雨が上がって、曇り空ですが外に出かけるのにはいい感じでした。植え込みには夏の花も咲いています。久しぶりに映画館で映画を楽しみました。日本でも何かと話題になっている『軍艦島』という映画です。初日で98万人が見たというほどこちらでも大きな関心を集めています。ただそういうヒット作品が登場すると、映画館で上映する作品がこればっかりになってしまって、地味だけど良い映画、一部の人には高い評価を得ているような作品がすぐに上映されなくなってしまったりという傾向がまた問題になっていますね。実はおととい、JTBCという放送局のニュースルームに出演者の一人、ソン・ジュンギさんが出て、映画について語っていたので見たいと思ったわけです。アップになると人形のような美形ですね。映画の中では光復軍という独立運動組織から、軍艦島に徴用された朝鮮人労働者に混じって閉じこめられている、独立運動の指導者(イ・ギョンヨン)を救出するために送りこまれた特殊部隊員という役柄で出ています。炭鉱の労働は命の危険といつも隣り合わせの苛酷な現場でした。女性たちは島内の遊郭で男を取らされるようになるし、事故やケガ、落盤などがいつ起きるかわからない。しかも朝鮮人労働者は一番危険なところに追いやられるという中で、楽団のリーダーだった男(ファン・ジョンミン)や鐘路一帯を牛耳っていたヤクザの親分(ソ・ジソプ)などがからんで話が進んでいきます。実は独立運動指導者が日本人と内通して、労働者たちの給与や災害補償金をピンハネしていた裏切り者だったり、戦局が日本の敗北へと突き進んでいくのがはっきりしてきて、炭鉱を閉鎖して本土に引き揚げるのに、虐待や不正を知っている朝鮮人労働者を全部坑内に閉じこめて爆破しようという計画が進んでいることがわかります。労働者たちはひそかに集まってソン・ジュンギの提案にしたがって島から石炭運搬船で脱出を決意します。その話し合いで皆手にロウソクを持っている場面が出てきますが、ちょうど映画を製作していた時期が「キャンドル集会」が盛んに行われていたときだったので、多分こんな場面が取り入れられたんじゃないかと思わせます。つまり自分たちの命を守るために自ら立ち上がるという行動が、現代にも通じる人間のやむにやまれない行動だという意味付けをすることで、作品が単に過去の植民地支配の非道さを告発するという次元のものではないということを示そうとしたのだと思えます。内部の裏切り者の存在や、同じ朝鮮人が抑圧者の手先になって敵対するという構造は今の社会でもありうることですから…。ただ、悲惨な現場で起きたできごとの描き方としては、もっと丁寧に、深く掘り下げて人間の心の葛藤みたいなものをじっくり描くこともできるんじゃないかという、残念さは残りました。作為的というドラマ構成が気になったというか。脱出した船のデッキから長崎の方を見ていると大きなキノコ雲があがって(8月9日に原爆投下というテロップが出ます)、あそこにも同胞がたくさんいるはずだけど、と誰かがつぶやくラストとか。ちょっとモヤモヤ感が残りましたが、家の近くの「シェフのクッスジョン」という食堂で”大韓丼”を食べて大満足。彩り豊かで下には海苔の混ざったご飯。ちょっと変わったビビンパという一品です。
雨が上がって、曇り空ですが外に出かけるのにはいい感じでした。植え込みには夏の花も咲いています。久しぶりに映画館で映画を楽しみました。日本でも何かと話題になっている『軍艦島』という映画です。初日で98万人が見たというほどこちらでも大きな関心を集めています。ただそういうヒット作品が登場すると、映画館で上映する作品がこればっかりになってしまって、地味だけど良い映画、一部の人には高い評価を得ているような作品がすぐに上映されなくなってしまったりという傾向がまた問題になっていますね。実はおととい、JTBCという放送局のニュースルームに出演者の一人、ソン・ジュンギさんが出て、映画について語っていたので見たいと思ったわけです。アップになると人形のような美形ですね。映画の中では光復軍という独立運動組織から、軍艦島に徴用された朝鮮人労働者に混じって閉じこめられている、独立運動の指導者(イ・ギョンヨン)を救出するために送りこまれた特殊部隊員という役柄で出ています。炭鉱の労働は命の危険といつも隣り合わせの苛酷な現場でした。女性たちは島内の遊郭で男を取らされるようになるし、事故やケガ、落盤などがいつ起きるかわからない。しかも朝鮮人労働者は一番危険なところに追いやられるという中で、楽団のリーダーだった男(ファン・ジョンミン)や鐘路一帯を牛耳っていたヤクザの親分(ソ・ジソプ)などがからんで話が進んでいきます。実は独立運動指導者が日本人と内通して、労働者たちの給与や災害補償金をピンハネしていた裏切り者だったり、戦局が日本の敗北へと突き進んでいくのがはっきりしてきて、炭鉱を閉鎖して本土に引き揚げるのに、虐待や不正を知っている朝鮮人労働者を全部坑内に閉じこめて爆破しようという計画が進んでいることがわかります。労働者たちはひそかに集まってソン・ジュンギの提案にしたがって島から石炭運搬船で脱出を決意します。その話し合いで皆手にロウソクを持っている場面が出てきますが、ちょうど映画を製作していた時期が「キャンドル集会」が盛んに行われていたときだったので、多分こんな場面が取り入れられたんじゃないかと思わせます。つまり自分たちの命を守るために自ら立ち上がるという行動が、現代にも通じる人間のやむにやまれない行動だという意味付けをすることで、作品が単に過去の植民地支配の非道さを告発するという次元のものではないということを示そうとしたのだと思えます。内部の裏切り者の存在や、同じ朝鮮人が抑圧者の手先になって敵対するという構造は今の社会でもありうることですから…。ただ、悲惨な現場で起きたできごとの描き方としては、もっと丁寧に、深く掘り下げて人間の心の葛藤みたいなものをじっくり描くこともできるんじゃないかという、残念さは残りました。作為的というドラマ構成が気になったというか。脱出した船のデッキから長崎の方を見ていると大きなキノコ雲があがって(8月9日に原爆投下というテロップが出ます)、あそこにも同胞がたくさんいるはずだけど、と誰かがつぶやくラストとか。ちょっとモヤモヤ感が残りましたが、家の近くの「シェフのクッスジョン」という食堂で”大韓丼”を食べて大満足。彩り豊かで下には海苔の混ざったご飯。ちょっと変わったビビンパという一品です。