じゅうのblog

こちらでボチボチ更新していく予定です。

『一応の推定』 広川純

2023年07月16日 22時02分05秒 | ■読書
広川純の長篇ミステリ作品『一応の推定』を読みました。
ここのところ、国内のミステリ作品が続いています。

-----story-------------
自殺か事故か? 巧緻なプロットが光る松本清張賞受賞作

轢死した老人は事故死か、それとも重病の孫娘を助けるために自殺したのか。
ベテラン保険調査員の執念が、明らかにした真実とは?
解説・佳多山大地
-----------------------

2006年(平成18年)の松本清張賞受賞作で、同年刊行された作品です。

JR膳所(ぜぜ)駅で轢死した老人… 彼には心臓を患う幼い孫娘がいた、、、

死の3ヶ月前に加入していた傷害保険の支払いを巡り保険会社から調査を依頼されたベテラン調査員・村越の執念の調査が始まる… 果たして老人の死は事故なのか、それとも自殺なのか? 

定年間近の調査員による文字通り足を使った執念の調査行、終盤で二転三転する緻密なプロットはまさに“清張ばり”… 選考委員の全会一致で選ばれた、待望の現代推理小説の松本清張賞受賞作です。

定年を迎えるベテラン保険調査員の村越が、真相を明らかにするために丁寧に調査を進める姿を追った物語… 状況証拠を積み重ねていくと、自殺らしいと明白で納得の得られる一応の推定は充分に成り立つところまで調査は進むが、村越は自殺であることの不自然さを拭い去ることができず、定年退職の日を迎えた後も調査を続け、遂に真相に辿り着く、、、

面白かったですねー 松本清張賞を受賞したのも納得ですね… 読み応えも充分だし、伏線回収もスッキリしていて、納得できる真相だったので、心地よい読後感を味わえました。

「私にとって大事なのは、何が真実で、何が真実でないか、ただそれだけ」 という、村越の発言が印象に残りました… 真摯に仕事に向き合う姿がカッコ良かったですね。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『恋する惑星』 1994年 | トップ | 『私家版』 ジャン=ジャック... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

■読書」カテゴリの最新記事