです。近づくと、湖畔で子供と遊んでいた先客が、dangerousだから近づかない方がいいよ、と親切に声を掛けてくれました。汀線と思われる辺りで、試しに靴のかかとで雪を掘ってみます。少し掘っただけで、ジャリジャリのシャーベットが現れました。やばー、マジでやばー。思いっきりdangerousです。今回は、あわよくばフローズンフラワーとオーロラを一緒に撮影しようと思っていたのですが、この暖かさではそんな物あるわけがありません。うーん、撮影戦略の練り直しです。というよりも、空は真っ白、今でも雪がちらつく中では、オーロラ撮影自体が、かなりやばい感じです。幾らアビスコでもこの状態じゃねー。

 取りあえず、夕方までは仮眠です。夕方起きて外に出てみます。相変わらず曇り。レストランでディナー。今晩のメニューは、前菜がカボチャのスープとメインがトナカイのシチュー、デザートは柿の形に似せたアイスクリームと枝付きのワイルドベリー(これは綺麗。写真に撮っとけば良かった。)今夜は望み薄だなー、と赤ワインも注文して、ゆっくり食事を終えました。外に出てみると、雪もちらつき出したようです。仕方ないので9時半頃までまた仮眠を取ることにしました。目覚ましで起きて外に出てみると、雲が薄くなっています。天頂辺りは微かに星の光も見えます。これは行けるかも。大急ぎで部屋に戻ってカメラ2セットを担ぎ出します。まだ晴れるかどうか分からないので、ホテルの周辺で待機することにしました。10時頃、東の空で、薄い雲を通してオーロラが出ているようです。ただ写真に写して綺麗な物ではありません。10時半頃、雲が薄れて、星が見え始めました。オーロラはというと、先ほどから弱い物がずっと出ています。部分的には色の強いところもあるようです。11時にはほぼ雲が消えて、星空が綺麗に見えるようになりました。オーロラは弱いままですが、若干の動きもあるので、連続撮影を掛けてみます。2台のカメラに14mmと24mmのレンズを付けて撮影しているのですが、このような弱いオーロラは14mmの方が綺麗に写るので、こちらをメインに撮影します。この後も、ずっと同じ状態が続き、少し厚い雲が出始めた2時に撮影を終了しました。もう少し早く10時頃から晴れてくれれば、もっと綺麗な写真が撮れたはずですが、贅沢は言いますまい。今日の所は、取りあえず、オーロラの写真を撮れたのでホッとしました。全くの空振りで日本に帰るって、すごく辛い(経験者)ですから。

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君の名は on SAS

2017年01月23日 | オーロラ

 スカンジナビア航空(SAS)SK984便で成田を出発。2年ぶりのキルナ/アビスコへ出発です。海外旅行する時のちょっとした楽しみの一つは機内で映画を見ることで、普段映画館に近づかないしDVDも借りない私にとっては、最近の映画を見る貴重なチャンスです。で、離陸して直ぐ映画のリストを見ると「君の名は」がありました。男女の入れ替わり物語とかの荒筋は知っていましたが、当然まだ見たことがなく、大ヒットの理由を知りたくて、先ずはこれの映画からスタート。予想以上に面白い。というかとても上手く作り込まれた映画ですね。「入れ替わり」という異常はあるにせよ、前半はスローな日常生活が続くのに比べ、後半からは二転三転のどんでん返しと、前半にさりげなく挿入された伏線の種明かしがこれでもかと言うぐらい連続して、観客の鼻面を引き回します。僕も引き回されました。座布団10枚です。
 んーと、実はブログにわざわざ映画のことを書いたのは、感想を書きたかったからではありません。映画の中程で最初のミールサービスがあったので、ポーズして、ふと右隣を見た時です。お隣は外人さんです。「君の名は」を見てました。そして通路を挟んだ左側の2席。外人さん2人が「君の名は」を見てました。そして前の列のうち2人(1人は日本人)もやっぱり見てました。これすごいと思いません?SASの映画タイトルはオンデマンドなので60以上あって、しかも彼らが一番最初に選んだ映画がこの映画なんですよ。見ていた外人さん達は、日本に来て居たぐらいだから普通より日本文化に興味があるだろうことを差し引いても、「君の名は」密度高過ぎ! 新海監督、SASでも大人気ですよー。
 新海監督って映像が美しいことでも有名ですよね。それで思い出したけれど、最初に、アニメの映像がすごいな、と思ったのは「機動戦士ガンダム」(最初のやつね)でした。オープニングで、ガンダムだかホワイトベースだか忘れたけれど、地球を背景にして飛行するシーンがあります。その地球がアウトフォーカスしていたのです。あ、すごい、と単純に思いました、背景をぼかして主体を浮き立たせるっていうテクニックは、実写映画ではごく当たり前ですが、アニメでこれをやったのは初めてではないでしょうか? 私見です。間違っていたらごめんなさい。言うまでもなくガンダムは超有名ですが、今に繋がる映像技術の面でもエポックメイキングな作品だったように思います。エポックメイキングをいうなら、この「君の名は」もストーリー展開の面で、新しいアニメを感じさせます。先に述べた「伏線」の入れ方は、文章で行おうとすると説明的になって読めた物ではないでしょうが、映画では、フラッシュバックのようなごく短い時間の映像や、本筋ではないと思わせるような日常生活に紛れ込ませた軽い描写をすることで、綺麗に納めているようです。アニメでしかできない手法と言えるのではないでしょうか。
 さて、スウェーデンまで来てこんなことを長々と書いている理由は…。そうです。先ほどキルナのリパンホテルに着いたものの、空は雲だか霞だかで分からない物で真っ白けです。もう寝ます。お休みなさい。

 

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