新古今和歌集の部屋

鴨長明方丈記之抄 元暦の大地震3 驚く程の地震



に驚くほどの地震二三十度ふらぬ

日はなし。十日廿日過にしかば、やう/\間どを

になりて或は四五度二三度、もしは一日

まぜ、二三日に一度など、大かた其名残

三月ばかりや侍けん。四大種の中に、水火

風はつねに害をなせど、大地に至りては

殊なる變をなさず。むかし齊衡の比

かとよ大地震ふりて、東大寺の仏のみ

ぐし落などして、いみじき事ども侍

りければ、猶此たびにはしかずとぞ

則人みなあぢきなきことを述て、聊

 
 
 
驚くほどの地震、二・三十度震らぬ日は無し。
十日・廿日過にしかば、やうやう間どをになり
て、或は四・五度、二・三度、もしは一日まぜ、
二・三日に一度など、大方、その名残、三月ば
かりや侍けん。四大種の中に、水火風は、つね
に害をなせど、大地に至りては殊なる変をな
さず。昔、斉衡の比かとよ、大地震震りて、東
大寺の仏のみぐし落などして、いみじき事ども
侍りければ、猶、此たびにはしかずとぞ
人皆あぢき無き事を述て、聊
 

(参考)前田家本
に驚く程の地震、二三十度震らぬ日は無し。
十日、廿日過ぎしかば、やうやう間遠になり
て、或は四五度、二三度、若しは一日まぜ、
二三日に一度など、大方その名残三月ば
かりや侍けん。四大種の中に、火風は常
に害をなせど、大地にいたりて変をな
さず。昔、斉衡の比とか、大地震ふりて、東
大寺の仏の御頭落ちなど、いみじき事
侍けれど、猶この度には如かずとに。即ち、
人皆あぢき無き事を陳べ□□□□
 
※□部分は不明瞭な欠損。

(参考)大福光寺本
ヲトロクホトノナヰ二三十度フラヌ日ハナシ
十日廿日スキニシカハヤウヤウマトヲニナリ
テ或ハ四五度二三度若ハ一日マセ
二三日ニ一度ナトヲホカタソノナコリ三月ハ
カリヤ侍リケム四大種ノナカニ水火風ハツネ
ニ害ヲナセト大地ニイタリテハコトナル変ヲナサス
昔斉衡ノコロトカヲホナヰフリテ東
大寺ノ仏ノミクシヲチナトイミシキ事トモ
ハヘリケレトナヲコノタヒニハシカストソスナハチ
人ミナアチキナキ事ヲノヘテイサヽカ

 
 造之七大寺一也。七
 大寺 東大寺、興福寺
 元興寺、大安寺、薬師寺
 西大寺、法隆寺也。
あぢきなきことをのべて
いさゝか心のにごりも 佛道
 におもむくに、しな/\ありと
 いへども、なべての人はみな、無
 ◯より仏道にいるなれば
 此ころの中世の有さまのかな
 しきをみて、すうし心の
 にごりもうすくなるとみ
 えしが、またほどのびれば
 もとの心になりかへり侍る
 こと有て口にたにいふ人まれ
 なりとなり。
 



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