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『ロウフィールド館の惨劇』 ルース・レンデル

2023年01月03日 16時17分43秒 | ■読書
イギリスの作家ルース・レンデルの長篇ミステリ作品『ロウフィールド館の惨劇(原題:A Judgement In Stone)』を読みました。
ここのところ、イギリスの作家の作品が続いていますね… ルース・レンデルの作品は5年前に読んだ『聖なる森』以来です。

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ユーニスは怯えていた。自分の秘密が暴露されることを。
ついにその秘密があばかれたとき、すべての歯車が惨劇に向けて回転をはじめた! 
犯罪者の異常な心理を描く名手、レンデルの会心作。
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1977年(昭和52年)に発表された作品で、『東西ミステリーベスト100』では、海外篇の51位にランクインしている作品です

カヴァデイル家に家政婦として雇われたユーニス・パーチマンは文字の読み書きができなかった… 文盲であることを必死に隠しているユーニスだが、日々の仕事の中で何度となく秘密が露見するピンチに見舞われる、、、

ある日、気休めに訪れた村の雑貨屋で知り合ったのはエキセントリックな女性ジョーン・スミス… 友情と呼ぶには歪な二人の関係は事態を少しずつ異常な方向へと向かわせ、やがてユーニスが最も恐れていた瞬間がやってくる……。

オープニングがむっちゃ印象的な作品、、、

「ユーニス・パーチマンがカヴァデイル一家を殺したのは、読み書きができなかったためである」

この冒頭の一文から、ぐいぐいぐいっと作品の中に惹き込まれ、ドキュメンタリ作品を読んでいるような感覚で一気に読めました。

予め犯行が予告されているので、倒叙物の一種なんでしょうね… イギリスの典型的なアッパー・ミドルの一家が破滅を向かう展開、それダメだよー って、思わず声をかけたくなる衝動を感じながら読み進めました、、、

文盲ゆえに精神に大きな欠陥を抱え、父殺しの罪を背負うユーニスをはじめ、殺人の間接的要因となる狂信者のジョーン等、登場人物の緻密な心理描写にも圧倒されました… 面白かったです。

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