
非番の日、街を歩いていてふとしたことから医者と間違えられ、若い女にアパートに誘われるドック(神田正輝)とスニーカー(山下真司)。
逆ナンパにニヤニヤしている二人だが、そこには腹を怪我した男と、拳銃を持った男が待っていた。
管内で銀行を襲った際に拳銃が暴発して怪我をしたが、病院には行けず治療してくれる医者を探していたのだ。
8人体制の一係で、若手二人を同じ日に休ませてくれるというのはなかなか太っ腹なボス(石原裕次郎)ではないでしょうか。
非番でも呼び出しに備えてポケベルを持ち歩くスニーカーと、そんなもん持ってんのかと驚くドック。
ガールハント(死語)しようというドックを、刑事なのにと責めつつ、自分も眼医者だと偽って女の誘いに着いていくスニーカー。
わちゃわちゃとしたやりとりが、ふつうの20代男子です。
真面目なスニーカーは、ドックみたいなタイプに反発するかと思いきや、一係の中ではもっとも早くからドックのキャラクターを
受け入れていた気がします。まあ、タイプが違うからこそ仲良しというのはよくあることです。
ドックは実家の西條外科医院に忍び込んで薬や治療器具を失敬し、ついでに手がかりを残していくのですが、
ここで重箱の隅をつつくような疑問を…。
1. ドックのお父さんは勝さんのはずだが、病院の看板には「西條恒男」と。おじいちゃんか?
2. 西條外科医院はこのあとも、「父親」「ドック刑事のシアワセな日」等に出てくるが、
毎回外観および診察室が違う。ドック本人はともかく、開業医の実家がそうそう引っ越さないと思うんだけど。
怪我人の治療と保護を最優先し、冷静に時機を待つドックと、そんな彼の態度に不信感を抱きつつも、
機転を利かせてボスに居場所の手がかりを伝え、犯人逮捕のタイミングをうかがうスニーカー。
ピンチを乗り越え、みごと犯人を逮捕した二人は、このあとさらに名コンビになっていきます。
おなじみの一係、ボスの机を囲んでの一コマ。
「ちょいと見直したね。手術をやりなおした執刀医が、『たいへん見事な処置だった』と感心しておりました」と、
嬉しそうにボスに報告するゴリさん(竜雷太)。ドックの調子の良さに辟易していたはずなのに、良いところはちゃんと認めて褒めてくれる。
「さすが、医学部」というロッキーに、「でも中退」とスニーカー。すかさずファイティングポーズをとるドック。
「実はですね、腹の傷だけにハラハラでした」というジョークで乾いた笑いを引き起こし、
「車に戻ってから二人で逮捕した方が確実だった」と疑問を投げかけるスニーカーに、「それじゃ俺が撃たれていたかもしれない」とドック。
二人の追いかけっこを、心底(うるっせーなー)という顔で見ているボス。
みんなの息の合った掛け合い、間合いが心地よく、自分もその場にいていっしょに笑っているような感じがします。
