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『カリブ海の秘密』 アガサ・クリスティ(著),永井淳(翻訳)

2025年03月21日 18時23分53秒 | ■読書
イギリスの作家アガサ・クリスティの長篇ミステリ作品『カリブ海の秘密(原題:A Caribbean Mystery)』を読みました。
『さあ、あなたの暮らしぶりを話して クリスティーのオリエント発掘旅行記』に続き、アガサ・クリスティの作品です。

-----story-------------
ミス・マープルが転地療養のため西インド諸島に来てから一週間が経ち、彼女は単調な生活に少し退屈しはじめていた。
そんな時マープルを相手に自分の懐古談をしていたパルグレイヴ少佐の表情が、一瞬こわばった。
ある殺人犯の写真を見せようとした時、少佐はマープルの右肩ごしに何かを見たらしいのだ!
翌日、マープルの予感を裏づけるように少佐は死体となって発見され、平穏なカリブの休日はにわかに暗雲に覆われた!
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1964年(昭和39年)に刊行された、ミス・マープルシリーズの長篇9作目となる作品です。

 ■1. パルグレイヴ少佐、懐古談を語る
 ■2. ミス・マープル、品定めをする
 ■3. ホテルでの死
 ■4. ミス・マープル、診察を乞う
 ■5. ミス・マープル、決断をくだす
 ■6. 夜の半ばに
 ■7. 浜辺の朝
 ■8. エスター・ウォルターズとの会話
 ■9. ミス・プレスコットその他
 ■10. ジェイムズタウンの決定
 ■11. ゴールデン・パームの夜
 ■12. 古い罪は長い影を落とす
 ■13. ヴィクトリア・ジョンスン退場
 ■14. 取調べ
 ■15. 取調べ続行
 ■16. ミス・マープル、援助を求める
 ■17. ラフィール氏、活動を開始する
 ■18. 牧師のいぬ間に
 ■19. こわれた靴の効用
 ■20. 深夜の恐慌
 ■21. ジャクスン、化粧品の講釈をする
 ■22. モリーに男が?
 ■23. 最後の日
 ■24. 復讐の女神
 ■25. ミス・マープル、想像力を駆使する
 ■解説 マープルとおしゃべり 芳野昌之

こんな土地でも何かしら事件はおこるのかしらと、ミス・マープルはつい訊いてしまった……前の冬にひどい肺炎をわずらい、医師に転地療養をすすめられていたマープルが、甥のレイモンドの世話で西インド諸島にきて一週間ほどたっていた、、、

気候も景色もすばらしいのだが、晴天つづきの天候やシュロの木ばかり目につく景色が少しばかり単調なように、毎日変りばえしない生活にミス・マープルはちょっと退屈していたのだ……さかんにアフリカ時代の懐古談をしていたパルグレイヴ少佐は一瞬びっくりしたようだったが、数年前そこでおきたある巧みに仕組まれた殺人事件について話し出した。

そして話の終りに犯人が写っているという写真をみせようとしたときだった……途中まで差しだした少佐の手が、急に動かなくなった、、、

彼はマープルの右肩ごしにじっとうしろを見つめている気配だった……少佐の顔が濃い赤紫色に変り、はた目にも分る狼狽ぶりになった。

話はそこで打切りになってしまったが、ミス・マープルは少佐の態度の急変が気になった……なにか意味がありそうだ、、、

そして翌朝、マープルの予感を裏書きするようにパルグレイヴ少佐が死体になって発見され、それとともに平穏で単調そのものだったカリブ海の休日はにわかに暗雲におおわれはじめ、ポアロに劣らぬ名探偵ミス・マープル活躍の格好の舞台へと変化していった!

カリブ海のサントノーレ島にあるリゾート・ゴールデン・パームで静養しているマープルが殺人事件に巻き込まれる物語……セント・メアリ・ミードを離れても、マープルがおしゃべりの渦中にいることは相変わらずで彼女は軍を退役したパルグレイヴ少佐の退屈な回顧談に耳を傾けていた、、、

パルグレイヴ少佐は何度も殺人罪から逃れた男の話をし始め、彼は殺人犯の写真を見たいかと尋ねて財布の中からスナップ写真を出そうとするが、突然話題を変えてしまう……マープルがその理由を確かめようと顔を上げると、近くに数人の人影を発見する。

翌日、パルグレイブ少佐が自室で死んでいるのをメイドのヴィクトリアが発見し、マープルは彼が殺されたことを確信する……その後、メイドのヴィクトリアが刺殺され、次に滞在客のひとりラッキー・ダイスンが殺害される、、、

マープルは車椅子に乗った年老いた実業家ラフィールとの会話の中で、ひとつひとつの事象を丹念に振り返るりながら徐々に真相に近付いていく……という展開。

意外な犯人、そして納得の動機……面白かったです。

以下、主な登場人物です。

ジェーン・マープル
 探偵好きな独身の老婦人

パルグレイヴ少佐
 ゴールデンパーム・ホテルの滞在客

ジェースン・B・ラフィール
 同上。スーパーマーケットのチェーン店経営

エスター・ウォルターズ
 同上。未亡人。ラフィールの秘書

アーサー・ジャクスン
 同上。ラフィール氏の従僕兼マッサージ師

ジェレミー・プレスコット
 同上。牧師。聖堂参事会員

ジョーン・プレスコット
 同上。プレスコット牧師の妹

グレゴリー・ダイスン
 同上。植物学者

ラッキー・ダイスン
 グレゴリーの妻。ラッキーは愛称

エドワード・ヒリンドン
 同上。大佐。植物学者

イーヴリン・ヒリンドン
 同上。エドワードの妻。植物学者

グレアム
 同上。医師

ティム・ケンドル
 ゴールデン・パーム・ホテルの経営者

モリー・ケンドル
 ティムの妻

ヴィクトリア・ジョンスン
 ティムの使用人

ジム・エリス
 ヴィクトリアの情夫

ウェストン
 サン・トレノ警察警部

レイモンド・ウェスト
 ミス・マープル甥。小説家&詩人

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