3 猟銃・空気銃の使用、保管等についての準則
(1)猟銃・空気銃の基本的取扱い
①銃口の向き
1)銃口は、絶対に人のいる方向に向けてはいけない。
2)たとえ、分解して銃身だけとなっているときでも銃口は、人のいる方向に向けてはならない。
3)銃口が人のいる方向に向いていなければ、猟銃や空気銃の事故のほとんどは防止することができる。
4)射撃場でどうしても銃を肩に掛ける必要があるときは、人のいる方向に銃口を向けないよう細心の注意を払わなければならない。
5)銃を水平に保ったまま持つなど不用意に人のいる方向に銃口が向く可能性がある取扱いをしてはならない。
6)銃を持つときは、銃口が不用意に人のいる方向に向かないように気をつけて取り扱わなければならない。
②引き金を引く指の位置
1)射撃するとき以外は、用心金の中に指を入れてはならない。
2)射撃するとき以外に用心金の中に指をいれておくと、気付かないうちに引き金を引いてしまい暴発事故を起こす場合がある。
3)猟銃や空気銃の点検で空撃ちを行うときなどの特別の場合には、用心金の中に指を入れても構わない。
4)狩猟や有害鳥獣駆除においては、獲物が確実に確認できた場合のほか、用心金の中に指を入れてはならない。
5)標的射撃においては、射撃方向に向かって射撃準備が完了した場合のほか、用心金の中に指を入れてはならない。
③弾丸の装塡の有無の確認及び脱包
1)銃を手にしたときや銃を発射する必要がなくなったときは、薬室に弾丸が装塡されていないことを必ず確認しなければならない。
2)猟銃や空気銃を持って移動するときや、銃を手から離しておく場合は、機関部を開放するとともに、必ず脱包しなければならない。
④銃を置く場所
1)猟銃や空気銃を手から離すときは、銃が倒れない安定した場所に置かなければならない。
⑤実包の装塡
1)暴発の多くは、移動中など発射が必要と認められない場合に発生している。
2)発射をするとき以外は銃に弾丸を装塡してはならない。
3)射撃場では、射台に立ち発射してもよい合図があった後など発射の準備ができたとき以外は銃に弾丸を装 塡してはならない。
4)狩猟等では、明らかに獲物がいる兆候が認められたときなど、発射の準備ができたとき以外は、銃に弾丸を装 塡してはならない。
5)猟銃や空気銃に装塡する実包等は、射撃の状況を考え、必要最小限の個数を装塡するようにとどめなければならない。
6)狩猟に自動銃を使用する場合であっても、猟場の状況を勘案して必要最低限の装塡にとどめるべきである。
7)狩猟等の場合は、捕獲しようとする獲物に適した実包を使用することが大切である。
⑥実包の装塡方法及び銃の保持
1)射撃場で実包を装塡する場合、元折式散弾銃は銃口が水平方向より上方を向くように先台を持ち上げて薬室を閉鎖すること。
2)射撃場で実包を装填する場合、自動式散弾銃は銃口を上方に向けたまま装填すること。
3)実包を装塡した後は、必ず開閉レバーの位置などにより薬室が完全に閉鎖されているかを確認しなければならない。
4)実包を装塡するときは、実包を装塡することだけでなく、銃口が向いている方向も常に注意しなければならない。
5)狩猟や有害鳥獣駆除のときには、銃口を柔らかい地面など跳弾が発生しにくい方向に向けた状態で実包を装塡しなければならない。
6)実包を装塡した後は、銃口を上方又は射撃方向等万が一暴発しても安全な方向に向けて保持すること。
7)銃を保持するときは、誤って取り落とすことがないように確実に保持しなければならない。
⑦猟銃・空気銃の発射
1)射撃場では、射撃場の管理者等が射撃開始の合図をしたとき以外は、銃を発射してはならない。
2)狩猟等で、獲物の確認に少しでも不安があるときは、銃を発射してはならない。
3)狩猟等で、獲物以外の動物や人に当たる可能性があるときは、銃を発射してはならない。
4)狩猟等で、発射する方向に人家や道路などがあるときは、銃を発射してはならない。
⑧発射時の周囲の安全確認
1)射撃場や猟場を問わず、猟銃や空気銃を発射するときは事前に周囲の安全を十分に確認しなければならない。
2)射撃場であっても、周囲の安全を十分に確認した後でなければ発射してはならない。
3)猟銃や空気銃による射撃を行う前に、銃を安全に発射できる発射方向の範囲を事前に確認しておく必要がある。
4)猟場には、自分だけでなく、仕事やレジャーなどいろいろな目的を持った人がいる。
5)散弾銃を発射した場合、獲物に命中する一部の散弾以外の殆どが流れ弾となる。
6)狩猟や有害鳥獣駆除における人身事故では、いわゆる「矢先」と呼ばれる発射方向の安全確認不足が大きな原因となっている。
7)有害鳥獣駆除のために獲物を捕獲する場合であっても、銃による事故を防止することを優先しなければならない。
8)散弾の散布範囲は広範囲であるため、発射前の安全確認はできるだけ
広い範囲の確認を行うことが必要である。
⑨水平撃ち等の抑制
1)平地で、猟銃や空気銃を水平にして発射すると、やぶ陰などで見えない場所にいる人を直撃して事故につながることがある。
2)山の射面に沿って撃ち上げたり、逆に撃ち下ろしたりする場合は、死角となっている場所にいる人を直撃して事故につながることがある。
3)バックストップ等がなく矢先の安全が確認できない状態での水平撃ちは避ける必要がある。
⑩跳弾がでるものに向けての発射禁止
1)射撃場において、銃口を地面に向けて発射すると、コンクリートの工作物等により跳弾が発生する。
2)猟場で竹やぶや石垣等に向けて発射すると、跳弾が発生して危険である。
3)水面に向けて射撃をした場合も跳弾となる場合がある。
4)跳弾は飛んでいく方向が予想できず、事故が発生する原因となる。
⑪不発の場合の措置
1)引き金を引いて撃鉄が落ちてもすぐに弾丸が発射されず、やや時間をおいてから発射されることを遅発という。
2)遅発のときは、10 秒程度そのままの姿勢で銃口を安全な方向に向けたまま、銃を確実に保持し、その後、不発と判断して機関部を開放する。
3)弾丸が不発であった場合でも、火薬類には変わりがないため適切に措置しなければならない。
⑫疲労時における狩猟の中止
1)疲れてくると、注意力が散漫になり、各種の事故を引き起こしやすくなる。
2)事故防止のためには、疲れを感じたら狩猟を中止し、疲労を回復してから狩猟を再開するような配慮が必要である。
⑬銃の目的外使用の禁止
1)猟銃や空気銃を、射撃をする目的以外の道具として使用することは、暴発事故や銃の故障を引き起こす原因となるため、絶対にしてはならない。
2)猟場等で足場が悪かったとしても、銃を杖がわりに 使用してはならない。
⑭その他
1)射撃に関するルールやマナーが分からないときは、射撃指導員等に質問して、正しいルールやマナーを身に付けなければならない。
2)射撃に関するルール違反やマナー違反で注意を受けたときは素直に従わなければならない。
3)自分自身や友人が猟銃や空気銃を扱うときに誤った取扱いをしないように、お互い注意し合わなければならない。
4)銃の薬室や弾倉が空だと分かっていたとしても、実包が装塡してあるものと仮定して適切に取り扱う必要がある。
5)機会あるごとに、銃の薬室及び弾倉内の実包装 塡の有無を確認することが暴発事故を防止する効果的な方法である。
6)こまめに脱包することが暴発事故を防止する効果的な方法である。
7)銃を発射した結果、思いもよらない方向にいた人に当たって怪我を負わせた場合の責任は、全て発射した人の責任である。
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