醸楽庵(じょうらくあん)だより 

主に芭蕉の俳句、紀行文の鑑賞、お酒、蔵元の話、政治、社会問題、短編小説、文学批評など

醸楽庵だより  771号  唎酒、6月例会  白井一道

2018-06-25 12:47:46 | 随筆・小説


   唎酒の会 出品酒


       

二〇一八年六月例会 酒塾唎酒出品酒    6/24

A、出羽桜 純米大吟醸酒 雪女神 四割八分  720ml 1600円 
  山形県天童市  出羽桜酒造株式会社
  酒造米:雪女神  精米歩合:48%精米  アルコール度数:16%

B、うぐいすの囀り 生原酒   720ml 1350円
  山梨県南巨摩郡  株式会社萬屋醸造店  春鶯囀(しゅんのうてん)の銘柄が有名
  精米歩合:60%   アルコール度:17.5%  軽快さを追求している。

C、弥栄鶴 夏蔵舞   720ml 1220円  季節商品、夏の酒
  京都府京丹後市  竹野酒造有限会社
  京都府の日本海側に位置する丹後半島。
 天橋立が有名なこの地は米どころでもあり、この小さな半島の部分だけで9件の酒蔵が存在しています。

D、紀伊国屋文座門 純米酒  720ml 1200円
  和歌山県海南市  中野BC株式会社 
 酒造米 山田錦、出羽燦燦   精米歩合 麹米58% 掛米65%  アルコール分18度 
 その旨さ…半端ないって!!限定の日本酒をあえて夏に瓶詰した酒蔵の思惑とは?!

E、三千盛(みちざかり) 本醸造 720ml 980円  
 岐阜県多治見市笠原町   株式会社 三千盛
 精米歩合:55% 日本酒度:+16、アルコール度数:15%
 三千盛は、「超からくちの酒」でありながら、癖がなくすっきりとキレのある味わいの日本酒で、食事と一緒に味わっていただきたいお酒です。
昭和30年代のはじめに、濃い甘口のお酒が主流であった中で、創業から引き継がれた製法を守りつつ、時代に合わせた味作りへの努力を続け、精米歩合50%・日本酒度+10の特別な超からくちのお酒「三千盛」が誕生しました。


酒塾のしをり  第二七号
 今回も、夏の日本酒です。山形を代表する名酒といえば、出羽桜の酒でした。その後、山形県には続々と名酒が生まれました。その中で有名になったお酒が「十四代」でした。1980年代の終わりごろから90年代にかけてであったでしようか。その頃の日本酒ブームの頂点を極めた酒が「出羽桜」「十四代」だったでしようか。その頃、知る人ぞ知る。名酒の誉れ高いお酒が「春鶯囀」でした。
  夏、飲んでおいしいお酒は軽快な辛口のお酒のようです。今世間では、甘口のお酒が好まれているようですが、お酒の味がわかる我々にとっては、軽快、辛口の酒といえば、岐阜の「三千盛」でしよう。日本酒度+16の超辛口のお酒こそ夏の酒にはふさわしいと思いますが、いかがでしよう。
  「弥栄鶴」京都丹後のお酒です。有限会社で頑張っている蔵のようです。有限会社には信用があります。私は初めてのお酒ですが、きっと心のこもったお酒なのではないかと思います。舌の上で転がし、酒の味を心行くまで味わってほしいと思います。京都の伝統が色濃く残っている蔵が醸した酒とは、どんなものなのかを知ってほしいと思います。和歌山の酒を楽しむのは酒塾では初めてだと思います。