素晴らしかった
素晴らしかった。素晴らしかった
通してプレイするのは久しぶりだったんですが(過去に20周はプレイしましたが)学生時代、初めてクリアした時の感覚が蘇りました
初クリア時の感覚は今でも鮮明に覚えている。クリアしたあと茫然となり悶々と虚無感に包まれる
頭の中を整理できずもう一度EDを見てMGSすげえ、小島監督すげえって感動したのをはっきりと覚えています
MGS3のオオアマナの花畑と最後のポッターズフィールドはビックボス誕生の原風景。ネイキッドが軍人から一つの魂を持った兵士へと変化していくきっかけを得たシーンです
MGSシリーズは自分探しの物語だと個人的にとらえています。1でソリッドは2で雷電は肯定的に新たな自分を誕生させますが、3でのビックボスの誕生は否定的な自分発見
兵士として未成熟であったネイキッドが個として完成しきれないままにボスの殺害という人生最大のターニングポイント(トラウマ)を迎えて、MGS1以降の作品には悪として描かれているビックボスへと至るきっかけを得た物語である
しかしこの時点ではまだ闇落ちはないんだよなあ
PWでも「俺はボスとは違う生き方を選ぶ」と未練の呪縛を断ち切り戦士として己の存在価値を主張していく生き方を選択していくわけであるがあれも純粋な悪とはいいがたい
PWラストのビックボスはある意味1960年代初頭のボスと同じ立場に立たされていました
ビックボスのMSFは大きくなりすぎた。歴史に干渉しうる存在となったために世界から圧力をかけられる立場へとなった
ボスは政治、国、時代、世界から圧力をかけられた際に世界の均衡を保ちありのまま残すために自己犠牲をいとわなかった(スネークイーター作戦の一連の物語やPWでのカセットテープ「宇宙ロケット競争におけるボスのエピソード」から)
しかしビックボスは違う、核を保有し国家といえるほどの軍隊を築き、PW事件で世界に干渉してしまったが為にPWラストでは世界や時代を敵に回してしまうことになった
世界を敵に回してもビックボスは自己の存在の主張をやめることはない。己らの存在が世界にどんな影響を与えようとも自分たちは存在し続ける
その誓いが「天国の外側」アウターヘブン設立宣言でありました
ビックボスにはボスの平和への願いが戦いの放棄に見えたのでしょう
そして戦いの放棄は自分達の否定
戦士として生きた自分自身とビックボスさえも否定する行動と捉えた
しかしこの段階においてもまだビックボスのMGS1~2で語られるビックボス像は完成していないんですよね
今回のTPPではキャッチコピーにMGS最大の謎が明かされるというものもある
MGSシリーズ最大のミッシングリンクがこのビックボスの闇落ちなんだよなあ
今回で本当にシリーズが最終作であるためにこの部分の謎にようやく決着がつき非常に楽しみであります
コナミは小島監督の関与しない新しいMGSを今後も作り続けるようですがそんなものはMGSとは認めない
全ては復讐の為に、という言葉がどこへ行きつくのか
正直今明かされているTPPの事前情報はTPP全体のほんの3割くらいだろうとは思います
小島監督は徹底してゲームの前情報には秘密主義です
MGS4の時もそうでした。発売直前になっても明かされる情報はゲームの舞台はたくさんあると解説するも中東とジャングルしかメディアには公開しないし
レックスに乗れる、アーマードメタルギア要素も隠しに隠し通しましたし、シャドーモセスに再び訪れる感動なども
ユーザーへのサプライズを考慮して隠し玉をいくつも用意しているんですよね
今回のTPPも例にもれず数々のサプライズ要素がファンを待ち受けているはずです
ここらで軌道修正してMGS3の感想に戻ります
本当に素晴らしい
好敵手との戦いやラブロマンスなどアクション映画としてのツボを押さえて、ネタバレにあるのは日本人の涙腺にクリーンヒットする自己犠牲
MGS3はそれまでの1,2と毛色が違い王道スパイ映画としての色が強いです。感覚としては007が近い気がします
ストーリーも非常にわかりやすい
MGS2での指摘を受けてかなり意図的にわかりやすく作っているんだなあという感じはします
それでも物語の裏側をすべて読み解こうとすればそれなりにややこしいんですが
MGS3はネイキッドの目的であるソコロフの救出、シャゴホッドの破壊、ボスの抹殺は実はすべておまけであり本当の目的は賢者の遺産の取得なんですが
その物語にネイキッドだけが舞台に上がれていないのがやはりもの悲しさを誘いますね
登場人物みなそうですが登場キャラクターはすべて政治、国、時代のポーンである
冷戦の時代は諜報の時代。国や各人物がそれぞれ嘘にまみれ陰謀渦巻く物語を織成しているのが面白い
MGS3での一番のお笑いポイントはヴォルギンの「この中にスパイがいる」というセリフですねwww
一人どころかオセロット、ターニャ、ボスに至るまで全員スパイで大佐の賢者の遺産を狙っていたという
またMGS3はオセロットの物語でもある。3に限らずにMGSシリーズはスネークとは異なる顔としてオセロットの物語でもあるんだよなあ
MGS4をクリアした上でオセロットに注目してストーリーを追うのもなかなか楽しい。MGS3でビックボスに出会い、心酔した以降は彼の為に世界と戦うオセロットが恰好よすぎるんだよなあ
TPPではバディとして是非ともオセロットと一緒に戦いたい。ちょうどシャラシャーシカとして恐れられているオセロットの全盛期の時期でもある
MGS3はオセロットに注目してみるとボスとの親子関係の演出やネイキッドとの疑似姉弟関係が見れます
倉庫前でロシアンお手玉でソコロフをいじめるオセロットに対して「戦場で運をあてにするな」や拷問場でネイキッドの目を焼いてひっぱたかれるシーンなんて完全に母親が子をたしなめるシーンなんだよなあ
お互いに親子と知らないながらもどこか感じる部分があったんでしょうね
またネイキッドとの師弟関係にも似たライバル描写が凄く良い
ラストのウィグでの決闘シーンなんてとても健全な時間と空間だった
競技やスポーツのような、ソリッドとグレイフォックスの関係性に似てますね
オセロットが自分のリボルバーをネイキッドに渡すシーンや、不敵に交わす賞賛の笑みなど
ネイキッドとオセロットの少年漫画的ライバル関係が凄く好きです
しかしシリーズ通して詳細な立ち位置が明瞭に見えないのもオセロットというキャラクターなのである
どういった感情や立場で動いているのか断片的にしか見えてこない。そんなミステリアスさや黒幕感も魅力の一つですね
またMGS3では2と比べてキャラクターの表情まで細かく表現できるようになったところが凄い。今のゲームでは当たり前なことですが
当時難易度が高く、ゲームでの描写は困難とされた馬(アンダルシアン)をゲームに登場させたところからも当時の技術力の高さがうかがい知れる
とりわけ外国で人気がでたというカーチェイス要素ですが個人的にはあれは苦手ですね
4でもヱヴァのバイクに跨りチェイスシーンがありましたが絵的には綺麗でもぶっちゃけめんどくさいんですよね
チェイスシーンでの銃撃戦は。難易度も高いし
とまあ色々と感想が出てくるところですが多すぎてまとめきれない・・・
とりあえずTPPまで一か月切ってるんで次はMGS4に進むか……
MGS3は偉大なゲームです
以降のMGSシリーズのシステムの根幹に関わる要素をいくつも発明している
ゲーム性での最たる発明はCQCである。潜入に大きくアクション性が付与されることにより行動自由度が増した
キャラクターでの最たる発明はザ・ボスを生み出したこと。以降のシリーズの登場人物の思想や行動原理の根幹に位置する最重要人物で、ボスを生み出さなければ今のMGSシリーズのストーリーの形は全く別のものとなっていたはず
MGS3は本当に偉大なゲームですわ
スネークというキャラクターが唯一涙を流すのもMGS3ならでは
MGS1.2.4のスネークというキャラクター像は涙を流してはいけないと個人的に考えています
ソリッド、オールドは涙は既に枯れている、という台詞にあるように背中で伝説を語るイメージ
しかし非情な人間というわけではなく優しさや悲しみも全て背負っている
精神の強さ故に涙を流す姿は見せない、見させない。というのが個人的感想です
しかしそのスネークのイメージ像が涙によって最初で最後の揺らぎを見せるのがMGS3ポッターズフィールドでのネイキッドの涙なんですよね
3時点でのネイキッドはソリッドに比べて精神性が未成熟であったというのも涙を流す理由の一つですが
それ以上にボスの殺害がスネークというキャラクター像を揺るがす要因であった
MGS4、pwaでもやはりボスがストーリーの根幹に位置していましたね
4以降ではストーリーの宗教色が強くなる
ボスという絶対神の死後、志が同じだったビックボスとゼロは袂を分かち
互いに独自の解釈のもと派閥を作り対立していく
イコン(象徴)、ウィル(意志)などがストーリーのテーマでもありボスの神性が高まっています
個人的にはPWのボスの持ち上げ方は少し行き過ぎとも思いましたが
特にエヴァカセットテープでの米ソの宇宙開発諜報合戦
ボスが聖人君子すぎて人間に見えなかったw
キリストのような人物としてMGS4、PWでの神格化は凄まじかったですね
しかしPWでビックボスはボスと決別しTPPではボスがストーリーの根幹とはならないとは思いますが
ビックボスとゼロの対立を描く上でのキーワードとしてボスがチラつくくらいでしょう
さぁ次はMGS4だ