津軽ジョンがる電源日記

『KOJO TECHNOLOGY』 電源メーカースタッフ日記

CDプレーヤに対する仮想アースの接続

2023-01-27 12:40:29 | テクノロジー
こんにちは、ジョンがる隊長です。(>_<)
今回のお題は「CDプレーヤに対する(弊社)仮想アースの接続」です。

よくお問合せいただく内容のひとつに、「CDプレーヤ(以降CDP)に仮想アースを使ってみたいんだけど、どこに接続するのが効果的?あるいは一番いいですか?」があります。

1.ハッキリ言えないよう💦!?
明確な回答をハッキリ言えないとお題しておきながらハッキリ言ってしまうんだけど、
「一番良いのがどこかはお答えできませんが、お客様が(試聴されて)一番いいと思った場所が正解です。」と答えさせてもらっています。
これはお客様をいじめてるのではなくて、実際にわからないわけでして・・・。

CDPと言ってもそこにはメーカ違い、モデル違い、同じメーカ、モデルでも他の機材含めたシステム構成、設置環境等々で100人いれば100通りあります。
更に音は人間の(聴感上)の感覚(人によっては五感まで働くか?💦)によるものなので、私が「この接続が一番といい」言っても、実践してみた結果、「隊長の嘘つき!」となるのが落ちでして・・・(笑)
ただ、それではあまりにもつっけんどんな対応になるわけでして、やはり隊長の経験上のお話をすることになるわけです。

2.CDPの仕様
説明するにあたってはCDPの仕様があまりにも種類が多いので、ここではまあまあ一般的かな!?と思われる下記仕様を例にします。
<アナログ出力>
・RCA(L/Rch)×1:アンバランス
・XLR(L/Rch)×1:バランス
<デジタル出力>
・コアキシャル ×1
またCDPの殆どにおいて、アナログ回路GNDとフレームGNDは導通しており、アナログ回路GNDとデジタル回路GNDは分離(絶縁)されています。
これについても仕様の前提しておきます。
2023.7.22追加
※勿論例外もあって、アナログ回路GNDもデジタル回路GNDも共通にしているメーカさんやモデルもあるので、正確に知るためにはテスタ等で導通チェックするしか手はないです・・・。💦

■アナログ回路GNDとフレームGNDの導通
回路GNDは、電源回路含めそれら回路が動作するうえで基準となる部位です。
この基準がぐらついては回路動作もうまく行われません。
アナログ回路は一般的にノイズにナーバスです。故にアナログ回路GNDに対しては、回路設計者、基板設計者共にシリアスに対応し、基板上にレイアウトされるGNDパターンは、ベタ状にして面積を多くとるよう配慮されます。(GND強化はインピーダンスを低減して、ノイズ電流が流れても電圧変換されにくくしてくれます)
またこのようにしてアナログ回路GND(基準)は強化されつつも、更に基準を補強するために、自分より安定しているフレームGNDに接続(接地)されているのが一般的です。

■アナログ回路GNDとデジタル回路GNDの分離(絶縁)
アナログ回路がノイズにナーバスであることは上述しましたが、デジタル回路はその信号がパルス状で急峻なレベル変化で伝送されているため、高周波成分を多分に含んだノイズ源になり得ます。勿論デジタル回路GNDも自ら発するノイズを手減するためにGND強化は施されます。というか施さないとデジタル回路自体も不安定動作に陥りますから・・・💦
回路設計者はこのノイズがアナログ回路に影響を及ぼすことを配慮し、アナログ回路とデジタル回路(GND含む)を絶縁するのが一般的です。なお、前述のようにアナログ、デジタル回路共に共通GNDにしている機器も存在します。この場合、回路GNDは相当に力入れて強化しているものと考えます。

3.デジタル出力?それともアナログ出力?
漸くどっちの端子に接続するのが効果的?に迫ります。
先に隊長の主観を言ってしまうと「デジタル出力の方が効果的には大きく感じ取れそう」です!
これでもエンジニア!一応上述の仕様から回路的な根拠がありまして・・・。

で、その前に今一度!
他のシーンでもよく話していますが、弊社仮想アース(Crystal ECrystal Epシリーズ)は大きな(導体)表面積を持っています。
目的は接続する機材(今の場合CDP)の回路GNDやフレームGNDの強化です。
弊社仮想アースは、特定のBOX(Crystal E)や円筒(Crystal Ep)内にその広大な表面積を持った導体が内蔵されているわけですが、有限であり固定されています。
そのため、接続する機材の回路GNDやフレームGNDが小さいほど、接続したときの拡大される表面積の割合は大きくなります。
このことを頭の片隅に記憶しておいてください。忘れてはだめです。(笑)

では話を戻して、デジタル出力の方が効果的であろう理屈ですが、前述のアナログ回路GNDはGNDパターンのベタとフレームGNDの接続により、まあまあのGND面積は確保できています。
対して、デジタル回路GNDはアナログ回路GNDとは絶縁されており、ましてやフレームGNDともつながっていません。完全に孤立状態!
勿論、デジタル回路GND(基準)だって、自ら発するノイズを極力抑えるために、ベタGND強化でインピーダンスの低減は図られています。
だけどサイズ的、物理的な理由などからそれも制限され、アナログ回路のGND強化程には至らないのが実情です。

そう、ここで弊社仮想アースのお出ましになるのです。
「Crystal EpR(RCAプラグタイプ)!おなぁ~ら~💨」じゃなくて、おなぁ~り~!
さっき忘れないようにしておいてくださいと言ったこと思い出してください。
弊社仮想アースは「広大な導体表面積を持ちつつも有限で固定されている」と言ったこと。

デジタル回路GNDとアナログ回路GNDの表面積は、前述の状態からするとこうです。
デジタル回路GND面積<<アナログ回路GND(フレームGND含む)面積
お解りいただけたでしょうか!こうなって来ると、ある程度強化されているアナログ回路GNDを強化するより、GND強化が手薄!?なデジタル回路GND、すなわちデジタル出力に仮想アースを接続した方が効果が大きい!と言えるわけです。
なお、メーカさんによっては、デジタル回路GNDも十分に強化されている製品も当然あるかと思います。その場合はやはり両方試してみるしかないのです。
また、そんなこと外観でわかるわけもありませんから、ことさら聴いてみて自分の好きな音の方が正解!と言わざるを得ないのです・・・。m(__)m

4.LchとRchのどっち選ぶ?
アナログ出力だったらLchとRchのどっちを選ぶ?
補足ですがこれとて明確にはお答えできないのです。
だって、装置の中身のGND配線やパターンレイアウトなんて、全部全部見れないもん💦
回路図的にはL/RchのGND共に接続されています。しかし、それをどんなふうにして接続してるかなんて、装置メーカの人じゃなきゃわかんないよう~。しかもエンジニアの人たちじゃないと~!ほぼ開示されることはないと思うけど・・・。

お客様によっては、L/R両方にないとバランスが崩れるみたいで気持ち悪い!だから両方に接続してるっていう人も沢山いらっしゃるようで、KOJOとしては嬉しすぎるわけで感謝です。
また、バランスの崩れとまでは言わないまでも、ほどほどに強化されているアナログ回路GNDを考えると、2個使った方が効果は大きいと言えるでしょう。

5.デジタル出力へのCrystal E接続は☒!
デジタル出力にCrystal Eを接続するのは絶対やめてください。
接続しただけでは何ら問題はおきませんが、Crystal Eはその筐体が金属で、アースケーブルを介在してCDPのデジタル出力と接続されたとき、Crystal E自体デジタル回路GNDと同電位になります。
その状態で、Crystal Eの置き場所を色々変えられた時、万一違う電位に触れられると・・・、何が起きるか・・・!
となり危険性をはらんでいるのでやらないで!となります。

一方Crystal EpRは、時下挿しになるので置き場所が変わることなく行ける(使える)!となるわけです。
なお、ここでもやはり外筐は金属なので、逆に別な電位を持った配線等を振りまわして不用意に触れたりすることが無いよう注意が必要です。
まぁ、デジタル出力端子(コアキシャル)自体、基本剥き出しになっているわけですから、Crystal EpRを接続せずとも同様に注意は必要です。

6.バランスorアンバランスどっちに接続?
ごめんなさい。これは、「空いている方を使ってください。」としか言えません。m(__)m

以上、今回はここでお開き\(^o^)/

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