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(3)猟銃・空気銃の保管の一般準則

2018-10-18 04:03:41 | 猟銃等取扱基本的事項


(3)猟銃・空気銃の保管の一般準則

1)猟銃や空気銃は、狩猟や標的射撃など正当な目的で携帯している時、又はそのために運搬している時以外は、全て保管とみなされる。

2)銃の保管が適切に行われないと、盗難や紛失などにより、その銃が他人の手にわたり犯罪に使用される危険性がある。

3)銃の保管が適切に行われないと、盗難や紛失などにより、その銃を子供等が持ち出して事故になる危険性がある。

4)許可を受けて猟銃や空気銃を所持する者は、その銃を他人に勝手に使用されることがないように適切な保管をしなければならない。

①自宅での保管
1)猟銃や空気銃は、基準にあったガンロッカーに入れ、施錠をして保管しなければならない。

2)猟銃等を保管するガンロッカーの鍵は自分で管理して、自分以外の人が銃を持ち出すことができないようにする必要がある。

3)猟銃や空気銃を保管するためのガンロッカーは、材質、鍵等について一定の基準を満たす必要がある。

4)標的射撃や狩猟等を終了したときは、猟銃や空気銃から実包等を確実に抜いておかなければならない。

5)翌日に狩猟等に行くため銃を持ち出す予定があっても、絶対に実包を装塡したまま保管するようなことがあってはならない。

6)修理等のため銃砲店に銃を預けているときなど特別な場合を除き、許可所持者はその銃の保管について全ての責任を負わなければならない。

7)猟銃や空気銃の所持者は、たとえ家族であっても銃に触れさせることがないよう日頃から注意しておくことが大切である。

8)猟銃や空気銃の所持者で、特に子供のいる家庭では、子供が面白半分に銃を持ち出すことができないよう、確実に銃と鍵を管理する必要がある。

9)長期間自宅を留守にする場合など、銃を自ら保管することが困難な場合は、猟銃等保管業者に銃の保管を委託することが必要である。

10)ガンロッカーは盗難防止のため、押し入れの中など人目に付きにくく、銃の管理がしやすい場所を選んで設置しなければならない。

11)ガンロッカーは、柱や壁に固定して容易にガンロッカーごと銃を盗み出されないようにしなければならない。

12)法の基準に従って保管している銃であっても盗難の被害に遭う危険性がある。

13)盗まれた銃が犯罪等に悪用されないように、先台やボルト等銃の重要部品は、銃とは別の鍵の掛かる設備に保管することが望ましい。

②宿泊施設等に宿泊するときの保管
1)一般に、狩猟等の際に宿泊する場所には、ガンロッカーの設備はないが、自宅で保管する場合に準じて保管する必要がある。

2)宿泊施設で保管する場合、例えば、銃は施錠したケースにいれ、部屋の押し入れ等目立たない場所で保管するなどの配慮が必要である。

③射撃場における保管
1)射撃場で食事をとるときなど射撃以外のときは、銃の保管設備がある場合は銃と重要部品を別々に保管して、確実に保管設備に保管する必要がある。

2)保管設備のない射撃場では、銃を常に自分の身の回りに置いて保管・管理しなければならない。

3)自動車のトランクは、銃を保管するための専用の設備とはいえない。

4)射撃場に射撃に行くときは、射撃をする予定がない不要な銃を自宅等から持ち出さないようにしなければならない。

④保管の委託
1)猟銃等保管業者とは、猟銃等販売事業者、指定射撃場等の設置者等で、公安委員会に届け出て猟銃等の保管を業務とする者をいう。


(2)使用前の注意事項

2018-10-18 03:59:15 | 猟銃等取扱基本的事項
(2)使用前の注意事項

①銃の選定

1)銃は、使用する人の技量、体力及び使用する実包との組み合わせ等を考え、最適なものを選定しなければならない。

2)猟銃や空気銃の所持許可を受ける前に、練習射撃場に備え付けてある種々の形式の猟銃や空気銃で射撃を行うことができる。

3)最初に銃を選定する場合には、信頼できる銃砲店や射撃指導員等の意見を参考として選定すると失敗が尐ない。

②銃の機能の安全点検の励行
1)銃身に亀裂が入っていたり、ゆがんだ銃で射撃をすると、重大な事故を引き起こすことがある。

2)薬室の閉鎖が不完全な銃で射撃をすると、重大な事故を引き起こすことがある。

3)木の葉、雪などの異物が銃腔内に詰まったまま射撃をすると銃身破裂の原因となることがある。

4)銃口を明るい方向に向けて薬室側から銃身をのぞくと、異物があるかどうか確認することができる。

5)銃口を明るい方向へ向けて薬室側から銃身をのぞくと、銃腔内に映る銃口の影が同心円になっているかどうかで銃身の変形を確認することができる。

6)自動銃の場合、銃身部に異常を認めた場合は、銃身を取り外して確認する必要がある。

7)安全装置の確認を行うときは、最初に実包が装塡されていないことを確認した上で、行わなければならない。

8)安全装置の確認事項は、安全子がスムーズに 操作できるか、ゆるみがないか、確実に引き金を作動しないようにできるかなどである。

9)引き金が極端に重すぎると引き金を引くタイミングを失うことになる。

10)引き金の遊び及び引きしろは、暴発や、命中、失中に関係する。

11)引き金の重さや、遊びに異常を感じたときは、直ちに、専門の技術者に調整してもらうことが必要である。

12)先台が確実に装着されていなかったり、ゆるみがあると、銃を発射したときに先台が外れ、事故の発生につながる。

13)先台を装着したときは、てのひらで先台の下部を軽くたたいて、確実に装着されているかを確認しなければならない。

14)銃身部や機関部等の接合部分にゆるみがある銃を発射すると、銃が分解することがあり非常に危険である。

15)銃を組み立てたときは、銃を垂直にして銃床部の下を支えて軽く揺するなどして接合部分のゆるみの有無を確認する必要がある。



3 猟銃・空気銃の使用、保管等についての準則 (1)猟銃・空気銃の基本的取扱い

2018-10-18 03:56:10 | 猟銃等取扱基本的事項


3 猟銃・空気銃の使用、保管等についての準則
(1)猟銃・空気銃の基本的取扱い
①銃口の向き
1)銃口は、絶対に人のいる方向に向けてはいけない。

2)たとえ、分解して銃身だけとなっているときでも銃口は、人のいる方向に向けてはならない。

3)銃口が人のいる方向に向いていなければ、猟銃や空気銃の事故のほとんどは防止することができる。

4)射撃場でどうしても銃を肩に掛ける必要があるときは、人のいる方向に銃口を向けないよう細心の注意を払わなければならない。

5)銃を水平に保ったまま持つなど不用意に人のいる方向に銃口が向く可能性がある取扱いをしてはならない。

6)銃を持つときは、銃口が不用意に人のいる方向に向かないように気をつけて取り扱わなければならない。



②引き金を引く指の位置
1)射撃するとき以外は、用心金の中に指を入れてはならない。

2)射撃するとき以外に用心金の中に指をいれておくと、気付かないうちに引き金を引いてしまい暴発事故を起こす場合がある。

3)猟銃や空気銃の点検で空撃ちを行うときなどの特別の場合には、用心金の中に指を入れても構わない。

4)狩猟や有害鳥獣駆除においては、獲物が確実に確認できた場合のほか、用心金の中に指を入れてはならない。

5)標的射撃においては、射撃方向に向かって射撃準備が完了した場合のほか、用心金の中に指を入れてはならない。

③弾丸の装塡の有無の確認及び脱包
1)銃を手にしたときや銃を発射する必要がなくなったときは、薬室に弾丸が装塡されていないことを必ず確認しなければならない。

2)猟銃や空気銃を持って移動するときや、銃を手から離しておく場合は、機関部を開放するとともに、必ず脱包しなければならない。

④銃を置く場所
1)猟銃や空気銃を手から離すときは、銃が倒れない安定した場所に置かなければならない。

⑤実包の装塡
1)暴発の多くは、移動中など発射が必要と認められない場合に発生している。

2)発射をするとき以外は銃に弾丸を装塡してはならない。

3)射撃場では、射台に立ち発射してもよい合図があった後など発射の準備ができたとき以外は銃に弾丸を装 塡してはならない。

4)狩猟等では、明らかに獲物がいる兆候が認められたときなど、発射の準備ができたとき以外は、銃に弾丸を装 塡してはならない。

5)猟銃や空気銃に装塡する実包等は、射撃の状況を考え、必要最小限の個数を装塡するようにとどめなければならない。
6)狩猟に自動銃を使用する場合であっても、猟場の状況を勘案して必要最低限の装塡にとどめるべきである。

7)狩猟等の場合は、捕獲しようとする獲物に適した実包を使用することが大切である。

⑥実包の装塡方法及び銃の保持
1)射撃場で実包を装塡する場合、元折式散弾銃は銃口が水平方向より上方を向くように先台を持ち上げて薬室を閉鎖すること。

2)射撃場で実包を装填する場合、自動式散弾銃は銃口を上方に向けたまま装填すること。

3)実包を装塡した後は、必ず開閉レバーの位置などにより薬室が完全に閉鎖されているかを確認しなければならない。

4)実包を装塡するときは、実包を装塡することだけでなく、銃口が向いている方向も常に注意しなければならない。

5)狩猟や有害鳥獣駆除のときには、銃口を柔らかい地面など跳弾が発生しにくい方向に向けた状態で実包を装塡しなければならない。

6)実包を装塡した後は、銃口を上方又は射撃方向等万が一暴発しても安全な方向に向けて保持すること。

7)銃を保持するときは、誤って取り落とすことがないように確実に保持しなければならない。

⑦猟銃・空気銃の発射
1)射撃場では、射撃場の管理者等が射撃開始の合図をしたとき以外は、銃を発射してはならない。

2)狩猟等で、獲物の確認に少しでも不安があるときは、銃を発射してはならない。

3)狩猟等で、獲物以外の動物や人に当たる可能性があるときは、銃を発射してはならない。

4)狩猟等で、発射する方向に人家や道路などがあるときは、銃を発射してはならない。

⑧発射時の周囲の安全確認
1)射撃場や猟場を問わず、猟銃や空気銃を発射するときは事前に周囲の安全を十分に確認しなければならない。

2)射撃場であっても、周囲の安全を十分に確認した後でなければ発射してはならない。

3)猟銃や空気銃による射撃を行う前に、銃を安全に発射できる発射方向の範囲を事前に確認しておく必要がある。

4)猟場には、自分だけでなく、仕事やレジャーなどいろいろな目的を持った人がいる。

5)散弾銃を発射した場合、獲物に命中する一部の散弾以外の殆どが流れ弾となる。

6)狩猟や有害鳥獣駆除における人身事故では、いわゆる「矢先」と呼ばれる発射方向の安全確認不足が大きな原因となっている。

7)有害鳥獣駆除のために獲物を捕獲する場合であっても、銃による事故を防止することを優先しなければならない。

8)散弾の散布範囲は広範囲であるため、発射前の安全確認はできるだけ
広い範囲の確認を行うことが必要である。

⑨水平撃ち等の抑制
1)平地で、猟銃や空気銃を水平にして発射すると、やぶ陰などで見えない場所にいる人を直撃して事故につながることがある。

2)山の射面に沿って撃ち上げたり、逆に撃ち下ろしたりする場合は、死角となっている場所にいる人を直撃して事故につながることがある。

3)バックストップ等がなく矢先の安全が確認できない状態での水平撃ちは避ける必要がある。

⑩跳弾がでるものに向けての発射禁止
1)射撃場において、銃口を地面に向けて発射すると、コンクリートの工作物等により跳弾が発生する。

2)猟場で竹やぶや石垣等に向けて発射すると、跳弾が発生して危険である。

3)水面に向けて射撃をした場合も跳弾となる場合がある。

4)跳弾は飛んでいく方向が予想できず、事故が発生する原因となる。

⑪不発の場合の措置
1)引き金を引いて撃鉄が落ちてもすぐに弾丸が発射されず、やや時間をおいてから発射されることを遅発という。

2)遅発のときは、10 秒程度そのままの姿勢で銃口を安全な方向に向けたまま、銃を確実に保持し、その後、不発と判断して機関部を開放する。

3)弾丸が不発であった場合でも、火薬類には変わりがないため適切に措置しなければならない。

⑫疲労時における狩猟の中止
1)疲れてくると、注意力が散漫になり、各種の事故を引き起こしやすくなる。

2)事故防止のためには、疲れを感じたら狩猟を中止し、疲労を回復してから狩猟を再開するような配慮が必要である。

⑬銃の目的外使用の禁止
1)猟銃や空気銃を、射撃をする目的以外の道具として使用することは、暴発事故や銃の故障を引き起こす原因となるため、絶対にしてはならない。

2)猟場等で足場が悪かったとしても、銃を杖がわりに 使用してはならない。

⑭その他
1)射撃に関するルールやマナーが分からないときは、射撃指導員等に質問して、正しいルールやマナーを身に付けなければならない。

2)射撃に関するルール違反やマナー違反で注意を受けたときは素直に従わなければならない。

3)自分自身や友人が猟銃や空気銃を扱うときに誤った取扱いをしないように、お互い注意し合わなければならない。

4)銃の薬室や弾倉が空だと分かっていたとしても、実包が装塡してあるものと仮定して適切に取り扱う必要がある。

5)機会あるごとに、銃の薬室及び弾倉内の実包装 塡の有無を確認することが暴発事故を防止する効果的な方法である。

6)こまめに脱包することが暴発事故を防止する効果的な方法である。

7)銃を発射した結果、思いもよらない方向にいた人に当たって怪我を負わせた場合の責任は、全て発射した人の責任である。



(3)銃の威力と危険範囲

2018-10-18 03:46:38 | 猟銃等取扱基本的事項


(3)銃の威力と危険範囲

①銃の口径
1)銃の威力は口径の大小と 必ずしも比例するものではなく、自分の所持する銃の威力を知ることは事故防止上大切である。

2)散弾銃の口径は、通常 12 番、20 番というような表示方法が使用される。

3)散弾銃の番径の数字は、その口径の長さを直接示しているわけではなく、一種の重量表示法である。

4)散弾は号数によって粒の大きさが決められている。

5)ライフル銃の口径表示には、様々な種類があるので、自分が所持しているライフル銃に使用できる実包について確認する必要がある。

6)空気銃の口径は、4.5 ミリメートルと 5.5 ミリメートルのものが一般的である。

7)空気銃の標的射撃をする場合、競技規則で使用できる口径は 4.5 ミリメートルと定められている。

②弾丸の最大到達距離等
1)猟銃や空気銃を所持した場合には、使用する前に、弾丸の威力や、弾丸がどのくらい飛ぶかを理解しておく必要がある。

2)自分が所持する猟銃等の威力や最大到達距離を知ることは、銃所持者の責任である。

3)ライフル銃には、指先ほどの弾丸で巨大なゾウを倒すことができる威力を持つものもある。

4)散弾銃は、一粒一粒の散弾はライフル銃よりも威力が弱いものの、散弾が広範囲に広がるといった特徴がある。

5)空気銃も人を傷つけるおそれのある銃であるため、その所持者は、空気銃の威力を正しく把握しておく必要がある。

6)銃の威力を過小評価することは絶対にあってはならない。

7)発射される弾丸によって人や動物などを傷つけるおそれがある場合には、これを危険範囲としなければならない。

8)発射された弾丸の飛翔距離は、追い風等の状況により通常よりもさらに遠くまで飛ぶ場合がある。

9)散弾銃の散弾の最大到達距離は、約 515 メートルとされている。

10)散弾銃でライフルドスラッグと呼ばれるものを使用した場合には、最大到達距離が約 700 メートルに及ぶものもある。

11)ライフル銃により発射された弾丸には、最大到達距離が約 4,000 メートルに及ぶものもある。

12)散弾銃の最大到達距離は、銃の番径ではなく、使用される散弾の号数によって決まる。

13)ライフル銃の最大到達距離は、主として使用される実包の種類によって決まる。

14)ライフル銃は、数千メートルの射程が あり、国内ではこのような遠距離まで人や動物が全くいない地形は少ない。

15)ライフル銃を使用するときは、危害防止のため、バック・ストップ等を利用して、弾丸が必要以上に遠くまで飛ばないようにしなければならない。

16)大気中では、発射角度が 30 度のときに最大射程となることなど、猟銃や空気銃の所持者は、どのような場合に最も遠くまで弾が飛ぶかを知っておく必要がある。

17)猟銃や空気銃の所持者は、有効射程内はもちろんのこと、最大到達距離までの範囲は危険距離であることを認識しなければならない。




(2)撃発機構及び安全装置

2018-10-18 03:43:29 | 猟銃等取扱基本的事項


(2)撃発機構及び安全装置
①撃発機構のしくみ
1)自分が所持する猟銃や空気銃の撃発機構及び安全装置の構造を知ることは、危害予防上重要である。

2)自分が所持する銃のくせを把握することが事故を防止することにつながる。

3)自分が所持する銃の不良箇所を見つけた場合には、銃砲店で修理してもらうなどして、常に万全の状態を維持する必要がある。

4)猟銃の撃発機構とは、実包を発射するために必要な引き金、 逆鉤、撃鉄、撃針からなる機構である。

5)猟銃の撃発機構で、「引き金」とは、射手の意思により 逆鉤を作動させるものをいう。

6)猟銃の撃発機構で、「逆鉤(シアー)」とは、撃鉄を拘束又は開放する役目をするものをいう。

7)猟銃の撃発機構で、「撃鉄(ハンマー)」とは、 逆鉤の開放により撃針を打撃するものをいう。

8)猟銃の撃発機構で、「撃針」とは、撃鉄の打撃を受けて雷管を打撃し、起爆させるものをいう。

9)安全子を引いた状態では引き金を引いても撃発機構は作用しないが、振動を与えれば 逆鉤は外れる。

②引き金の重さ
1)引き金の重さを必要以上に軽くすると、衝撃などのわずかな力で暴発しやすくなり危険である。

2)猟銃や空気銃の引き金の重さは、射撃用は 1.5 ㎏以上、狩猟用は2㎏以上が安全の目安とされている。

③引き金の遊び
1)引き金の遊びは、暴発を防ぐ重要な役目がある。

2)引き金の遊びが小さすぎると暴発を起こしやすくなって危険である。
3)引き金の「遊び」とは、引き金を引き始めたときに感じる動きが軽い範囲のことをいう。

④次射不能と二つの原因
1)二発目が発射できない次射不能と呼ばれる状態の原因には、肩付けが悪いことによる場合と、引き金を引く指の戻しが不十分な場合とがある。

2)引き金を引いた指の戻しが尐ないことが原因で次射不能となった場合には、指を戻して再度引き金を引けば発射できるため、思わぬ暴発事故となる可能性がある。

3)次射不能となった際には、指の戻しが不足していた場合を考慮して、慎重に取り扱うこと。

⑤薬室の閉鎖
1)実包等を装塡する薬室の閉鎖が不完全なまま射撃をすると、火薬の燃焼ガスが隙間から噴出して思わぬ怪我をする場合がある。

2)射撃をするため実包を装 塡した時は、薬室が完全に閉鎖されているか
どうかを開閉レバーにより確認すること。

⑥安全装置
1)猟銃の安全装置は、引き金の動きを止める作用しかない。

2)猟銃の安全装置は、振動、衝撃による暴発を防ぐ機構とはなっていない。



2 銃の種類等

2018-10-18 03:38:55 | 猟銃等取扱基本的事項
2 銃の種類等
(1)銃の種類等
①猟銃・空気銃
1)猟銃とは、弾丸を発射するエネルギー源として火薬を使用し、狩猟や有害鳥獣駆除、又は標的射撃に用いられる銃である。

2)猟銃とは、ライフル銃や散弾銃等の装薬銃をいう。

3)空気銃とは、圧縮された空気やガスの力を利用して金属性弾丸を発射する銃である。

4)飛んでいる鳥などの急速に移動する標的を撃つには、散弾を発射する散弾銃が適している。
5)ライフル銃は、一つの弾丸を正確に照準点に命中させるための銃である。

②猟銃の機構による分類
1)元折単身銃は、銃身後端と機関部との結合部付近で折れる構造の銃である。

2)水平二連銃は、銃身が2本横に並べられている構造の銃である。

3)上下二連銃は、銃身が2本縦に並べられている構造の銃である。

4)ボルト・アクション銃は、ボルト( 槓 桿)式の銃であり、ライフル銃に多い。

5)自動装塡式銃は、発射の際に生じる火薬のガス圧や反動を利用して、排きょうと次弾の装 塡が自動的に行われる連発銃である。

6)スライド・アクション銃は、排きょうや装 塡といった連発に必要な操作を先台を握る手で行う銃で、散弾銃に多い。

7)レバー・アクション銃は、通常、引き金を囲む用心金を兼ねているレ
バーを作動させて、排きょうや装塡を行う銃である。

③空気銃の機構による分類
1)空気銃は、銃腔内にライフリングを持ち、狩猟、標的射撃競技に広く使用されている。

2)スプリング式空気銃は、内蔵されたスプリングの力で空気を圧縮し、その圧力で弾丸を発射する構造の銃である。

3)ポンプ式空気銃は、銃のポンプを手動させることで蓄圧室に高圧空気が蓄えられ、その圧力で弾丸を発射する構造の銃である。

4)圧縮ガス式空気銃は、発射のエネルギー源に小型ボンベに入った圧縮炭酸ガスを利用する構造の銃である。

5)プリチャージ式空気銃は、発射のエネルギー源に小型ボンベに充填された高圧に圧縮された空気を利用する構造の銃である。



第2 猟銃及び空気銃の使用等の取扱い 社会的責任を果たすために

2018-10-18 03:31:13 | 猟銃等取扱基本的事項
第2 猟銃及び空気銃の使用等の取扱い

社会的責任を果たすために
1)猟銃や空気銃を所持する人は、所持する銃につ いて絶対に事故を起こさないよう、適性な取扱いと厳正な管理が求められる。

2)猟銃や空気銃を所持する人は、その銃や実包等が盗まれ、犯罪に使われたりしないよう、厳正な管理をした上で、正しく取り扱わなければならない。

3)猟銃や空気銃による事故を防止するためには、銃の構造や安全装置に関する基本的な知識を習得する必要がある。

4)猟銃による事故を防止するためには、銃の構造等の知識に加え、使用する実包等火薬類に関する基本的な知識を習得する必要がある。

5)猟銃や空気銃による事故を防止するためには、発射された弾丸の飛ぶ距離や威力など基本的な知識を身につけることが大切である。


6)猟銃や空気銃を所持する人は、銃砲刀剣類所持等取締法など関連する法律の知識を身につけることが必要である。

7)猟銃や空気銃の所持者は、射撃に関する正しいルールやマナーを身につけることが大切である。

8)狩猟や有害鳥獣駆除のために猟銃や空気銃を所持する人は、猟場の地形等の情報、獲物の特性等の知識を身につけることが大切である。

9)猟銃や空気銃を所持する人は、銃を取り扱うときだけではなく、 日常生活のあらゆる場面で細心の注意を払う習慣を身につけることで、事故を未然に防ぐことができる。

10)猟銃や空気銃による事故を防ぐためには、自制心を養うことが必要である。

11)何らかの異常を感じたときは、直ちに射撃することをやめ、銃を肩からおろし、機関部を開放すること。

12)徹底した操作の練習を行い、心に余裕をもって銃を取り扱えるようになることが大切である。

13)火薬類については、長期間の保存による変質等を考慮して、できる限り早めに消費するように努めなければならない。



3) 猟銃用火薬類等に関する法令 4) 狩猟に関する法令

2018-10-17 07:06:45 | 猟銃等取扱基本的事項

3 猟銃用火薬類等に関する法令
①猟銃用火薬類等の特則
1)火薬類に関する許可は原則都道府県知事が行うが、猟銃用火薬類等の譲受け、譲渡し等についての許可は都道府県公安委員会が行う。

②猟銃用火薬類等の譲受け、譲渡し関係
1)猟銃用火薬類等の譲受けの許可は、住所地を管轄する警察署に申請する。

2)猟銃用火薬類等の譲受許可申請の際には、猟銃の所持許可証や狩猟者登録証、鳥獣捕獲の許可証等を提示する。

3)譲り受ける実包又は空包は、自分で所持している銃砲に適合するものでなければならない。

4)猟銃用火薬類等の譲受許可証の有効期間は、1年以内で都道府県公安委員会が必要と認める期間に限られる。

5)猟銃用火薬類等の譲受けの許可は、譲受けの目的が明らかでない場合は、許可されない。

6)猟銃用火薬類等の譲受けの許可は、許可後であっても公共の安全に支障が認められる場合には、許可が取り消される。

7)猟銃用火薬類等を譲り受ける場合には、相手方に譲受許可証を示し、許可証に譲渡年月日や譲渡数量の記載を受ける。

8)自宅で保管できる実包や空包は 800 個以内である。

9)猟銃用火薬類等を譲り受けるときには、自宅で保管できる範囲内で必要最小限の数量を譲り受けなければならない。

10)猟銃用火薬類等を譲り受ける場合には、盗難等のおそれを考慮し、必要最小限の数量を譲り受け、自宅保管しなくてもよいように配意する必要がある。

11)猟銃用火薬類等の譲受許可証に記載されている住所、職業 、氏名に変更があった場合、その書換えを受けなければならない。

12)猟銃用火薬類等の譲受許可を受けた数量の全部を譲り受けたときには、速やかに譲受許可証を警察署に返納しなければならない。

13)猟銃用火薬類等の譲受許可の有効期間が満了したときには、速やかに譲受許可証を警察署に返納しなければならない。

14)所持許可を受けている全ての猟銃を廃棄したときに火薬類の譲受許可証がある場合は、速やかにを警察署に返納しなければならない。

15)猟銃用火薬類無許可譲受票は、原則として都道府県 猟友会やその支部が交付している。

16)猟銃用火薬類無許可譲受票を提示することにより、狩猟期間又は鳥獣捕獲許可の期間内に一定数量の猟銃用火薬類を無許可で譲り受けることができる。

17)猟銃用火薬類無許可譲受票は、「特別な事情のある者」に限り、例外的に警察署長も交付している。

18)猟銃用火薬類無許可譲受票は、一狩猟期間又は鳥獣捕獲許可の有効期間につき1枚しか交付を受けられない。

19)猟銃用火薬類無許可譲受票は紛失しても再交付されないので、紛失後に猟銃用火薬類を譲り受ける場合は、都道府県公安委員会の譲受許可を受けなければならない。

20)猟銃用火薬類無許可譲受票で猟銃用火薬類等を火薬店から譲り受ける場合、譲受票に譲り受けた年月日や数量等の記載を受けなければならない。

21)猟銃用火薬類無許可譲受票は、狩猟期間又は鳥獣捕獲の許可有効期間の満了後 30 日以内に、交付を受けた猟友会支部等で返納又は抹消の手続をとらなければならない。

③輸入
1)実包を輸入する際の許可申請は、陸揚地又は着陸する空港を管轄する警察署に対して行う。

2)許可を受けた後に輸入しようとする火薬類の種類や数量を変更する場合は、新たに許可を受ける必要がある。

3)許可を受けた後に実包を輸入する目的を変更する場合は、新たに許可を受ける必要がある。

4)実包を輸入する場合の陸揚予定地を変更する場合は、新たに許可を受ける必要がある。

5)火薬類を輸入したときは、許可申請をした警察署に輸入届を提出しなければならない。

6)海外へ狩猟に行き、残弾を持ち帰る行為は輸入となり、許可が必要となる。

④所持及び貯蔵
1)猟銃用火薬類等は、譲受けの許可を受 けた者が譲り受けて所持するとき等、法律で定められた一定の場合を除き、所持できない。

2)狩猟者登録又は鳥獣捕獲の許可を受けた者は、猟銃用火薬類等を無許可譲受数量の範囲内で譲り受けて所持することができる。

3)火薬類を消費する必要がなくなったなどにより、残火薬を譲渡又は廃棄しなければならない場合に、その措置をするまでの間は、火薬類を所持することができる。

4)法律で定められた一定の場合以外に猟銃用火薬類等を所持した者は、処罰される場合がある。

5)実包又は空包については、合計 800 個以内であれば、自宅の堅固で施錠できる設備に保管することができる。

6)自動車のトランクに、猟銃用火薬類等を保管してはならない。

7)猟銃用火薬類等を、堅固で施錠できる設備以外の設備に保管、貯蔵した者は、処罰される場合がある。

⑤製造
1)猟銃所持者は、法律等で定められた範囲内で猟銃用火薬類等を無許可で製造(セルフローディング)することができる。

2)狩猟者登録又は鳥獣捕獲の許可を受けた者は、1日に実包と空包の合計 100 個以下を無許可で製造することができる。

3)標的射撃をする者は、1日に実包と空包の合計 100 個以下を無許可で製造することができる。

⑥運搬
1)狩猟や標的射撃のため、実包を携帯運搬する場合には、盗難及び紛失に注意しなければならない。

2)列車、バス等の公共の乗り物を利用するなどして猟銃用火薬類等を運搬する場合には、持ち込むことができる数量がそれぞれ定められている。

3)船舶により猟銃用火薬類等を運搬する場合には、船舶に持ち込む前に船長の許可が必要である。

4)旅客機を利用して猟銃用火薬類等を運搬する場合には 、厳しい規制があるので事前に航空会社に相談をする必要がある。

5)郵便で猟銃用火薬類を運搬することは全面的に禁止されている。

6)猟銃用火薬類等を運搬する場合には、他の物と区別し、火薬類の種類を明示しなければならない。

⑦消費
1)猟銃用火薬類等の消費は、原則として公安委員会の許可が必要である。

2)狩猟者登録を受けた者等が鳥獣の捕獲等のために、1日に実包と空包の合計 100 個以下の猟銃等火薬類等を消費する場合は、許可を要さない。

3)標的射撃のために、1日に実包と空包の合計 400 個以下の猟銃用火薬類等を消費する場合には、許可を要さない。

4)公安委員会の許可を受けずに猟銃用火薬類等を消費した者は、処罰される場合がある。
5)猟銃用火薬類等の消費の許可を受ける場合には、消費地を管轄する警察署に申請書を提出する必要がある。

⑧残火薬類の措置
1)火薬類は危険なものであるので、不要となった場合は遅滞なく譲渡又は廃棄しなければならない。

2)不要となった火薬類は、火薬販売店に廃棄を依頼するなど、一定の手続に従って譲渡又は廃棄をしなけれ ばならない。

⑨事故届
1)所有する猟銃用火薬類や猟銃用火薬類等譲受許可証・譲渡許可証等を紛失したり盗まれたりした場合には、遅滞なく警察に届け出なければならない。

4 狩猟に関する法令
1)鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の規定に違反した銃猟は、同法違反だけでなく、銃砲刀剣類所持等取締法の発射制限違反にもなり、同法上の処罰や行政処分の対象となる。


6)猟銃・空気銃の所持についての遵守事項

2018-10-17 06:38:41 | 猟銃等取扱基本的事項

6)猟銃・空気銃の所持についての遵守事項
①携帯、運搬、発射の制限等
1)猟銃や空気銃は、所持許可証に記載された用途に使用する場合や修理のためなどの正当な理由がある場合でなければ携帯、運搬できない。

2)狩猟の用途のために所持許可を受けた銃を違法な狩猟をするために携帯することはできない。

3)正当な理由なく銃を携帯、運搬した者は、罰金に処せられる場合がある。

4)銃を携帯、運搬する場合は、銃に覆いをかぶせるか容器に入れなければならない。

5)狩猟中であっても、明らかに銃を発射する必要がないときには実包を装塡してはならない。

6)射撃する場合以外に銃に実包を装塡していた者は、罰金に処せられる場合がある。

7)狩猟期間外や鳥獣捕獲禁止場所において銃による狩猟を行うと、違法な発射となる。

8)事業被害防止目的でライフル銃の所持許可を受けた人は、被害防止のために獣類を捕獲する場合以外、例えば狩猟の目的でライフル銃を発射してはならない。

9)猟銃や空気銃の所持許可を受けた者は、指定射撃場において射撃を行うことができる。

10)所持許可を受けた後に用途を変更、追加 するときには、許可証を書き換える必要がある。

11)猟銃や空気銃の発射制限に違反した者は、罰金に処せられる場合がある。

12)銃を発射する場合には、あらかじめ周囲を確認するなどして、人の生命、身体又は財産に危害を及ぼさないように注意しなければならない。

13)射撃時にあらかじめ周囲を確認するなどの危害防止の注意を行わなかった場合、実害が発生しなかったとしても違反となる。

②射撃技能の維持向上努力義務
1)猟銃の所持者は、猟銃による危害の発生を予防するため、猟銃の操作及び射撃に関する技能を維持向上させるよう努めなければならない。

2)狩猟のため猟銃の所持許可を受けた人は、狩猟期間ごとに、初めてその猟銃を用いて狩猟を行う前に、射撃の練習を行うように努めなければならない。

3)複数の猟銃を使用して狩猟を行う人は、それぞれの銃について狩猟期間ごとに射撃の練習を行うように努めなければならない。

4)射撃技能の維持向上の努力義務に違反した人は、都道府県公安委員会から指示処分を受けることがある。

③構造・機能の基準維持義務
1)猟銃や空気銃の所持者は、銃を法定の基準に適合するよう維持しなければならない。

2)猟銃や空気銃の所持者は、銃を改造して、法定の基準に適合しない銃にしてはならない。

3)許可を受けた銃に消音装置を取り付けてはならない。

4)許可を受けた散弾銃の弾倉を3発以上装塡できるものに変更した場合、構造・機能の基準維持義務違反となる。

5)故障した銃をそのまま放置していた場合、構造・機能の基準維持義務違反となる。

6)銃の構造・機能の基準維持義務に違反した場合、所持許可を取り消されることがある

7)銃を改造し、口径を大きくした場合には、許可を受けた銃と同じ銃とは認められず、その時点で許可が失効し、不法所持となる。

8)銃を改造し、銃身を極端に短くした場合には、許可を受けた銃と同じ銃とは認められず、その時点で許可が失効し、不法所持となる。

④保管義務等
1)猟銃や空気銃の所持者は、原則として許可を受けた銃を自ら保管しなければならない

2)銃を自ら保管する場合は、自分以外の者に所持させることのないようにしなければならない。

3)ガンロッカーの鍵を他人に預けている場合には、自ら保管しているとはいえない。

4)居宅内であっても、銃を壁に立てかけておくなど、家族等が自由に持ち出せる状態にしている場合には、自ら保管しているとはいえない。

5)猟銃等保管業者に銃の保管を委託した場合、自ら保管する義務が免除される。

6)修理等のため猟銃等販売事業者に銃を預けている場合には、自ら保管する義務が免除される。

7)猟銃等を自ら保管する義務に違反した者は、罰金に処せられる場合がある。

8)長期入院する場合や長期間旅行する場合などには、猟銃等保管業者に銃の保管を委託することが望ましい。

9)住居の建て替えなどで保管上問題がある場合には、猟銃等保管業者に銃の保管を委託することが望ましい。

10)賃貸住宅に住んでいて、保管設備を設置することができない場合には、猟銃等保管業者に銃の保管を委託することも可能である。

11)仕事帰りに射撃をするが、自宅まで銃を取りに行くのが不便な場合には、猟銃等保管業者に銃の保管を委託することも可能である。

12)空気銃の許可を受けた 18 歳未満の人は、原則として空気銃の保管を委託しなければならない。

13)銃を保管する設備は、金属製ロッカー等堅固な設備でなければならない。

14)銃を保管する設備には、確実に施錠できる錠を備えている必要がある。

15)銃を保管する設備は、外から容易に見えないなど、管理上支障のない場所にある必要がある。

16)銃を保管する設備は、建物に固定するなど容易に持ち運びできないものである必要がある。

17)銃は、一定の基準を満たした保管設備に、確実に施錠して保管しなければならない。

18)銃の所持者は、保管設備を点検し、法定の基準に適合するように維持する必要がある。

19)狩猟や射撃大会のため、保管設備のない場所に宿泊する場合であっても、所持者が盗難や事故を防ぐための措置をとることが必要である。

20)銃を法定の基準に適合した保管設備に保管しなかった場合、罰金に処せられる場合がある。

21)銃とその銃に適合する実包等は同一の建物内に保管しないように努めなければならない。

22)実包等は必要がある時に必要な分だけ譲り受け、残弾が発生したときは、火薬店等に保管の委託をすることが望ましい。

23)自宅に倉庫や納屋があっても、盗難や防火上の問題がある場合には、これらの場所で実包等を保管すべきではない。

24)銃と適合実包を同一の建物内で保管した場合、指示処分の対象となることがある。

25)自宅付近で有害鳥獣が頻繁に出没しているようなやむを得ない状況においては、銃とその適合実包等を同一の建物内に保管することが認められる。

26)銃と適合実包等を同一建物内に保管する場合であっても、ガンロッカーと装弾ロッカーは別に設けることが必要である。

27)施錠できる引き出しのあるガンロッカーに銃を保管し、引き出しに実包を保管する場合も、銃と実包を共に保管したこととなり、違反となる。

28)銃とその銃に適合する実包を共に保管した者は、罰金に処せられる場合がある。

29)都道府県公安委員会から銃や実包等の保管状況について報告を求められた場合、速やかに応じる義務がある。

⑤帳簿の備付け義務
1)猟銃の所持許可を受けた者は、実包の管理状況を記録する帳簿を備えておかなければならない。

2)実包を譲り渡したり譲り受けたりしたときのみならず、消費したときや廃棄したときも、帳簿に記載しなければならない。

3)実包を製造したときは、帳簿に記載しなければならない。

4)実包を譲り渡したり譲り受けたりした場合、その種類や数量、年月日、相手方の住所や氏名を帳簿に記載しなければならない。
5)実包を消費した場合、その種類や数量、消費した年月日、消費した場所を帳簿に記載しなければならない。

6)実包の管理状況を記載する帳簿は、最終の記載をした日から3年間保存しておかなければならない。

7)実包の管理状況を記載する帳簿を備えつけていなかったり、帳簿に記載しなかった場合、処罰される場合がある。

8)実包の管理状況を記載する帳簿に虚偽の記載をした場合、処罰される場合がある。

9)実包の管理状況を記載する帳簿を3年間保存しなかった場合、処罰される場合がある。

10)実包の管理状況を記載する帳簿には、ライフル銃については、実包の名称を記載する必要がある。

11)実包の管理状況を記載する帳簿には、ライフル銃以外の猟銃については、実包の番径を記載する必要がある。

12)実包の管理状況を記載する帳簿には、実包を消費した場所については、標的射撃の場合は射撃場の所在地と射撃場の名前を記載する必要がある。

13)実包の管理状況を記載する帳簿には、実包を消費した場所については、狩猟の場合は狩猟を行った山野等に隣接する村落名等かメッシュ番号を記載する必要がある。

14)射撃場で実包を消費したときは、帳簿に射撃場のレシートや射票等の消費した実包の数量を疎明する書面を添付しなければならない。

15)射撃場のレシートや射票等帳簿の添付書類は、帳簿とともに保管しておく必要がある。

16)実包の管理状況を記載する帳簿の添付書類は、検査の際に、直ちに示
せるようにしておく必要がある。

⑥報告徴収、立入検査
1)都道府県公安委員会は、猟銃や空気銃、実包等を保管している者に対し、保管の状況について必要な報告を求めることができる。

2)盗難の防止等のため、猟銃や実包の保管状況を調査する必要があるときは、警察職員はその保管場所に立ち入ることができる。

3)立入りを行う警察職員は、保管設備や帳簿を検査し、関係者に質問することができる。

4)警察職員の検査を正当な理由なく拒んだ者は、罰金に処せられる場合がある。

⑦報告徴収等・公務所等への照会
1)都道府県公安委員会が必要と認めたときは、所持許可を受けた者に対し、住居を示す書類の提出など必要な報告を求めることができる。


2)都道府県公安委員会が必要と認めたときは、所持許可を受けた者に対し、指定する医師の診断を受けることを命ずることができる。

⑧調査を行う間における銃砲の保管
1)都道府県公安委員会は、所持許可を受けた者が粗暴な言動をとるなどして、欠格事由に該当する疑いがあると認めた場合、 必要な調査を行う間、当該所持許可を受けた者に対し銃を提出させ、保管することができる。

2)都道府県公安委員会は、欠格要件について必要な調査を行うまでの最大 30 日間、所持許可者から提出させた銃を保管できる。

⑨消音器等の所持の制限
1)猟銃又は空気銃の所持者は、銃に取り付けて使用できる消音器を所持してはならない。

2)猟銃又は空気銃の所持者は、実包又は金属性弾丸が6発以上(散弾銃は3発以上)装塡できる着脱式の弾倉を所持してはならない。

3)猟銃又は空気銃の所持者は、一定の長さ以下の替え銃身を所持してはならない。

⑩譲渡等の制限
1)猟銃又は空気銃の所持者は、相手方がこれを適法に所持できる者であることを確認した場合でなければ、譲り渡したり貸し付けたりしてはならない。

2)猟銃又は空気銃の所持許可を受けた者が有償、無償を問わず猟銃・空気銃を譲り渡した場合、その許可は失効する。

3)銃砲店に猟銃又は空気銃を譲り渡す際、他に猟銃等の所持許可を受けていない場合には許可証は猟銃等とともに銃砲店に引き渡さなければならない。

4)銃を譲り渡す際、許可証 に失効していないほかの銃に関する事項が記載されている場合には、速やかに警察署に届け出て記載事項の抹消を受けなければならない。

5)運送業者を利用して銃を銃砲店に譲り渡す場合、譲り渡す者が運送前に銃砲店から猟銃等販売事業者の許可証等の写しの提示を受けた上、配達時に運送業者が証明書類を確認する必要がある。

6)一般人に銃を譲り渡した場合、許可証は住所地を管轄する警察署に返納しなければならない。

7)一般人に銃を譲り渡す場合には、所持許可証の原本の提示を受けなければならない。

8)運送業者を利用して銃を一般人に譲り渡す場合、運送前に相手方から許可証の提示を受けた上、配達時に運送業者が本人確認書類を確認する必要がある。

9)銃を譲り渡す際の相手方の確認義務を怠った者は処罰される場合がある。

⑪検査を受ける義務
1)猟銃又は空気銃の所持者は、通常1年に1回、銃や許可証、実包の所持状況を記載した帳簿を警察署等に持参し、検査を受けなければならない。
2)都道府県公安委員会の使用実績の報告の求めに応じなかったり、うその報告をした者は、罰金に処せられる場合がある。

⑫事故届
1)猟銃又は空気銃の所持者は、銃をなくしたり盗まれたときは、直ちに警察官に届け出なければならない。

2)猟銃又は空気銃をなくしたり盗まれたりしたのに警察官に届け出なかった者は、罰金に処せられる場合がある。

3)猟銃又は空気銃をなくしたり盗まれたりしていないのにうその届出をした者は、罰金に処せられる場合がある。

⑬所持許可証の携帯
1)猟銃や空気銃を携帯、運搬するときは、常に許可証を携帯しなければならない。

2)猟銃や空気銃を携帯中、警察官に許可証 の提示を求められた場合には、これを提示しなければならない。

3)警察官から許可証の提示を求められたのにこれを拒んだ者は、罰金に処せられる場合がある。



(5)指示及び所持許可の取消し

2018-10-16 21:02:46 | 猟銃等取扱基本的事項

(5)指示及び所持許可の取消し

①公安委員会の指示
1)所持している銃について適正な取扱いをしていない場合、都道府県公安委員会から危害予防上必要な措置をとるよう指示されることがある。

2)都道府県公安委員会からの指示に従わなかった場合には、銃の所持許可が取り消されることがある。

②許可の取消し及び仮領置
1)猟銃や空気銃の所持者が銃砲刀剣類所持等取締法に違反した場合には、都道府県公安委員会から所持許可を取り消されることがある。

2)猟銃や空気銃の所持者が銃砲刀剣類所持等取締法の命令や処分に違反した場合には、都道府県公安委員会から所持許可を取り消されることがある。

3)他人に暴力を振るうなど所持許可を与えておくことがふさわしくない人は、都道府県公安委員会から当該許可を取り消されることがある。

4)所持許可を受けた猟銃や空気銃を、引き続き3年以上許可を受けた用途に使用していない場合には、都道府県公安委員会から所持許可を取り消されることがある。

5)猟銃や空気銃の所持許可について、一定の取消事由が発生した場合、都道府県公安委員会から銃砲の提出を求められることがある。


(4)所持許可の失効とその後の手続

2018-10-15 18:44:28 | 猟銃等取扱基本的事項
(4)所持許可の失効とその後の手続

①所持許可の失効
1)所持許可を受けた日から3か月以内にその所持許可証に記載された猟銃や空気銃を所持することにならなかった場合、当該所持許可は失効する。

2)所持許可を受けた猟銃や空気銃を廃棄した場合、その所持許可は失効する。

3)所持許可を受けた猟銃や空気 銃をなくしたり盗み取られたりした場合、その許可は失効する。
4)
5)所持許可を受けた猟銃や空気銃の同一性を失わせる程度に改造した場合、その許可は失効する。

②所持許可証の返納又は失効した所持許可事項の抹消
1)猟銃や空気銃の所持許可が失効したときは、原則として住所地を管轄する警察署に速やかに所持許可証を返納するか、所持許可事項の抹消を受けなければならない。

2)許可証に記載された一部の銃の所持許可のみが失効したときは、警察署において失効した銃の所持許可事項の抹消を受けなければならない。

3)所持許可証の返納は、原則として所持許可を受けた本人がしなければならない。

4)所持許可を受けた人が亡くなった場合、その親族や同居人、家主が許可証を返納しなければならない。

③失効後の措置
1)猟銃や空気銃の所持許可が失効した場合には、50 日以内に改めて所持許可を受けるか、その猟銃や空気銃を譲渡又は廃棄するなどの措置をとらなければならない。

2)所持許可が失効してから 50 日を経過しても引き続きその銃を所持している場合、不法所持となる。

3)所持許可が失効してから 50 日を経過したときは、都道府県公安委員会は猟銃や空気銃の提出を命じることができる。

4)猟銃や空気銃を銃砲店に譲り渡す場合には、猟銃や空気銃とともに許可証を銃砲店に引き渡す。

5)猟銃や空気銃を銃砲店に譲り渡した場合で、許可証に他の猟銃や空気銃の許可事項が記載されている場合には、銃砲店にその許可証を提示した上で、警察署で許可事項の抹消を受ける。

6)所持許可証の返納を怠ったときは、罰金に処せられる場合がある。



(3)所持許可の更新とその手続

2018-10-14 18:21:13 | 猟銃等取扱基本的事項
(3)所持許可の更新とその手続

①所持許可の有効期間
1)狩猟、有害鳥獣駆除及び標的射撃の用途での猟銃や空気銃の所持許可の有効期間は、所持許可を受けた日から3回目の誕生日が経過するまでの間である。

2)狩猟、有害鳥獣駆除及び標的射撃の用途で猟銃や空気銃を継続して所持する人は、所持許可を受けた日から3回目の誕生日ごとに所持許可の更新を受けなければならない。

3)所持許可の更新手続をせずに有効期間が満了すると、所持許可が失効する。

4)所持許可の更新申請期間は、所持許可の有効期間が満了する日の2か月前から1か月前までの間である。

②認知機能検査
1)猟銃や空気銃の所持許可の更新を受けようとする者で、有効期間が満了する5か月前から1か月前までの期間に道路交通法の講習予備検査を受けていることを証明する書類を提示すれば、認知機能検査を受検する必要はない。

③猟銃等講習会
1)猟銃や空気銃の所持許可の更新を受けようとする者は、経験者講習会を受けて、その講習を修了しなければならない。

④技能講習
1)猟銃の所持許可の更新を受けようとする者は、原則として技能講習を受け、技能講習修了証明書の 交付を受けていなければならない。

2)国体の選手として日本体育協会の加盟地方団体から推薦を受けている人は、技能講習を受ける必要がない。

3)申請日において過去3年間指示処分を受けていない等一定の条件を満たす鳥獣被害対策実施隊員等は、技能講習を受ける必要がない。

4)技能講習の種類は、「ライフル銃」、「ライフル銃以外の猟銃」の2種類がある。

5)技能講習は、受講者が許可を受けて所持する猟銃を使用して受講する。

6)同じ種類の猟銃を複数所持している人は、そのうちの1丁を使 用して受講すれば、その種類の技能講習修了証明書の交付を受けることができる。

7)技能講習修了証明書は、猟銃の所持許可の更新申請の際に提示する必要がある。

8)猟銃の更新に当たっては、許可時において交付された日から3年以内の技能講習修了証明書が必要である。

⑤更新申請期間の特例
1)更新申請期間内に更新の申請をしなかったときは、原則として所持許可の更新を受けることができない。

2)災害や病気のために更新申請期間内に申請ができなかった人は、所持許可の有効期間満了日の前日までに限り、その理由を明らかにした書類を添えて申請を行うことができる。


⑥災害により猟銃を亡失・滅失した場合
1)災害により銃を滅失し又は亡失した人で、交付後3年以内の技能講習修了証明書を所持する人は、所持許可の効力が失効した日又は申請ができないやむを得ない事情がなくなった日から1か月以内であれば射撃教習を受講することなく、猟銃の所持許可を受けることができる。

⑦やむを得ない事情で猟銃の所持許可の更新を受けられなかった場合
1)海外旅行のため猟銃の所持許可の更新を受けることができなか った人で交付後3年以内の技能講習修了証明書を所持する人は、帰国後1か月以内であれば、射撃教習を受講することなく、猟銃の所持許可を受けることができる。

2)災害による交通途絶のため猟銃の所持許可の更新を受けることができなかった人で交付後3年以内の技能講習修了証明書を所持する人は、交通復旧後1か月以内であれば、射撃教習を受講することなく、猟銃の所持許可を受けることができる。

3)技能講習修了証明書の交付から3年以上経過してしまうと、やむを得ない事情で更新を受けられなかった人であっても、猟銃の所持 許可を受けるためには射撃教習を受講する必要がある。

4)猟銃や空気銃の所持許可が失効した場合には、失効した日から 50 日以内に猟銃を譲渡するなどの措置をとらなければならない。


⑥所持許可の条件

2018-10-14 12:46:47 | 猟銃等取扱基本的事項
⑥所持許可の条件

1)銃の所持許可に際して、「銃を猟銃等保管業者に保管させること」等の条件が付されることがある。

2)銃の所持許可の条件は、所持許可を受けた後であっても新たに付加されることがある。

3)銃の所持許可の条件に違反した場合には、所持許可を取り消されることがある。


⑤所持許可証の書換え及び再交付

2018-10-14 12:41:52 | 猟銃等取扱基本的事項
⑤所持許可証の書換え及び再交付

1)引っ越しなどで住所が変わったときは、所持許可証の書換えを受けなければならない。

2)弾倉に装塡できる弾の数を変更するなど同一性が失われない範囲で銃の改造をした場合には、所持許可証の書換えを受けなければならない。

3)所持許可を受けた散弾銃をライフル銃に改造するなど、同一性を失わせる程度に銃を改造するときは、新たな所持許可を受ける必要がある。

4)所持許可証をなくしたり、盗まれたりしたときには、再交付の申請をしなければならない。

5)所持許可証の再交付を受けた後に、なくした許可証を見つけたときには、旧許可証を住所地を管轄する警察署に返納しなければならない。

④所持許可証の交付及び猟銃・空気銃の確認

2018-10-14 12:37:49 | 猟銃等取扱基本的事項
④所持許可証の交付及び猟銃・空気銃の確認

1)既に所持許可証の交付を受けている人が別の銃について新たに所持許可を受けた場合、新しい所持許可に関する事項は既にある許可証に記載される。

2)所持許可証が交付されて初めて、所持許可を受けた銃を所持することができる。

3)銃を譲り受けるときには、所持許可証を相手に提示しなければならない。

4)所持許可を受けた銃を譲り受けたときは、14 日以内に所持許可を受けた警察署に銃と所持許可証を持参し、確認を受 けなければならない。