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「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのかー有料座席列車導入は鉄道活性化のカギ

こんにちは。大塚良治『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)で鉄道活性化策を提言しています。

四日市市・YTT協働事業「内部・八王子線に乗ってウォーキング&クイズ大会」が開催され、講演しました。

2014-03-24 01:22:46 | 日記
皆様、こんにちは。

3月21日(土)、四日市市・特定非営利活動法人四日市の交通と街づくりを考える会(略称YTT)協働事業「内部・八王子線に乗ってウォーキング&クイズ大会」が開催され、小さなお子様を連れた家族連れをはじめとして多くの皆様にご参加いただきました。

イベント実施に当たっては、四日市大学松井ゼミの学生の皆様、そして他の市民団体のご支援も得ました。また、四日市市役所の担当者、議員、マスコミ関係者にもお越しいただきました。

参加者は、近鉄内部線日永駅・泊駅周辺の清掃活動の後、日永小学校に集合し、私のミニ講演とクイズ大会に臨みました。



私からは、内部・八王子線の歴史、公共空間としての鉄道を利用したマナー教育の必要性、内部・八王子線よりも輸送人員がはるかに少ない大船渡線や山田線での鉄道復活に向けた動向、そして赤字でも公共交通を存続させる意義について、子供向けにやさしく解説しました。



私のミニ講演に続いて、メインイベントであるクイズ大会に移り、任天堂3DSなどの景品目指して、参加者は○×クイズに答えていました。



最後は、巨大書初めを参加者が囲む形で記念撮影をし、2時間に及んだイベントを締めくくりました。



お子様には、帰り際にお菓子のつかみ取りを行い、喜んでもらうことができました。



普段の講演会では参加者の年齢層は高くなりがちですが、クイズ大会はお子様が本当に多く来てくれました。子供のうちから公共交通の大切さや魅力を教育することが、公共交通のファンを増やし、マイカー抑制につながると考えられることから、YTTとしては今後も子供をターゲットにした公共交通の啓発活動に積極的に取り組んでまいります。

内部・八王子線は2015年度から公有民営方式に移行しますが、利用促進はこれからが本番です。1列車当たり1駅2人ずつ利用を増やすことができれば、赤字は解消するのです。ぜひみんなで乗りましょう。



今回のイベントでは、本当に多くの皆様にご支援いただきました。誠にありがとうございました。

この場をお借りして、厚く御礼申し上げますとともに、今後とも温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。

本日初日!特急「スワローあかぎ3号」に乗る

2014-03-17 22:31:11 | 日記
皆様、こんにちは。

「ホームライナー鴻巣」を格上げする形で、本日より特急「スワローあかぎ」が運行を開始しています。

JR東北本線上野18時30分発特急「スワローあかぎ3号」本庄行き(4003M)1号車普通車指定席に乗車することにしました。

上野駅15番線ホームでは、多くの係員や警備員が配置され、「スワローあかぎ」の案内に精を出しています。



「スワローあかぎ」の特徴をJR東日本のプレスリリースより転載します(東日本旅客鉄道株式会社「特急『スワローあかぎ』号が新登場 さらなる着席サービス向上のため、「スワローサービス」を開始します。」2013年12月20日)。


「スワローあかぎ」号 ご利用にあたってのご注意
・「スワローあかぎ」号は自由席特急券ではご利用いただけません。指定席車両に有効な特急券等が必要です。
・車内でお買い求めいただく場合、指定席特急料金となります。おトクな「スワローあかぎ料金券」は車内では発売いたしません。乗車前にお買い求めください。
・「スワローあかぎ料金券」をご利用で、座席指定を受けずに乗車した場合、空席をご利用いただけますが、その座席の指定席券をお持ちのお客さまが見えましたら、席をお譲りください。
・指定席券をお持ちでも、当該座席を別のお客さまが空席として利用している場合があります。
・座席指定を受けてご乗車いただいた場合、車内改札を省略いたしますが、空席をご利用の場合、車内改札を実施いたします。
・「スワローあかぎ料金券」は、満席の場合でもご購入いただけます。その場合、デッキ等をご利用ください。車内に空席があればお座りいただけます。満席を理由とした払いもどしは出来ません。
・列車の発車間際は、みどりの窓口並びに指定席券売機が大変混雑しますので、予め時間に余裕を持って発売箇所でお買い求めいただくか、「えきねっとチケットレスサービス」をご利用ください。


本日の「スワローあかぎ3号」は、651系1000番台OM205編成(JR大宮支社大宮総合車両センター所属)7両による運行です。



上野出発時点で117人が乗車していました。乗車率は3割にも満たないことになります。



グリーン車は0人でした。



途中、赤羽、浦和、大宮、上尾、桶川、北本、鴻巣、熊谷、深谷に停車します。1号車では、赤羽から4人の乗車があった以外、他の駅で目立った乗車はありませんでした。下車が比較的多かったのは桶川で、1号車から6人が下車しました。その他の駅では、1両当たり1~3人の下車に留まりました。

終着本庄2番線には、定刻の19時42分に着きました。同じホーム1番線では、19時44分発普通高崎行き(943M)が待ち合わせしていました。



一旦改札を出て、19時54分発通勤快速上野行き(3942M)で折り返して、赤羽で下車しました。

赤羽では、21時08分発特急「スワローあかぎ11号」(4011M)の出発時刻が近かったため、4番線ホームに上がって見送ることにしました。

4番線ホーム上には、「あかぎ」「スワローあかぎ」専用の指定席券売機が設置されていました。



「スワローあかぎ11号」はOM206編成による運行で、外から見た感じでは3割くらいの乗車率でした。



指定席券売機で案内していたJR東京支社販売課の担当者の方に話を聞いたところ、本日は上野と新宿で「『スワローあかぎ』デビュー記念 お飲物引換券」が配られたようであるとのことでした。

「スワローあかぎ」は50キロまでは、「スワローあかぎ料金券」購入で、普通列車グリーン車と同額750円(通常1,010円)で利用することができます。

また、「えきねっとチケットレスサービス」利用では、50キロまで710円とさらにお得です。4月30日までは、500円割引の510円となっています。

しかし、「ホームライナー鴻巣」や「あかぎ」自由席50キロまでの500円と比べると、値上げになっており、また指定券の事前購入をしない場合は通常料金での精算となるなど、以前に比べるとハードルが高くなったことは確かです。

小田急ロマンスカーでは携帯予約サービス「ロマンスカー@クラブ」を2001年7月から開始しており、通勤客からの確固とした支持を獲得しています。「スワローあかぎ」も小田急ロマンスカーのような人気を集めることができるのかが、問われています。

色々な意味で「スワローあかぎ」は大きな注目を集めています。もう少し時間をかけて状況を注視する必要がありそうです。

※「ホームライナー鴻巣」については、拙著『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)47~48ページをご覧ください。

吉野梅郷からの帰り道は、快速お座敷青梅梅まつり号に乗って

2014-03-17 13:38:49 | 日記
皆様、こんにちは。

昨日は、東京都青梅市の吉野梅郷を訪ねて、JR青梅線日向和田駅で下車しました。



青梅市内の梅の木はウメ輪紋ウイルスに侵され、吉野梅郷にある「梅の公園」の梅の木も「梅まつり」終了後にすべて伐採されることになっています。

吉野梅郷が再生するまでには、3年後を目途に行政から出されるウイルス撲滅宣言を待って、梅の木を植樹することから、少なくとも今後8年間は青梅から梅の木が姿を消すことになりそうです。

このニュースはテレビでも大きく取り上げられたこともあって、昨日の日向和田駅周辺は大変なにぎわいとなっていました。

吉野梅郷地区の入口にある神代橋からは多摩川の絶景を楽しみながら、梅郷へと入ります。



「梅まつり」会場では、小中学生による「大江戸ダンス」が鉄道唱歌などの昭和の名曲に載せて披露され、通行人を楽しませていました。



「梅の公園」はまだ2分咲きと言ったところで、今週末辺りが見頃かもしれません。



帰りに、神代橋近くの「紅梅苑」で紅梅饅頭(325円)と文餅(320円)で一服しました。このお店の梅の木も伐採されるそうです。また、梅の期間は1年で最も書き入れ時で、1年の売り上げの4分の1をこの期間中に稼ぐとテレビで放送されていたのを見ました。自慢の梅の木を失うばかりか、お店の売り上げも大きく落ち込むことが予想されます。「梅まつり」がいかにこの地域に利益をもたらしていたのかを伺い知ることができます。



駅まで戻り、16時06分発快速「お座敷青梅梅まつり号」千葉行き全車グリーン車指定席(日向和田→新宿9560M、新宿→千葉9327M)に乗りました。

16時03分頃に、奥多摩方より485系「華」編成6両(JR大宮支社小山車両センター所属)が回送列車として入線してきました。



私がいた位置に5号車が来たため、まずは5号車の写真を収めました。車内は掘りごたつになっていて、ゆったりとくつろぐことができます。



その後、1号車に乗車しました。



列車は途中時間調整のためいくつかの駅に停車しましたがドアを開閉せず、立川でようやく営業扱いの停車をしました。1号車から数人が下車していきました。

列車は中央本線に入り、三鷹には日向和田からおよそ1時間で到着しました。



吉野梅郷は一旦梅の名所としての地位を失い、できるだけ早期の復活を目指して、再生に取り組むことになります。小さいころより親しんできた梅の名所がこうした形で消えてしまうことは残念でなりません。再生を心より願うばかりです。

北総線値下げ裁判3・15報告会

2014-03-15 23:33:14 | 日記
皆様、こんにちは。

本日は「北総線値下げ裁判3・15報告会」が、10時から印西市中央駅前地域交流館で、そして14時から白井市中銀ホールで開催され、多くの市民の参加がありました。

千葉ニュータウン中央駅まで北総線を利用しました。千葉ニュータウン鉄道所有の9100形C-Flyer9118編成に当たりました。車端部の一部が2人掛けのクロスシートになっており、この編成はかつて3号車と6号車のカード式公衆電話が設置されていました。



柴田圭子原告団長の司会進行の下、武藤弘裁判の会会長による冒頭あいさつの後、河口まり子弁護士による2月19日の東京高裁判決の解説と参加者の質疑応答が行われました。



河口弁護士からは、一審では認められなかった京成電鉄の原告適格が二審で初めて認定されたことや、北総鉄道と京成電鉄等との線路使用料条件については一審と同じく原告適格すら認められなかった点等、丁寧な解説がありました。

フロアからは熱心な質問が数多く出され、河口弁護士が一つひとつ丁寧に答えておられた点が印象的でした。フロアからの主な質問は以下の通りです。

フロア1:北総鉄道による自力値上げが可能であるとする北総線運賃問題対策協議会(北対協)の報告書について、裁判所が「信用性に疑問がある」としたのはなぜか?
河口弁護士:この報告書が「前提となる情報の正確性については、なんら確認作業を行っておらず、したがって、結論の正確性を保証するものではない」と述べている点を裁判所がうまく利用したと考えている。この文言は訴訟提起を想定した弁護士事務所等による「定型文言」にすぎないが、裁判所はこのことを認識しておらず、かつ国を負かせるわけにいかないので、そのまま文言通りに解釈した結果と考えている。

フロア2:京成が北総に支払う線路使用料は、成田高速鉄道アクセスや成田空港高速鉄道に対する線路使用料と計算の根拠が異なり、やはりおかしいのではないか?
河口弁護士:おっしゃる通りと思う。ただ、鉄道事業法は線路使用条件について金額や計算方法を縛るものとではなく、法律上は違法性を問われないのが現状。

フロア3:東葉高速鉄道が通学定期券を自助努力で値下げするが、このことは裁判所の判断に影響を与えているのだろうか?
河口弁護士:法律は社会正義を実現する手段であるので、裁判所は当然社会の動きを常に気に掛けている。裁判官は当然東葉高速鉄道の動きも見ていると思われる。

フロア4:もしこの裁判が京成成田空港線の運賃認可がなされる前に提起されていたら、結論は変わっていたと考えられるか?
河口弁護士:提訴のタイミングが結論に影響を与えることはないと考えている。

私も「交通権から見た北総線運賃」をテーマとして、少しだけお話しさせていただき、最後に「生活バスちばにう」の若干の説明を行いました。

北総線値下げ裁判原告団は最高裁に上告しました。国は北総線運賃の原告適格については最高裁で争わない姿勢を示したということであり、3審の結論が注目されます。

報告会終了後、白井駅近くの理容店「白井駅前理容店」を訪問させていただきました。



この理容店は、『月刊千葉ニュータウン』の提案で始まった「北総線回数券ばら売りサービス」を一番早くに始めたお店です。取り扱い券種は、昼間券(曜日に関係なく、10時から16時まで利用可)と土・休日券(休日ダイヤの終日利用可)の2種類で、区間は白井~京成高砂間のみです。定価1枚650円のところ、1枚440円で回数券を購入することができます。

こうした意欲あるお店が、「北総線ばら売り回数券サービス」を支えています。北総線利用者にも大変喜ばれているサービスですが、中にはお店に無理難題を言う利用者もいるとのことです。

「北総線回数券ばら売りサービス」は協力店のご厚意(ボランティア)によって提供されていることをきちんと理解し、時間に余裕をもって利用していただくよう切にお願いする次第です。

北総線問題に精力的に取り組まれている千葉ニュータウン住民の皆様に敬意を表し、これからも北総線問題を見つめ続けていきたいと考えております。

ファイナルラン!「ホームライナー鴻巣3号」&「ホームライナー古河3号」

2014-03-15 01:39:49 | 日記
皆様、こんにちは。

2014年3月15日(土)のJRダイヤ改正に伴い廃止された、「ホームライナー鴻巣」と「ホームライナー古河」に乗車しました。

8番線ホームのライナー券売機も3月14日限りで役目を終えます。その脇の行列では、係員が3月17日(月)から運行開始の特急「スワローあかぎ」のポケットティッシュを配っていました。



まず、JR東北本線上野18時43分発「ホームライナー鴻巣3号」鴻巣行き(3973M)4号車に乗車しました。



4号車はグリーン車ですが、「ホームライナー鴻巣」「ホームライナー古河」では普通車扱いとなるため、争奪戦になったものです。



JR大宮支社大宮総合車両センター所属185系200番台OM08編成あまぎ色による運行でした。



同じく最終日の「あけぼの」の陰に隠れて地味な存在ですが、上野駅8番線ホームでは大勢の鉄道ファンがホームライナー鴻巣を見送りました。

乗車率は9割と言ったところで、3割くらいは鉄道ファンが占めているようでした。

浦和、大宮、上尾、桶川、北本と各号車数人ずつの下車があり、鴻巣には19時34分定刻に到着しました。ここまで半数程度の旅客が乗り通しました。



3月17日(月)からは朝夕の通勤・通学時間帯に、「ホームライナー鴻巣」に代わって、全車指定制特急「スワローあかぎ」が運行されます。夜は高崎行きや前橋行きの他に、本庄行きが新たに設けられることになっています。

鴻巣到着後、OM08編成は回送として上野に送り込まれ、上野で車内整備を行った上で、上野21時02分発「ホームライナー古河3号」古河行き(3623M)となります。

私も一旦普通列車で上野駅に戻ると、大変なことになっていました。上野駅は「あけぼの」の最後を見送ろうとする人たちでごった返していたのです。



私の方は、21時02分発「ホームライナー古河3号」古河行き(3623M)1号車で最後のお名残乗車に臨みました。「ホームライナー鴻巣3号」で運用された185系200番台OM08編成あまぎ色です。



私は先頭7号車に乗車しました。

8割5分ほどの乗車率で出発しました。列車は「あけぼの」を先導するかのように、大宮駅まで東北本線を先行します。

車内では、上野駅で買い求めた「あけぼの記念弁当」を噛み締め、心の中で「あけぼの」とお別れしました。



「ホームライナー古河3号」は、浦和、大宮と停車し、大宮で信号待ちのため5分遅れで発車しました。ホームは大勢の鉄道ファンで溢れかえっていて、ロープ規制が実施されていました。「あけぼの」の陰に隠れた地味な通勤列車であるにもかかわらず、本当に多くの鉄道ファンに見送られる様子を見て、この列車が本当に多くの人たちに愛されていたことを再認識した次第です。

次に東大宮に停車します。ここまでで6割以上の旅客が下車してしまいました。



蓮田と久喜でもさらに下車があり、22時10分頃に古河に着きました。古河で降りたのは、鉄道ファンばかりになっていました。



「ホームライナー鴻巣3号」と「ホームライナー古河3号」の両方を乗り比べて分かったことは、前者は終着駅まで一定の需要があるものの、後者の需要の太宗が東大宮までに留まること、そして何より前者よりも乗車率が相対的に低いことです。

東北本線では通勤ライナー特急「ホームタウンとちぎ」および特急「おはようとちぎ」が、2010年12月3日に廃止され、今回の「ホームライナー古河」の廃止に伴い、同線大宮以北から通勤ライナーが消滅することとなりました。

「ホームライナー鴻巣」「ホームライナー古河」が廃止されるのは、わざわざ車両基地から上野まで送り込まれる上、終着駅に着いた後、上野駅まで回送しなければならないという手間がかかる割には、1人当たり500円のライナー料金しか入らないため、JRにとってメリットの少ない列車になってしまっています。普通列車グリーン車であれば、わざわざ「別建て」で運行することもなく、人件費の安いグリーンアテンダントに改札業務を任せればよい上に、50kmまででも750円のグリーン料金が入ります。JRとしては、できるだけ手間がかからず、かつ高額な料金収入が得られる普通列車グリーン車に誘導したいのが本音ではないかと推測します。

いずれにせよ、高崎線には通勤ライナーが特急「スワローあかぎ」として残ります。この列車も乗車開始日に乗って確かめるつもりです。また、このブログでご報告できればと思っています。

※「ホームライナー鴻巣」については、拙著『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)47~48ページをご覧ください。