次世代総合研究所・政治経済局

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国連加盟を狙う台湾

2007年06月25日 03時15分46秒 | Weblog
台湾がひそかに国連加盟への道を探っている(IHT6月19日電子版)http://www.iht.com/articles/2007/06/19/asia/19taiwan.php
http://www.iht.com/articles/2007/06/20/news/taiwan.php

5月14日148対17と圧倒的な差でWHOへの加盟を拒否されたというのに台湾は国連への加盟を策している。 今年は「中華民国」ではなく「台湾」での加盟申請であった。
しかし陳水扁総統は2300万の人口を擁する同国が国連に加盟していないことにつき諸外国の注目を集めることができた、とこの新戦略を自賛している。国連総会にも加盟申請する予定だ。
陳総統は「台湾」名での国連加盟申請の是非につき、来年1月の国民議会選挙か3月の総統選挙に合わせて国民投票を行う予定で、総統府の李報道官によれば100万人の署名をえるべく、すでに手続は開始されている。
これに対し「この戦略は決して成功しない」というのが江・中国外務省報道官のコメントである。台湾は1971年に国連の議席を失い、総会及び安全保障理事会の3分の2が北京政府を中国唯一の合法的政府と認めた。これには当時の米・ニクソン政権主導による米中二国間の緊張緩和が裨益した。
台湾は1990年代初頭より北京政府を刺激しないよう国連復帰キャンペーンを開始しているがその試みは失敗している。しかし台湾政府はこのキャンペーンが国際世論の注目を浴び、2008年の北京五輪を迎える中国の影の部分を指摘できると見込んでいる。
実質的な国連加盟ミッションを率いる、Ben Shao駐ニューヨーク・台湾経済文化局の主任報道官は以下のように語った。「これまでのやり方では得るものはなにもない。台湾はもはや曖昧な存在であることを甘受しない。」
こうした動きに対して北京政府の台湾問題の楊報道官は「国民投票が実行されれば台湾海峡の平和が脅かされる」と警告、米国務省のマコーマック報道官も「台湾名での国連加盟問題への投票も含み、台湾による一方的な地位変更に反対する」とのコメントを発表した。 
専門家の分析はこの選挙と同日での国民投票の本当の目的は独立志向の台湾民進党の基盤固めにあるという。
中国は米、日、欧州諸国との関係を急速に改善しているが、これら諸国は台湾が独立宣言をした際、中国が武力行使する可能性を排除していないことを懸念している。
台湾にとって状況は10年前よりも厳しい。というのも米、日、欧州諸国は以前WHOのオブザーバーとなることを支持していたのに今回のWHO正式加盟には反対票を投じたからだ。国連加盟についての態度も同じであろう。例えば台湾NGOや報道機関は国際機関への出入りを許可されていない。
それどころか台湾は2004年の東南アジア津波災害など国連主導の人道支援への参加も禁じられている。このため台湾は、WHOが行っているSARS(重症急性呼吸器症候群)や鳥インフルエンザのモニタリング活動において空白区が生じることにすらなると主張している。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以上抄訳)

なるほど、北京の中共政府のせいでアジアに鳥インフルエンザやSARSが大流行する可能性もあるというわけらしい。やはり台湾の秘策は北京五輪開会式に独立宣言することだろう。日程的には間に合うようだ。

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