次世代総合研究所・政治経済局

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昭和天皇の靖国神社参拝拒否

2006年07月22日 00時46分55秒 | Weblog
昭和天皇のA級戦犯合祀拒否  内政
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 昭和天皇が靖国神社によるA級戦犯合祀に不快感を示していたことが明らかになった。
 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060720AT1G1700819072006.html

 元宮内庁長官で昭和天皇の信頼も厚かった人物のメモであり、学術的にも信憑性は高いというべきだろう。また、昭和天皇のことだから、A級戦犯云々ということより、東条とか松岡とかという個別の人物で判断していたものと思われる。

 この結果、従来「天皇の靖国参拝ができなくなったのは三木首相が私人の立場を明確にして参拝したため」という靖国参拝擁護派の主張が全く根拠を失ったことになる。

 
 一方、参拝擁護派は今回のメモ公開を「天皇の政治利用」として反撃するつもりのようだ。

 結論からいおう。今回のメモ公開はまぎれもなく天皇の政治利用を「意図」している。
しかし、①結果として利用になるのは、個々の国民が昭和天皇の意思を重大と考えるかどうかに掛かっており、極端な話、靖国参拝問題を考えるに際して参考にしないのであれば、結果として政治利用は生じない。

 ②それ以前に、靖国参拝擁護派が天皇の意思を結果として勝手に「忖度」したことの方が問題である。彼らが「大御心」を自分の都合のいい方に解釈したことはとんでもない「不敬」「不忠」ではないのか。少なくとも昭和天皇にとっては多いに「不快」であったことは容易に想像される。今後は「承詔必謹」に徹するのか否か、まず、このことの総括なくして彼らの今後の発言は許されないだろう。

 日経新聞は「昭和天皇がA級戦犯合祀に強い不快感を示したのは、過去の戦争への痛切な反省と世界平和への思い、米英両国や中国など諸外国との信義を重んじる信念があったためと推察される。そうした昭和天皇の思いを日本人として大事にしたい。」としているが、大マスコミみづからがこうしたご都合主義の天皇の政治利用を堂々としていることが問題なのである。



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