もう何だか疲れてしまっているこのごろ。
何もかもがせわしなく、一日があっという間に終わる毎日。
私が子供の頃はもっと時間がゆっくり流れていたような気が
する。
誰かがいつかグリニッジ天文台の基準時計を早回しにいじく
ったに違いない。
昔の一時間が今は三十分ぐらいになった感覚だ。
子供の頃、一時期名古屋からすぐの稲沢市というところに住
んでいた。
毎日が楽しかった。
用水路でザリガニを取ったり、空き地で猫と遊んだりしてい
るうちにお昼になる。
カーチャンと素麺食べてまた遊ぶ。
田んぼでタニシ取ったり、竹やぶでカナブン取ったりして遊
んでいると夕焼け。
エレベーター工場のタワーの向こうに沈む夕焼けを眺めたら
もうじきトーチャンが帰って来る、夕ご飯の時間だ。
家に帰ってミラーマン見て、絵本でも読んでいると台所から
ガス釜で炊くご飯のいい匂いがしてくる。
暗くなった頃にトーチャンが帰って来る。
トーチャンのひざの上でご飯食べて、ご飯の後は桶の風呂に
入って、後は寝るだけ。
それでも一日は今よりずーっと長かった気がする。
今はどうだ。
八時に起きて渋滞の中神経をすり減らしながら仕事場まで行
き、書類の山と電話応対に追われ、四時半に退社してまた神
経をすり減らしながら帰って来てすぐご飯を食べて、メール
のチェックに追われ、どうこうしているうちにもう十二時だ。
こんな生活もういやだ。
誰も来ない静かな森で、ラジオでも聞きながらのんびり暮ら
したい。
気が向いたら散歩に出て、気が向いた時にご飯を食べて、宅
配便や電気代の集金に追われること無く、のんびりしたい。
宝くじで６億円当たったらできるかな(笑
