3 猟銃用火薬類等に関する法令
①猟銃用火薬類等の特則
1)火薬類に関する許可は原則都道府県知事が行うが、猟銃用火薬類等の譲受け、譲渡し等についての許可は都道府県公安委員会が行う。
②猟銃用火薬類等の譲受け、譲渡し関係
1)猟銃用火薬類等の譲受けの許可は、住所地を管轄する警察署に申請する。
2)猟銃用火薬類等の譲受許可申請の際には、猟銃の所持許可証や狩猟者登録証、鳥獣捕獲の許可証等を提示する。
3)譲り受ける実包又は空包は、自分で所持している銃砲に適合するものでなければならない。
4)猟銃用火薬類等の譲受許可証の有効期間は、1年以内で都道府県公安委員会が必要と認める期間に限られる。
5)猟銃用火薬類等の譲受けの許可は、譲受けの目的が明らかでない場合は、許可されない。
6)猟銃用火薬類等の譲受けの許可は、許可後であっても公共の安全に支障が認められる場合には、許可が取り消される。
7)猟銃用火薬類等を譲り受ける場合には、相手方に譲受許可証を示し、許可証に譲渡年月日や譲渡数量の記載を受ける。
8)自宅で保管できる実包や空包は 800 個以内である。
9)猟銃用火薬類等を譲り受けるときには、自宅で保管できる範囲内で必要最小限の数量を譲り受けなければならない。
10)猟銃用火薬類等を譲り受ける場合には、盗難等のおそれを考慮し、必要最小限の数量を譲り受け、自宅保管しなくてもよいように配意する必要がある。
11)猟銃用火薬類等の譲受許可証に記載されている住所、職業 、氏名に変更があった場合、その書換えを受けなければならない。
12)猟銃用火薬類等の譲受許可を受けた数量の全部を譲り受けたときには、速やかに譲受許可証を警察署に返納しなければならない。
13)猟銃用火薬類等の譲受許可の有効期間が満了したときには、速やかに譲受許可証を警察署に返納しなければならない。
14)所持許可を受けている全ての猟銃を廃棄したときに火薬類の譲受許可証がある場合は、速やかにを警察署に返納しなければならない。
15)猟銃用火薬類無許可譲受票は、原則として都道府県 猟友会やその支部が交付している。
16)猟銃用火薬類無許可譲受票を提示することにより、狩猟期間又は鳥獣捕獲許可の期間内に一定数量の猟銃用火薬類を無許可で譲り受けることができる。
17)猟銃用火薬類無許可譲受票は、「特別な事情のある者」に限り、例外的に警察署長も交付している。
18)猟銃用火薬類無許可譲受票は、一狩猟期間又は鳥獣捕獲許可の有効期間につき1枚しか交付を受けられない。
19)猟銃用火薬類無許可譲受票は紛失しても再交付されないので、紛失後に猟銃用火薬類を譲り受ける場合は、都道府県公安委員会の譲受許可を受けなければならない。
20)猟銃用火薬類無許可譲受票で猟銃用火薬類等を火薬店から譲り受ける場合、譲受票に譲り受けた年月日や数量等の記載を受けなければならない。
21)猟銃用火薬類無許可譲受票は、狩猟期間又は鳥獣捕獲の許可有効期間の満了後 30 日以内に、交付を受けた猟友会支部等で返納又は抹消の手続をとらなければならない。
③輸入
1)実包を輸入する際の許可申請は、陸揚地又は着陸する空港を管轄する警察署に対して行う。
2)許可を受けた後に輸入しようとする火薬類の種類や数量を変更する場合は、新たに許可を受ける必要がある。
3)許可を受けた後に実包を輸入する目的を変更する場合は、新たに許可を受ける必要がある。
4)実包を輸入する場合の陸揚予定地を変更する場合は、新たに許可を受ける必要がある。
5)火薬類を輸入したときは、許可申請をした警察署に輸入届を提出しなければならない。
6)海外へ狩猟に行き、残弾を持ち帰る行為は輸入となり、許可が必要となる。
④所持及び貯蔵
1)猟銃用火薬類等は、譲受けの許可を受 けた者が譲り受けて所持するとき等、法律で定められた一定の場合を除き、所持できない。
2)狩猟者登録又は鳥獣捕獲の許可を受けた者は、猟銃用火薬類等を無許可譲受数量の範囲内で譲り受けて所持することができる。
3)火薬類を消費する必要がなくなったなどにより、残火薬を譲渡又は廃棄しなければならない場合に、その措置をするまでの間は、火薬類を所持することができる。
4)法律で定められた一定の場合以外に猟銃用火薬類等を所持した者は、処罰される場合がある。
5)実包又は空包については、合計 800 個以内であれば、自宅の堅固で施錠できる設備に保管することができる。
6)自動車のトランクに、猟銃用火薬類等を保管してはならない。
7)猟銃用火薬類等を、堅固で施錠できる設備以外の設備に保管、貯蔵した者は、処罰される場合がある。
⑤製造
1)猟銃所持者は、法律等で定められた範囲内で猟銃用火薬類等を無許可で製造(セルフローディング)することができる。
2)狩猟者登録又は鳥獣捕獲の許可を受けた者は、1日に実包と空包の合計 100 個以下を無許可で製造することができる。
3)標的射撃をする者は、1日に実包と空包の合計 100 個以下を無許可で製造することができる。
⑥運搬
1)狩猟や標的射撃のため、実包を携帯運搬する場合には、盗難及び紛失に注意しなければならない。
2)列車、バス等の公共の乗り物を利用するなどして猟銃用火薬類等を運搬する場合には、持ち込むことができる数量がそれぞれ定められている。
3)船舶により猟銃用火薬類等を運搬する場合には、船舶に持ち込む前に船長の許可が必要である。
4)旅客機を利用して猟銃用火薬類等を運搬する場合には 、厳しい規制があるので事前に航空会社に相談をする必要がある。
5)郵便で猟銃用火薬類を運搬することは全面的に禁止されている。
6)猟銃用火薬類等を運搬する場合には、他の物と区別し、火薬類の種類を明示しなければならない。
⑦消費
1)猟銃用火薬類等の消費は、原則として公安委員会の許可が必要である。
2)狩猟者登録を受けた者等が鳥獣の捕獲等のために、1日に実包と空包の合計 100 個以下の猟銃等火薬類等を消費する場合は、許可を要さない。
3)標的射撃のために、1日に実包と空包の合計 400 個以下の猟銃用火薬類等を消費する場合には、許可を要さない。
4)公安委員会の許可を受けずに猟銃用火薬類等を消費した者は、処罰される場合がある。
5)猟銃用火薬類等の消費の許可を受ける場合には、消費地を管轄する警察署に申請書を提出する必要がある。
⑧残火薬類の措置
1)火薬類は危険なものであるので、不要となった場合は遅滞なく譲渡又は廃棄しなければならない。
2)不要となった火薬類は、火薬販売店に廃棄を依頼するなど、一定の手続に従って譲渡又は廃棄をしなけれ ばならない。
⑨事故届
1)所有する猟銃用火薬類や猟銃用火薬類等譲受許可証・譲渡許可証等を紛失したり盗まれたりした場合には、遅滞なく警察に届け出なければならない。
4 狩猟に関する法令
1)鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の規定に違反した銃猟は、同法違反だけでなく、銃砲刀剣類所持等取締法の発射制限違反にもなり、同法上の処罰や行政処分の対象となる。
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