熊本長洲港から有明フェリーに乗り、「かもめ」とたわむれて50分、長崎多比良港に到着。かすかに雨が降っているが、雲仙ロープウェイを目指して走り始める。山道をどんどんと登っていく。ナビがすごいつづら折りの道を示す。霧がでてきた。雨、いや、雪がちらほら。さらに登っていくと霧というよりも雲の中を走行しているようになる。数十メートル先も見えなくなってきた。突然、トンネル。濃い霧の中の薄暗いトンネルに突入。前がよく見えない。家族みな、「怖い」の連呼。とにかく前に進むしかない。対向車も皆無。どんどんと登っていく。仁田峠第二展望台に着く。ちょっと車を降りて周りを見てみる。何も見えない。ここまで来たのだから雲仙ロープウェイ駅まで行ってみることにした。ロープウェイ駅に着いた。係の人に上まで登ったら景色が見えますかと尋ねると、即答で「何も見えません」が返ってきた。ちょっと悩んでいると若いカップルがやってきた。「見えない」といわれても、切符を買って登って行った。さらにもう一組の若いカップルが来て、同じく登って行った。

あきらめて次の雲仙地獄に行くことにした。「地獄なんか行きたくない」と孫娘が叫ぶ。3年ほど前、久留米成田山の地獄館に行ったことを思い出しているようだ。「鬼さんはいないよ」ということで、たのしく雲仙地獄をめぐってみた。金曜日にもかかわらず多くの観光客がいることに驚いた。硫黄のにおいと湯煙、そして、熱すぎる足湯。


さて、待望のホテルへ。雲仙地獄から車で10分程度離れている。17時ころ到着。ホテル入り口の門の大きさに度肝を抜かれる。フロント迄の道がすごい。台北の圓山大飯店を思い出してしまった。もちろん、そのスケールにはかなわないが。とにかく、客室へ。エレベーターがないのと部屋まで少し遠いと聞かされていた。3階までエレベーターで部屋は、707号室。妻が、「7階までエレベーターがないの?」と驚いて聞いてきた。ほんの少し階段をのぼってぐるっとまわるだけだと答えると「7階まで歩くかと思った」と、みんなで爆笑。部屋は、露天風呂付きであるが、まずは、大浴場へ。さっぱりした後に、夕食へ。
待望の「かに食べ放題」だ。かにはけっこう大き目、何皿でもOKなので、なんども取りに行った。生ビールと日本酒、お刺身も盛りだくさん。元を取ろうとする貧乏くささが出てしまう。妻は焼肉やかわった食材をもってきた。この手のブッフェになぜか慣れている6歳児は、自分で選んできた。ハンバーグにスパゲッティとお菓子。「もっと美味しいものがたくさんあるよ」と言ってみたが、ほかの小さな子供たちも同じようなものを運んでいた。未知なものは選びにくいようである。「いっぱい食べたら?」とすすめると、「デザート食べる分を残しておかないと」だって。いくら食べたかわからないぐらいにカニを食べて、ビールや日本酒を飲んで部屋に戻る。部屋までが遠い! 部屋のお風呂に入り、トランプをして、爆睡。(続く)
