Sea side memory (12:end)

2007-02-14 | 自作小説:Sea side memory
しばらくして、君は泣き止んだみたいだったが、顔を上げずにいた。
 ”海って、いいよな。”
 ”また、青春?”
 ”そう、青春。”
 ”青春って、過ぎ去ってから、わかるものらしいよ。”
 ”ホシほどじゃないかもしれないけど、
  俺なりに、生きてるのが、苦しい、とてもね。
  嫌になるし、死にたくなる。でも、何とか踏みとどまりたい。
  だから、青春だと思うことにしたんだ。”
 ”何がそんなに苦しいの?”  
 ”自分でもよくわからない。ただ不安なのかも。
  歳をとって、思い返せば、あの頃は良かったって思えるんだろうか?
  少し疑問に思うよね。”
君は顔をあげ、僕を見た。初めてベランダで見たときとは違う優しい眼差しだった。
 ”でも、君に会えた。だから、きっと楽しいことがあるんだと思いたい。
  ホシはどう?新しい学校は?楽しい?”
 ”まあまあかな。友達も出来たし、私のことを悪く言う人もいないし。”
 ”それは、良かった。かっこいい男はいた?”
 ”どうかしら?あなたはどう?”
 ”可愛い子がいたよ。でも、転校しちゃった。”
 ”そう。”
 ”彼氏はできそう?”
 ”どうかしら、転校しなければできたかも。あなたは?”
 ”できそうだよ。まだ、返事は聞いてないけど。”
 ”たぶん、俺のこと好きだとおもうんだけど。君はできそう?”
 ”できると思うよ。今の学校の人ではないけどね。”
君は笑っていた。
 ”そうだ、どうしていつも校庭を見てたの?”
君は少しためらいながら言った。
 ”ヒロトを探していた、、、、のかもね”

                        おわり

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