ウォーホール左派

今日も作詩、明日もまた、本格詩人のブログ。

夜 8:00時と10:00時の暗さについて

2009-01-15 21:14:02 | Weblog
そして漆黒が
空に満ち始めると
遠く街が瞬きだす

まるで天空が降りて来たように

8:00時の夜は
昼の活動のざわめきが覚めやらぬ
フラスコで取ると浮遊物で濁った液体
蛍光灯の下で影のできる
闇の分離できていない
騒ぎ立つ液体

簡単な夕餉を終えた後
一杯のコーヒーを楽しむ頃
8:00時の夜は始まっている
冬晴れの下の沸騰するような諸活動
魂のフラスコの液体はガスバーナーの
煮沸から外されたばかり
昼間の印象が心に余韻として揺れ残っている

ふぅーと溜息をつくと
無意識に本に手が伸び
活字に目を落とす
濁りの夜に白い羽根持つ魂が飛び出す

書物よ 活字よ 語れ
今日は……

聞いている 書物を

ふと目を上げて
ガラス窓から外を見ると
木枯らしに木々は揺れている
音とて 無く

読書の持続時間の中で
魂の私は
純粋に驚愕し 喜び 悲しみ 笑う
書物に世界に浸りきる 悦楽に酔う
肉体は暖かな部屋にいて炬燵に入り
ミカンを二つばかり食べた

夜が深まる

10:00時の夜は
夜の始まりの夜
聖なる夜
鎮められた暗闇に
家具らが静かに語りだす
物質という物質の秘かな営みが浮き上がってくる
夜の秘密の扉が開き始める
血清と血沈の聖なる分離
蛍光灯下に昼間の熱き血潮は
沈められ静かに聖なる夜を分離する

8:00時から10:00時までの
清められた夜を獲得するまでの儀式めいた2:00時間で
「魂の自由」を確実にする読書に捧げた
黄金の時
刻々 深まってゆく闇に
金色に輝くブッタの像が出現している

蛍光灯の明かりが
深まる夜を照射して

窓から冬の空間に漏れてゆく
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うたた寝

2009-01-15 09:35:43 | Weblog
木枯らし騒ぐ 窓
カーテンに木々の影 映りざわめく

暖かな部屋 
電気ストーブが赤い 
鎮まる物らに囲まれて 
空気が眠る
旭日射す

「山遠く銀嶺の風吹く街に」

立山連峰を見晴らす街
青く遠のく山体 眠り
無言の銀嶺 紫に輝き
圧倒的な存在を知らしめる 連山
静かに山麓の都市を包み込む

アーケードの下に商店が並び
電飾に飾られ雑踏が絶えず流ている
車道から曇天の空見上げれば雪の降る

そこに乞食のような格好をして
長い杖を持ち
歩む


憧がるる霊 漂泊の魂
まるで仙道の導師のように飛んでゆく

暖かな炬燵でうたた寝の瞬時
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