〔速報〕 六本木男声合唱団(六男)がやってきた。
〔11月26日〕 ローマの聖ペトロ大聖堂で、メンバーにクリスチャンがほとんどいない六本木男声合唱団がミサの中で歌う、なんてことは、この聖堂の歴史でも画期的なできごとだった。
緑の祭服を着た司祭達が下の方に豆粒のように見えるから、その空間の大きさが分かるというものだ。
総勢100人ほどの合唱団に、ほぼ同数の家族や友人がついて日本からやってきた。
これは、コンサートではない。れっきとした平日の午後5時のミサ、生きた宗教儀式の中の出来事だ。
信者さん達が普段通り参列して祈っている。司式司祭は昔懐かしいラテン語で式を進める。
伴奏のパイプオルガン左右にあって、まさにステレオ効果抜群だ。
ミサが終わって、祭壇を背に記念写真。男性ばかりの合唱団のはずが、おや?一人だけドレス姿の女性歌手が混じっていた。
ミサの始まる前、にこやかに近寄って来るご婦人がいた。「曽野でございます」と丁寧なご挨拶。名乗られなくったって曽野綾子さんだ、ぐらい分かっているではないか。いままで色んな機会にお目にかかり、お知恵も貸していただいた仲だ。でも、私が2年来ローマに住んでいることはご存じなかったようだった。団長の作曲家の三枝さんから、あらかじめ打ち上げ会の夕食に誘われていたのだが、女性のお誘いに弱い私は、200人のパーティーより、曽野さんを囲む数人のくつろいだ食事の方が誘惑的だったので、急遽予定を変更した。その席には駐イタリア日本大使も加わった。
( 三枝成彰さん ) ( 曽野綾子さん )
実はこの一行の中に、最年少の団員、売れている日本画家と、国際 IT 企業で働くその奥さんの新婚カップルが混じっていた。私の渋谷のサロンに彼女が初めて来たとき、「神父様、どうか良縁に恵まれますよう祝福して下さい」と言った。そして、その甲斐あってか、そのサロンで彼と出会って結ばれたのだった。いわば、自分の子供たちか、うっかりすると孫のような世代である。この「六男」の演奏旅行は、彼らにとってはまさに新婚旅行なのだった。皆さん祝福してあげて下さい。
かたや、曽野さんとの晩飯では、「ミサの中で二番目の聖書朗読をして、答唱詩篇を歌ったイタリア人の信者さんの美声は、一人で100人を圧倒していたね」と、酔うほどに辛口トークに花が咲いた。イタリア人の中にはたまに凄い声とテクニックの素人がいるものだ。
ポーランドの巡礼シリーズを一時中断して、夜中にこのブログ書きました。次はまた「ポーランド巡礼記」に戻ります。