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『死の仕立屋』 ブリジット・オベール

2023年08月10日 21時26分17秒 | ■読書
フランスの作家ブリジット・オベールの長篇ミステリ作品『死の仕立屋(原題:Le couturier de la mort)』を読みました。
『マーチ博士の四人の息子』、『森の死神』に続き、ブリジット・オベールの作品です。

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夏のコートダジュールを襲った惨劇。
複数の死体を頭部、四肢、胴体と切断し、それぞれ縫合して街角に飾る猟奇事件が起きた。
第一発見者のマルセル巡査は昇進を狙い事件を追うが、そんな彼を嘲笑うかのように、なぜかマルセルの担当区域でばかり縫合死体が続々と見つかる。
犯人は身近にいる?!やがて、犯人の魔手はマルセル自身にも及び...幾重にも伏線を張った叙述トリックの妙と怒涛の展開をみせる驚愕の本格サスペンス。
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2000年(平成12年)に刊行された死に至るリヴィエラ・シリーズの第1作です。

マルセル・ブラン巡査の担当区域で発見された死体はただの死体ではなかった… 複数の死体をバラバラに切断し、それをひとつの身体になるようにつなぎ合わせるというとんでもないもの、、、

妻・マドレーヌとの離婚協議や北アフリカ系の未亡人・ナジャとの出会い等、マルセルの身辺も騒がしい中、犯人を特定できる材料が次第に揃っていき追い詰められた犯人は…… 。

複数の死体を頭部、四肢、胴体と切断し、それぞれの異なる部位を縫合してオブジェを造り上げる猟奇殺人鬼… 殺害シーンを含め、あまりにもグロテスクな場面が頻出し、とても映像化できない(頭の中でも想像したくない)事件、、、

しかも犯人は身近にいて、断片的な証拠が散りばめられているにもかかわらず、警察官たちはお世辞にも有能とはいえず、警察が機能不全に陥っている間に犯人は犯行をエスカレートさせていく… というもどかしい展開、、、

だけど、テンポが良くて意外と読みやすかったですねー 犯人が、とても不愉快な人物として描かれているので、歯がゆいほど無能な警察側に共感して読めたのも良かったのかな… 好きなジャンルじゃないけど、意外と愉しめました。

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