『澤藤統一郎の憲法日記』より
奴らを通すな。奴らを落とせ。 2015.9.19
スペイン内戦で、反ファシズム陣営の合い言葉となったのが、「No Pasarán(奴らを通すな!)」。国会前の集会でも、たびたび演説者の決意として引用もされ、コールもされた。
そうだ。奴らを通してはならない。奴らはファシストなのだ。立憲主義をないがしろにし、民主主義を踏みにじり、教育の国家統制をはかり、労働法制をずたずたにして貧困と格差を生み出している。それだけではない。沖縄に新たな恒久的米軍基地をつくり、全国にオスプレイを配備しようとしている。この国を軍事大国にしようとしているではないか。明日にはいよいよ明文改憲にも手を付けかねない。
国会内では、奴らは数の力を押し通したが、今度は押し戻さねばならない。選挙の関門を通してはならない。奴らを通すな。奴らを落とせ。たたき落とせ。
奴らとは、今国会で戦争法案に賛成した自・公の与党議員全員だが、当面の目標は来夏の参院選だ。参議院議員として、戦争法案に賛成した、自・公・次世代・元気・改革の議員の中で、来年7月に6年の任期が満了して、「選挙区」から立候補しようとしている者が下記の42名だという。これがターゲットだ(党名記載ないのはすべて自民)。堂々たる市民主体の落選運動を展開して、奴らを落とそう。そうして、立憲主義と民主主義を回復しよう。
北海道 長谷川岳
青森 山崎力
宮城 熊谷太
秋田 石井浩郎
山形 岸宏一
福島 岩城光英
茨城 岡田弘
栃木 上野通子
群馬 中曽根弘文
埼玉 関口昌一 西田実仁(公明)
千葉 猪口邦子
東京 竹谷とし子(公明)中川雅治 松田公太(元気)
神奈川 小泉昭男
新潟 中原八一
富山 野上浩太郎
石川 岡田直樹
長野 若林健太
岐阜 渡辺猛之
静岡 岩井茂樹
愛知 藤川政人
京都 二の湯智
大阪 北川イッセイ 石川博宗
兵庫 末松信介
和歌山 鶴保康介
鳥取 浜田和幸(次世代)
島根 青木一彦
広島 宮澤洋一
山口 江島潔
徳島 中西祐介
香川 磯崎任彦
愛媛 山本順三
福岡 大家敏志
佐賀 福岡資麿
長崎 金子原二郎
熊本 松村佑史
宮崎 松下新平
鹿児島 野村哲郎
沖縄 島尻安伊子
具体的にどうするか。大きくは二つの柱がある。一つは、直接に奴らの票を減らすこと。そしてもう一つは、統一候補者を擁立して反安倍陣営全体で押し上げることだ。
奴らの票を減らす方法の王道は言論戦である。何よりも、言論戦を重視しなければならないことは言うまでもない。しかし、王道だけでは芸が無い。できることはなんでもやろう。何かないか。
弁護士・研究者・公認会計士などの専門家集団から成る「政治資金オンブズマン」が、たいへん興味深い運動の準備を始めているという。私もこれに参加しよう。
http://blog.livedoor.jp/abc5def6/archives/1040526008.html
政治資金オンブズマンは、政治とカネにまつわる問題で、多くの政治家を刑事告発し、あるいは大きくマスコミ公表するなどの経験を積み重ねている。この経験を生かして市民運動体の落選運動に役立てようというのだ。
具体的な最初の取り組みとしては、次のようなアウトライン。
① 奴らが所属する政党からの寄付金(政策推進費、交付金)などの調査、及び奴らが代表を務める政党支部や資金管理団体、後援会の各収支報告書の収入と支出、及びそれに添付している領収書類のコピーを徹底して調査する。(調査方法はHPに公表するが、同時に運動団体に弁護士などを無料で派遣することを検討中)
② そこから違法事実が判明すれば、政治資金規正法違反、公職選挙法違反などで告発することのアドバイス、告発状の作成なども無料で行うことも検討中。(なお政治とカネ問題だけでなく、どこかの議員のように未公開株式などの問題もおこれば法的なアドバイスも行う)
③ 仮に違法でなくても、不当、不透明な収入や支出などが判明すればその情報をHPなどに公表し拡散することで、落選運動に寄与する。
奴らと言論でたたかうだけでなく、叩いてホコリを出そうというアイデアだ。徹底した身体検査をこちらでやって、不合格者をはねつけようという企画なのだ。非立憲・反民主の議員を叩くことが、同時に政治とカネとのつながりを断って政界を浄化することにもなる。一石二鳥ではないか。
もう一つ。奴らを落とすには、対抗馬として強力な反ファシズム統一候補が必要となる。完勝したオール沖縄方式、善戦もう一歩だったオール山形市方式だ。少なくとも、候補者調整が必要だ。
憲法が決壊し、日本の立憲主義と民主主義の危機なのだ。市民が一丸となって、奴らと闘い、奴らを叩き、そして強力な対抗候補を押し上げる。こうして、奴らを落とさねばならない。No Pasaránだ。