建設会社に勤める西田という男が廃墟で射殺された。現場の状況から、犯人はマグナム44を使い、
西田を脅して何かを聞き出そうとし、最後の1発で壁越しに射止めたらしいことがわかった。
一方、西田が自分の車ではなく廃車寸前のレンタカーを借りて現場に出向き、スピードを落とさず相手に向かっていることから、
西田にも殺意があったのではないかというのがドック(神田正輝)の推理だった。
西田の部屋から未現像のフィルムをみつけたドックとボギー(世良公則)が現像した写真を見てみると、
海外であろう橋の写真と猟をしている西田が写っていた。
西田とともに写っていた同僚の木村を訪ねた時、ふたりの目の前で木村がバイクで近付いてきた人物に
いきなり狙撃された。
腕を撃たれた木村の怪我が、下手をしたらもげちゃうんじゃないかというほどひどくて、
「マグナム怖えぇ」と思いました。
木村をボギーに託し、ひとり犯人を追うドック。
射撃訓練場(通称穴倉)で命中率50%で喜んでいたボギーでは殺られると判断したのかw
危険度の高い方を引き受ける。良き先輩になりました。
かつて、ロッキーを助けに行く際、ラガーだけプールに飛び込ませていた(#481 闇の中の殺人者)ころとは大違いです。
資材置き場での銃撃戦。相手が弾を撃ち尽し、弾込めをするタイミングを反撃のチャンスに狙ったものの、
なぜか間髪入れずに次の弾が飛んできて、ドックは混乱します。
犯人に逃げられ住宅街を探し回るも、すれ違ったのは車に乗った外国人女性だけ。
彼女がそれらしい男を見たという方向に走っていったものの人影はない。
身体が震えるのを止められないドック。
木村が収容された病院でボギーに対し、弾込めを一瞬で完了するスピードローダーという装置があることを
思い浮かべる余裕もなかったことを打ち明け、完敗宣言して落ち込むドック。
他のエピソードでもドックの完敗宣言は何度か見られますが、今回ほど本気の宣言はないでしょう。
しかし、ドックは逃げませんでした。
捜査の合間を縫って穴倉に籠り、マグナム44に対抗するべく大口径のオートを調達して黙々と練習に励みます。
普段使っているS&W M59と、今回お目見えした銃の2ショットに私の好きなドックの手も入ったサービスカットです(誰に?)。
新しい銃を初めて撃った時に、大きな反動で腕ごと宙に持っていかれて驚いているシーンが妙に気に入っています。
まったく当たらないところから、特訓を重ねてコツを掴み、やっと満足のいく射撃ができた時の微かに嬉しそうな表情も好きです。
捜査が進むなか、西田と木村がもう一人の日本人と参加した海外の狩猟ツアー中に現地の少女を誤射した事故があり、
真犯人がこの3人の中にいるとみて、少女の姉ナンシーが殺し屋を雇って復讐しているという線が濃厚になった。
モデルとして来日中のナンシーは、先日ドックがすれ違った女性で、彼女のマネージャー・ロイ牧は、殺し屋の風貌に近かった。
しかし、牧のアリバイは完璧。そんなとき、入院中の木村がふたたび襲われ病院から逃げ出す。
彼が頼るのはもう一人の日本人だと睨み、一係ではその存在を突き止める。
病院で、犯人の逃走経路と思われる階段ですれ違ったのは看護婦だけというボギーの証言から、
犯人はナンシー自身だと確信したドックは、木村ともう一人の男を襲った白バイの警官に
ナンシーと呼びかけ追跡する。
ぎゅいんぎゅいんと加速し、滑るように曲がり、スピードをあげていくドックの運転はいつもワクワクします。
追跡シーンでおなじみの「ドック刑事のテーマⅡ」も、やはりドックの走りに一番合ってると思います。
最後の対決。なぜか白バイ警官の装束を脱ぎ捨てたとたんに走りを含むすべてのアクションが
ぎこちなくなってしまったナンシーw
服装もモデルらしからぬもっさりした感じで、いくつものクエスチョンマークが浮かびました。
お互いに相手が見えない壁越しに銃を構える。先に引金をひき、勝負を決めたのはドックでした。
いつになくシリアスなドックとナンシーの温度差が大きくて、ここはもっと手強い感じでいってほしかったですが、
考えてみれば、彼女は妹を殺され復讐するために銃を手にした、本来戦いとは無縁の女性なのでしょう。
そう思うとアクションのへっぽこぶりも何だか好ましく思えてきます。
【本日の負けず嫌い】
なんでも器用にこなし、スポーツ万能に見える神田さんですが、テニスを始めたころに
友人のプロテニスプレーヤーと打ち合ったら、全然打ち返せずにコテンパンにやられたとか。
以前に書いたラジオで、「出来ないということにムキになるタイプだからね」と話していて、
相当練習して、そののちそのプロともラリーができるようになったそうです。
持ち前のセンスとか運動神経もあるでしょうが、なんでもあるレベルまで達する人というのは、
けっきょくそこまであきらめずに続けられる人なんだなと、あきらめが異常に早い私はそれだけで尊敬します。
この回のドックを観ていて、そんなエピソードを思い出しました。