駅に着き、電車から降りた。当然だが、あの日と何も変わっていない風景だった。ただ、あまり輝いていない。君がいないせいもあるだろう。あの日、隣には君がいた。初夏の日差しは、まだ痛々しいものではなく、それでいて、充分な希望を抱かせるものだった。それが、僕の心を期待で膨らませていた。
-どうして、海に行きたいの?
-なんか、青春ぽいから。
-テレビ的な感じね。
-水着ってことは、一緒に行ってもいいってこと?
-デートの誘いでなければね。
-それって、ホシも青春したいってこと。
テレビ的に海に向かって走ったり、浜辺で遊んだり。
-違うわよ。ただ、、、
-ただ、、、何?
-海が見たい。ひとりでもいいけど、あなたとでもいいわよ。
-俺も、ひとりでもいいけどね。
-じゃあ、一人で行けば。
-いじわるだね。今度の日曜でいい?
-次の週の土曜日じゃだめかしら?
-OK。
改札口を抜けると、左隅にタクシー乗り場があったが、そこに、タクシーは止まっていなかった。お客が来るはずもない季節なのだ。そのせいか、駅前の店も、コンビ二以外は全部閉まっていた。来てはいけない季節なのかもしれない。夏は終わった。ただ、僕には来なければいけない理由がある。
つづく
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-なんか、青春ぽいから。
-テレビ的な感じね。
-水着ってことは、一緒に行ってもいいってこと?
-デートの誘いでなければね。
-それって、ホシも青春したいってこと。
テレビ的に海に向かって走ったり、浜辺で遊んだり。
-違うわよ。ただ、、、
-ただ、、、何?
-海が見たい。ひとりでもいいけど、あなたとでもいいわよ。
-俺も、ひとりでもいいけどね。
-じゃあ、一人で行けば。
-いじわるだね。今度の日曜でいい?
-次の週の土曜日じゃだめかしら?
-OK。
改札口を抜けると、左隅にタクシー乗り場があったが、そこに、タクシーは止まっていなかった。お客が来るはずもない季節なのだ。そのせいか、駅前の店も、コンビ二以外は全部閉まっていた。来てはいけない季節なのかもしれない。夏は終わった。ただ、僕には来なければいけない理由がある。
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