普段チョコチョコ撮りに使っているデジカメ。
コンパクトでも一眼レフでもそうだが面白くない、と言うか愛着も
ない。
何でだろうと思っていたけれど、フッと思い浮かんだのは「匂い」
フィルムカメラは匂いがする。
匂いと言うと変だから「香り」としようか。
フィルムカメラは中身の油の匂いとか張り革の匂いとかフィルム自
体が発する匂いとかが混ざって独特の香りがする。
デジタルカメラではそれがないのだ。
無味乾燥、完全に家電製品の領域である。
昔は家電製品でも匂いがした。
中身の基盤とその部品やケーブルから発する独特の匂いだ。
今やその匂いも無くなってしまって家電製品も無味乾燥である。
写真の写りや腕前とは関係がない匂いなのだけれど、これが
「今写真を撮っている」と言うスイッチになったのだ。
人によって違うだろうけれど、それはどちらかと言うと少しセンチ
メンタルな香りだ。
フィルムカメラの香り、それはその気にさせる香りでデジカメには
ない香りなのだ。
それがないデジカメでは何となくやる気が起きないわけなのだ。
些細なことかもしれないけれどそういうのって大事かも。