津軽ジョンがる電源日記

『KOJO TECHNOLOGY』 電源メーカースタッフ日記

オーディオ機材の入力段

2008-05-26 18:33:12 | テクノロジー

こんばんは、ジョンがる隊長です。

今日は少しだけ学術的?に・・・

ご存知の方も多いと思いますが、オーディオ機材(代表的なのはアンプかな?)の入力は、商用電源からAC100V(とりあえず国内仕様ということで)が供給されます。

AC100V(交流)は大型のトランスを介在して、トランス2次側の電圧は、後段の増幅回路やコントロール回路が、動作・機能できるような電圧まで減圧(降圧)されます。(この時点ではまだ交流です)

低い電圧になった交流電圧は、整流ダイオード(交流を直流化するために波形の流れを整える部品)を経由し、平滑用のコンデンサに供給されます。

コンデンサは、波状の波形を平均化(平滑化)する働きがあり、ここで初めて直流電圧となるわけです。この構成のことを「コンデンサインプット型」と言います。

大型のアンプや電源をしっかりさせようと、各メーカさんが「電源部を強化しました」などの話をしますが、これは前述のトランスの場合、サイズ(容量)を大きくしたり、高効率のトロイダル系コアを使用したりします。

同様にコンデンサも大容量化が行われたりします。

上記の場合、総じて電源を強化するということは、トランスにしろコンデンサにしろ大容量化にあるようですね。

では何故 大容量化が強化したことになるのでしょう?

■まずトランスについて

トランスは、その容量が大きくなることでコア材(断面積)が大きくなり、少ない巻数で大きな電力伝達が可能になります。巻数が少ないということは、=(イコール)トランス内部の抵抗(インピーダンス)が低く抑えられることを意味し、電圧降下が抑制されます。要するにロスが減るって言うことです。

■次にコンデンサ、

細かなことを言い出すと、どんどん深みにはまって行きそうなので、さらっと!

コンデンサの容量を大きくした場合、平滑化された直流電圧の安定性が向上し、急な負荷変動(アンプの場合、SPに大電流が供給されたとき)に対してもびくともしないようになります。それだけ余裕を持つということになります。

■番外編

また、少し凝ったアンプになると、整流ダイオードにショトキーダイオードを使うなどして、ノイズ面での対策も行ったりします。(ショットキーダイオードについては別なところで)

更に、アンプ内のコントロール系と増幅系を完全分離するために、それぞれの回路対しトランスを搭載させたりすることもあります。

クリーン電源メーカに限らないオーディオ機器メーカさんでも、これだけ電源部分に気を使っているんだから、電源の大切さが解かりますよね!

昨日もお伝えしましたが、明日から東京出張です。留守にしますので、しばらくはデブッチョ頼んだぞぉーーー!



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2 コメント

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物凄く参考になりました!! (ふじわら)
2008-05-27 12:21:53
物凄く参考になりました!!
これからもたまには専門的なものもお願いします。「無○と実験」みたいですね。

AA誌129号読みました。
リーダーズノートで紹介したアルバムにはレコーディングで7020iSが使われています。
ふじわらさぁーん!コメントありがとうございます。 (ジョンがる隊長)
2008-06-02 18:44:40
ふじわらさぁーん!コメントありがとうございます。
少しでしょうけど参考にもなったとのこと、めちゃくちゃ嬉しいです。機会を見てまた技術的なことお話しますね。

リーダーズノート見ました。
レコーディングで20iSの活用。こりゃまた嬉しいです。

これからも頑張りますね!

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