OTA(Now On The Air)

JF3TBMの無線道楽雑記帳。その他、社会随筆も不定期に掲載。

●大阪・タクシー運賃、大幅改定へ。

2023年01月27日 | タクシー

大阪名物?といわれた『ワンコイン(初乗500円)』タクシーも姿を消しました。コロナ禍が、3年と長引き『乗務員離れ』も加速し、週末深夜や休日は『タクシーが不足』。京橋界隈は『半減したのか』と感じるくらいに、週末深夜はタクシー難民で溢れています。私たち、タクシー乗務員にとっては『やっと、商売がしやすくなった』のですが・・・。大阪のタクシー運賃改定に関しては、業界紙や新年社内訓示等で『公開』されたので、概要を書いておきます。

【写真:大阪名物『5/5割』も、なくなるでしょう】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆近畿運輸局が、料金改定への『審査』の動き。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

長らく『大阪名物』と揶揄された『5/5割』がなくなる様相です。

 

5/5割とは『5,000円を超えた分は、50%オフ』という、

なんとも就労意欲をなくす運賃体系でした。

これが『やっと、なくなる』方向性で進んでいます。

(KグループのY氏も、やっと折れてくれた・・・(笑))。

 

規定により70%以上のタクシー事業者が希望を出したため、

近畿運輸局も動き出しました。(まず、改定案審査から)

(※現在80%以上の事業者が改定希望の意思表示をしています)

 

・初乗運賃:710円(初乗距離は未定。現行1.7km:680円)

・遠距離割引:9,000円以上は10%割引

・爾後(ジゴ)料金:従来どおり80円ずつ加算(未定)

・爾後距離:現状より短くなる(メーターの上がりが早くなるが詳細未定)

 

概ね、首都圏エリア同等と予想しています。

 

初乗距離が、現行1.7kmを踏襲したとして、

旧運賃の2.0kmまで680円だったのと比較すれば、

改定運賃だと、2km乗ると、790円、870円あたりになるでしょう。

 

現在、840円くらいで乗れていた距離でも、

改定運賃だと、950円~1,030円(約1,000円前後)になると見ています。

 

また、消費税免税対象の個人タクシー事業者も、

インボイス導入によって減収が見込まれ、

運賃改定に手を挙げました。

 

概ね、16%~27%程度の値上げになるのは必至でしょう。

 

従来、10,000円分走っても、支払時には7,500円・・・。

 

もう、5/5割の役割は果たした、終わったのです。

この背景には、団塊の世代が『大量退職』するのを見据えて、

年金受給までの空白期間の雇用確保などが主目的でした。

 

5/5割だと儲からないのでは・・・?

 

もちろんやる気が失せるくらい、儲からない仕組みでした。

とはいえ、大量退職の雇用の受け皿だったタクシー業界は、

『運賃が高かったらホテルに泊まる層』を取り込むべく、

5/5割を強行し、ホテル需要をタクシーに向かせました。

ホテル層を取り込んだため、かろうじてやってこられたのが実情です。

 

その団塊世代のドライバーが、いよいよタクシーからも大量退職・・・。

 

2025年には、団塊世代全員が『後期高齢者』に突入します。

また、多くのタクシー会社が75歳~80歳の間で『定年退職』を告げ、

いよいよ、タクシー業界も乗務員不足が深刻化します。

さすがに、後期高齢者乗務員の再雇用は、一段と難しくなるでしょう。

 

今度は『若い乗務員が家族を養って食べていけるように』と大変革。

 

まぁ、昭和時代のように『元通りになるだけの話し』なのですが、

平成に入って以来『就職氷河期世代』が『ハケン』で苦しむ中、

まだ、ハケンより自由度が高く、高収入も期待できるタクシー業界に、

若い人が、少しずつ入ってきています。

 

今までのように『供給過多』はありません。

 

すでに、需給バランスが逆転している地域もあり、

『どこそこまで行ってくれや』的な、横柄な乗客も激減しています。

 

運賃改定で、一時的なタクシー離れはあるでしょう。

 

とはいえ、運賃が少々高くなっても『乗る人は乗る』のです。

むしろ、タクシーを必要とする人が、乗れればいいのです。

今までのように『安いから』で乗っていた人は、

ホテルに泊まるなり、朝まで飲み屋で過ごすなり・・・。

 

安いから乗っていた人が減ると、本当に必要な人に回ってきます。

 

2025年、大阪万博も開催されます。

コロナも落ち着き、インバウンドも期待されています。

だんだんと『加齢臭のする、おっちゃんタクシー』が減り、

接客の質も、ずいぶんよくなってきました。

 

・乗客も、アプリでタクシーを選ぶ時代ですが

・タクシーも、乗客を選ぶ時代に戻りつつあります

 

やっと、ウインウインの関係に戻り、

等価交換、双方がイーブンの関係に戻ります。

今までのように『雲助扱い』していたら、

社会的に下に見ていたタクシーから『乗車拒絶されるかも』知れません。

パワハラ客、モラハラ客には、運送約款に従い『対処』されます。

 

すでに『初乗500円台』の『安モンタクシー』は激減しました。

 

いろんな価格が高騰していますが、

本当に必要な方に、ご利用いただけるようになりつつあります。

また、若い層が、この稼業できちんと生計が立つようになってきました。

 

運賃改定は、2023年末繁忙期頃と予測しています。

私たちも襟を正し、接客の質を上げています。

 

毎度おおきに。ほんじゃーね!


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※記事は、表現と言論の自由に則ったエッセイで、
 公人を除き、登場する個人・団体名は全て架空のものです。
※時事問題については、筆者個人の考えです。
※SNSなどの他サイトへリンクやリツイートはご遠慮ください。
※Twitter等、拡散性の高いSNSでのコメント合戦はお断りします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright:(C)2023 Ota-Tadashi All Rights Reserved.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※下記の広告は本記事とは無関係です。