太陽LOG

「太陽にほえろ!」で育ち、卒業してから数十年…大人になった今、改めて向き合う「太陽」と昭和のドラマ

#502 癖

2018年05月27日 | 太陽にほえろ!
ドック(神田正輝)とロッキー(木之元亮)の名を語った結婚詐欺師がいることがわかった。
被害者の3人の女性の証言により、犯人はそれぞれ外見は違うものの、ある共通の癖があることが判明。
自分たちの名を使われたことに怒ったふたりは、過去の事件を洗い直す。




資料室でふたりで組んだ事件を中心に資料を見直すドックとロッキー。
窓の外には屋台のラーメン屋。
「俺、食ってくるからあとはよろしく」というドックを「待てい」と捕りおさえ、
お尻をペンペンするロッキーがお父さん味にあふれています。

かつてスニーカー(山下真司)とドックは相棒という感じでよく組んでいましたが、ロッキーとドックも
タイプが全然違うのに仲良しでしたね。
ふたりにとってドックは一応w先輩なのに、上下関係はあまり感じませんでした。


さて、いうことを聞くふりをして再び脱走を試みたドックが、急に開いたドアに顔をぶつけるというお約束の展開。
ラガー(渡辺徹)が、ボス(石原裕次郎)の差し入れのラーメンを運んできてくれたのでした。

明らかに年下のラガーに対しては先輩風を吹かせるドックですが、ロッキーは「岩城さん」と呼ばれているのに
「ドック」とあだ名で呼ばれて(呼ばせて)います。
スポーツはやるけど体育会系ではないフラットな感じが、当時の太陽では新鮮だったと思います。



そのラーメンを食べながら、ある事件で長期の張り込みをした際、協力をしてくれたラーメン屋の主人の癖が、
今回の詐欺師の癖と似ていることを思い出すドックたち。

さっそく都心から離れたその店を再訪すると、店は新装開店したばかりで、店主の小西(阿藤海(のち快))は
ふたりの訪問を予期していたかのように歓迎してくれた。
その態度に不信感を抱いたドックは小西を疑うが、ロッキーは人のいい彼が詐欺などをするとは思えない。

小西を調べるうち、先の事件で警察に協力した彼が、隣同士だった容疑者の家族に恨まれていたことがわかった。
そのとき逮捕された容疑者の妻・雪子と新宿で偶然再会したという話を聞き、雪子が小西に復讐するために仕組んだ罠ではないかと
睨むドック。
確証はなにもない。ドックとロッキーは、仲間たちの協力を得て一発勝負の賭けに出た。


気のいいラーメン店主の小西と、雪子に協力し結婚詐欺を企てた男の二役を演じた阿藤海さん。
本エピソードをはじめ、ドラマやバラエティでおなじみの方だっただけに、
60代の若さで急逝されたのは本当に残念です。



【本日のリアクション王】
本エピソードで忘れてはならないのが、この女優さんの身体を張った?演技。

と、それを受けてのゴリさん(竜雷太)とドックのリアクション。


ギョッとするあまり、彼女が口にした容疑者の髪を触る癖と同じ癖をもつゴリさんは、ついつい頭を掻いてしまう。
同じくギョッとしてゴリさんにすがるように寄り添うドックですが、ゴリさんが頭に手をやるたびについ見てしまう。

この場面のゴリさんとドックの細かい表情が面白くて、観るたびに笑ってしまいます。
甲乙つけがたいリアクション対決です。
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#462 あなたにその声が聞こえるか

2018年05月24日 | 太陽にほえろ!
多摩川で白骨体が発見された。性別年齢も定かでなく、ゴリさん(竜雷太)は、頭蓋骨の復顔作業を依頼すべく
法医学研究室を訪ね、そこで麻生晴子(水沢アキ)という女性に出会う。

耳が不自由だという晴子だが、復顔の仕事に自信と誇りをもち、静かながら情熱的に取り組む姿に感銘を受けたゴリさん。
しかし、作業が進むにつれ晴子の様子が違ってきたことが気になった。
誰かに脅され、別の顔を作らされたのではないかというゴリさんの勘は的中した。



運命の人、晴子さんとゴリさんの出会い。
耳が聞こえないというハンディをもちながら、堂々と生きる晴子に惹かれていくゴリさん。

しかし、白骨体の被害者を殺した犯人たちから、別の顔を作らないと近所の子供を殺すという脅された彼女は、
ゴリさんの顔をまともに見られず、あきらかに怯えている。
このあたりの晴子の変化を水沢さんが繊細に演じていて、ゴリさん共々、晴子という人物にぐんぐん惹かれていきます。


「辞めちゃいけない、こんなことで。誰かに脅されたくらいで誇りを失っちゃいけない。
誰に脅されているんですか。言ってください。 僕は、あなたを守ります」

障害があってもなくても、人として尊敬できたからこそ変な遠慮をせず、ストレートに思いをぶつけられたんでしょう。
ゴリさんの真摯な姿勢に、晴子も感じ入るところはあったはずです。

だからこそ、復顔像を持ち出した晴子は、追手から逃れる際に手話でゴリさんに助けを求める。


林の中の空き家に逃げ込んだ晴子が犯人たちに追いつめられていく場面は、当時も今もハラハラドキドキしながら
見入ってしまいます。
間一髪で駆けつけたゴリさん。そりゃ、惚れますわ。

かくして、急速に距離が近づいたふたり。

本当に素敵なカップルの誕生だっただけに、その後を知る身としてはつらいです。


【本日の舞台裏】
1981年前期のDVDではこの作品にコメンタリーがついていました。
ゴリさん&ロッキーと一緒にドラマを観ている感覚で、特典のインタビューもさることながら、このコメンタリーを
もっとたくさんの作品(なんなら全部!w)につけてほしかったです。

何十年も前の仕事にもかかわらず、当時の様子や出演者の近況などをなつかしそうに語ってくれて、
それだけで感無量です。

「すごくきれいな人なんですってね。今度会わせてくださいよ」とドックがゴリさんに頼む場面で、
竜さんが「なんだかドックもいい加減なやつだなあ」と苦笑し、
木之元さんが「神田さんは、意識的にそうやってるっておっしゃってましたよ」とフォローするのが、
劇中のゴリさんやロッキーそのもので、「いかにも地でやってる(ように見える)」と言われるドックもふくめ、
あの頃の空気感が伝わってきて楽しかったです。





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#446 光る紙幣

2018年05月14日 | 太陽にほえろ!
12年前に起きた女児誘拐殺人事件。そのとき身代金に使われた5千円札に蛍光塗料を塗って番号を控えていたが、
今まで発見されずに時が過ぎていた。

七曲署管内のクラブでカジノの摘発があり、その際に偶然光る紙幣を発見した山さん(露口茂)。
紙幣に残された数人の指紋をひとつひとつ照合し、犯人に迫ってゆく。




どことなく胡散臭いwドック(神田正輝)のタキシード姿で始まった本エピソード。
12年という歳月が鍵になっています。

山さんが、未解決のこの事件を片時も忘れることなく追い続けてきたことを知っているボス(石原裕次郎)や長さん(下川辰平)。
別の紙幣が発見されたという知らせに、行き先も告げずに飛び出してゆく山さんを見送って、
「山さんと付き合って10年、あんな山さんは初めてだ」と驚くボス。

一方、紙幣に指紋がついていた主婦は、執拗な山さんの追及に気分を害し協力を拒む。
「12年前、僕は中学生でした。そのころから山村さんは1日も忘れることなくひとつの事件を追っているんです」
ドックのフォローが効いたのか、主婦は5千円の出所が夫であることを告白。その夫の証言から麻雀屋にたどり着き、
捜査は急速に進んでいく。

立ち聞きのプロ・山さんは、先に車に戻っていたのにドックの応援演説をしっかり聞いていました。
子どもと大人では年月の感じ方が違います。
ドックは、そんな前から山さんは…と思っているでしょうが、たぶん山さんはそんなに昔とは感じていないでしょう。

自分よりだいぶ若いとわかっていても、一緒に働いていると普段はそこまで年の差を意識しないものですが、
(12年前って、こいつまだ中坊だったんだ!)と山さんは内心愕然としたんじゃないでしょうか。
山さんと同年代になって、私にもよくわかります。

そんな、ベテランと若手がみんなで協力して、地道に指紋を照合し、やがて真犯人にたどり着く。
人形作家として有望でありながら、誘拐した女児を殺してしまったために、どうしても人形の顔が
その子に似てしまい作家としての道が閉ざされた犯人は、この12年どんな思いで生きてきたんでしょうか。

冒頭の写真は、ようやく事件を解決し亡くなった女児に思いを馳せている(であろう)山さん。

そして、そんな山さんの背中を見つめる当時中学生だった3人。

こんなに大きくなりました。



【本日のツボ】
山さんの美しい左手(白手袋)と、ドックの可愛く組んだ足の裏(白靴下)




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