
「奥さん、このリンゴ食べてもいいですか?」
こんなありふれた質問がどうしてここまで怖いんでしょう。
それは志賀勝だから。
3年前にロッキー(木之元亮)が逮捕した矢沢(志賀勝)が出所した足でアパートを訪ねてくる。
他に頼れる人がいないから、職が見つかるまで泊めてほしいと。
令子(長谷直美)も内心「え?」と思いつつも承諾。
ロッキー、人が良いにもほどがある。
さっそく翌朝から矢沢の職探しを手伝うロッキーですが、竜神会と響組のあいだにキナ臭い動きがあり、
矢沢を残して捜査に戻ります。
しかし、何度も矢沢から保証人になってくれと呼び出され、駆けつけるたびに実は仕事は決まっておらず、
矢沢の真意がつかめないロッキー。
帰宅途中に尾行されたり、ロッキーがまだ帰らないアパートでふたりっきりで夕食を食べ、
ねっとりとした視線を感じたり、あげくに電気を切られて真っ暗になった部屋で、逃げようとして
頭を打って倒れたり…
令子さん、散々です。婦警とはいえ妊婦。こんな怖い思いをさせてはいかんでしょ、ロッキー!
それでも、ロッキーは矢沢を責めることなく信じてやる。
結局、矢沢は組から頼まれて、捜査のじゃまをするためにロッキーに近づいたことがわかるのですが、
矢沢自身、ロッキーと奥さんは騙せなかった、と自首してくるのでした。
令子がほしがっていた水天宮のお守りを持って…。
それにしても、志賀勝が出てくるだけでこんなに緊張感が出るのはさすがです。
怖いだけじゃなくて、最後にロッキーのアパートの外階段にちょこんと座って待っている可愛らしさもあり、
圧倒的な存在感です。
【本日の感無量】
翻弄されても文句を言わない優しいロッキーに代わって、一係を訪ねてきた矢沢に物申すドック(神田正輝)。
数年前は、ヘビに睨まれたカエルのようだったのに…。

《参考》「大都会PARTⅡ」#23 護送 より