ソウルの空の下

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8月15日は…

2008-08-18 10:56:24 | インポート

P1000632 朝から下鴨神社の古本市に行ってきました。数年前にも来たことがありますが、当時と雰囲気は少しも変わっていません。季節がら鮮やかな緑陰に包まれて、どの本を買うというあてもなく、あちこちに山積みされた書籍の背表紙を眺めてゆったりと過ごすのは贅沢な時間かもしれません。連日の猛暑ですが、この日の朝は、陽射しも雲に隠れて顔を出さず、快適なひとときを過ごすことができました。政治家が車で乗りつけてはカメラのフラッシュに取り囲まれ、軍服姿の参拝者で賑わう、どこかの神社とは違って、安らかな雰囲気ですね。同じ日に韓国では日本からの独立と植民地からの解放を祝う 「光復節」の行事が、今年は景福宮内の広場で行われました。最近、光復節を建国節と改め、1948年の8月15日を祝う日にしようという動きが大きくなって、これに反発する野党3党が、別個に式典を行うというのも初めてのことだったそうです。1948年を建国の記念日として定めるのは、「独裁者」として追放された初代大統領イ・スンマンを顕彰することになり、逆に独立運動を上海臨時政府で指導したとされるキム・グらの功を無にすることになるというのが野党側の主張のようです。式典の終わった夜には漢江で華やかな花火大会も行われたそうで、今、旅行中の学院の皆さんは、どんな思いで眺めていたでしょうか。


金メダルはかじるもの?

2008-08-13 15:33:52 | インポート

Photo いつの間にか8月も半ばとなり、学院も今日から夏休みに入りました。暑さを忘れたい気持ちはスポーツ観戦に向かうようで、高校野球、ペナントレース、そしてオリンピックやプロゴルフと、毎日話題に事欠きません。ところで朝日新聞に面白い記事が出ていました。「金メダル、なぜかじるの」というタイトルで、読者からの疑問に答えるという体裁です。シドニーオリンピックの高橋選手がマラソンで優勝したときの姿が印象的だったという話に、本人は「カメラマンの要請にこたえただけ」と答えたとか。何人かの選手にインタビューした結果、「メダルが自分のものだと実感するため」「本物の金かどうか確かめるため」「嬉しくてメダルを食べてしまいたいという喜びの表現」など様々な答えが返ってきたそうです。84年のLAではかじった選手はいなかったという証言もあって、90年代になって「勝利の喜びを大げさに表現するのが好きなアメリカ人が始めたのではないか」という分析がありました。皆が同じようなパフォーマンスをするというのもおかしな話ですが、今回アーチェリーで団体優勝した韓国の選手たちも、確かにかじっていますね(写真)。こういうところで「国境を越える」のは歓迎ですが、マスコミではやはり国別のメダル獲得数が大きく報じられて、「国威発揚」のスポーツ大会であるのは相変わらずなようです。水泳の北島選手や、パク・テファン選手の活躍に対しては、「アジアの力」という言い方も聞こえますが、いつかは個人の純粋な競争になるのでしょうか。


夏も元気な!韓国映画

2008-08-07 11:03:23 | インポート

Photo 時折空の一角に黒い雲が現れたかと思うと、いきなり大粒の雨が降り出すという、何とも気まぐれな天気が続いています。下鴨神社の古本市や五条坂の陶器市など、京都の夏の風物詩は例年と変わりなく、炎天下にひとときの安らぎを与えてくれることでしょう。前にも書いたかもしれませんが、最近韓国映画の公開がめっきり減ってしまったようで、このブログでもあまりお知らせすることがなくなってしまいました。それでも韓国では相変わらず力作、話題作が次々と登場しているようです。写真は封切り17日目にして観客500万人を突破したという、「いい奴、悪い奴、おかしな奴」という作品のポスターです。舞台は1930年代の満州を思わせる大平原。列車強盗のソン・ガンホが偶然手に入れた一枚の地図をめぐって、馬賊団の頭目イ・ビョンホン、賞金稼ぎチョン・ウソンがからんで追撃戦を繰り広げるという爽快なアクション映画だそうです。キャストの豪華さにも目を見張りますが、コリアン・ウェスタンといった雰囲気がわくわくするような期待感を持たせるようです。これと張り合っているのが、演技派ハン・ソッキュとチャ・スンウォンがぶつかり合う「目には目を 歯には歯を」も、オーシャンズ11を思わせる痛快な犯罪アクションということで、連日観客動員に成功しているとか。さらに海神、夏物語などで日本にも紹介されたスエが、ベトナムの戦場に送られた夫のオム・テウンに会うために慰問団の歌手になって、命を賭けて探し続けるという哀切なラブストーリー「あなたは遠いところに」も注目を集めています。特に題名にもなった「あなたは遠いところに」という70年代のヒット曲をスエが直接歌う場面がクローズアップされています。日本でも公開される機会はあるのか?あてもなく待っているより、すぐ隣ですし、見に行ったほうが早いかもしれませんね!


8月

2008-08-06 13:32:33 | インポート

Photo 8月に入ってからも、一向に猛暑は衰える気配を見せませんが、それでも朝の早い時間には、ひんやりした風を感じることもできます。自転車通勤の途中、鴨川沿いの遊歩道を走ってみると、川に向かって謡の稽古をする人、気持よさそうにベンチに寝転がっている人、橋げたの蔭に住む住人と談笑するジョギング帰りの人などなど…京都の言葉で言う、何かほっこりとするような風景を見ることができます。韓国でも朝早くから運動する人に出会うことがよくあります。近くの里山に上って「薬水」と呼ばれる湧水を汲んでくるのを日課にしたり、バドミントンを楽しんだり。ひと汗かいたあとは、明け方4時か5時には営業を始める沐浴湯(銭湯)に入ると、元気に一日のスタートをきることができそうですね。明日は暦の上では立秋。あさっては末伏といって、立秋後の最初の庚の日にあたるこの日は、夏の暑さに打ち勝つため、スタミナのつく料理を食べる日なのだそうです。夏至の日から数えて、初伏、中伏と続く伏日の最後になるわけです。元々は犬の肉をスープにして食べる補身湯を食べるのが普通でしたが、動物愛護の観点から最近は、ひな鶏に高麗人参やなつめ、にんにくなどと共にもち米を詰めて煮込む、参鶏湯が多く食べられるようになりました。「以熱治熱」(熱を以て熱を治める)という言葉もあるように、暑い時はかえって熱いものを食べるのが、健康には良く、暑気にもあたらず快適に過ごせるのだとか…。いくつかお知らせを。

1、韓国<これだけは>講座 「韓国を学ぶ」Ⅱ

  8/25(月) 10:00-12:00  韓国の習慣・伝統文化を学ぶ

  8/26(火) 13:00-16:00  韓国料理を作りながら、韓国の家庭の雰囲気を学ぶ

  8/27,8/28   やさしい韓国語を学ぶ ①②

  講師 李容淑(㈱リンカイ 代表取締役社長)

  各回 1,000円(26日のみ2,000円)

  申込締切 8/18(月)  075-325-5288  京都光華女子大学(阪急「西京極駅」歩7分)

2、第12回 ハングルマラソン(発音集中トレーニング)

  8/10(日) 午後1時~5時(途中休憩あり)

  ウィングス京都(四条烏丸交差点から北東へ歩5分)

  参加費 1,000円(資料代含む)

  問合せ/申込  075-213-8215   緑豆楽院

3、韓紙工芸ワークショップ       < 十角の菓子鉢(27×27×6)>

  8/17(日) 13:00-16:00    参加費 3,900円

  講師 シン・ヨンヒさん (オム・ミギョン先生のもとで韓紙工芸を習得し京都で活動中)

      会場  TAMOA(京阪・近鉄「丹波橋駅」歩2分)  

  問合せ/申込  075-602-4175

                    

                               


「風の丘を越えて」「シークレットサンシャイン」の原作者 李清俊さん逝去

2008-08-04 11:10:24 | インポート

Photo 昨年、カンヌ映画祭で主演女優賞を受賞したチョン・ドヨンの出演作品「シークレットサンシャイン(原題 密陽)」や、93年に公開された「風の丘を越えて(原題 西便制)」の原作者として日本でも知られている李清俊さんが、31日亡くなられました。このブログで訃報を取り上げるのは3回目になりますが、いずれも文学作品を通じて、人間に対する深い省察を続けて来られた方たちでした。「風の丘を越えて」という映画は初め、東京の岩波ホールで公開された記憶があります。その後、メジャーの映画館でも上映されるようになり、恐らく韓国映画として、日本で話題になり多くの観客を動員した最初の作品だったのではないでしょうか。パンソリという伝統芸能にたずさわる旅の芸人家族の話ですが、芸に魂を吹き込むためと称して、実の娘の視力を奪ってしまうという父親の行動が衝撃を与えました。娘役のオ・ジョンへの韓国的な美しさと、鍛え抜かれたパンソリの声が、今でも耳に残るほど鮮烈な印象を持ったものでした。原作者の李清俊も、伝統芸能の宝庫といわれる全羅道の出身で、2日に行われた告別式の後、故郷で行われた「路祭」では、パンソリや伝統舞踊など、彼の作品のテーマにふさわしい公演が行われて、不帰の旅路を見送ったそうです。あらためてご冥福を祈りつつ、最近鬼籍に入られた方々の作品世界を知る機会を何かの形で表せないかと思うこのごろです。