2024年8月の北海道ツアーには、車にFT-991AMとHF帯のモービルホイップアンテナを積んでいった。6mでは国内があまりオープンしなかったので、7MHzのFT8運用が主体となった。FT-991AMは50W機だが、FT8の場合フルパワーで運用するとファイナルに負荷がかかり、それを飛ばしたという話も聞くので、20W~30W程度に出力を絞って使っていた。それでも国内QSOは十分である。
FT8だけなのもアレだしなと思い7MHzのCW運用(50Wのフルパワー)を行い、またFT8に戻ったらパソコンが無線機を認識しないのである。なんじゃこりゃああ!! FT8ができんやないかい。
①無線機とパソコンを再起動した⇒NG
②COMポートを確認したら、仮想COMポートで無線機を認識していない。
③仮想COMポートソフトの問題かもと考え、ソフトの上書きを実施⇒NG
④COMポートを認識しない以外では不具合はない。SSB/CW/FMは正常である。
万策尽きました。メーカー保証は切れています。購入したハムショップは遠いので、直接メーカーに修理依頼をすることにしました。
八重洲無線のHPから修理に関する情報を得て、事前に既定のフォーマットで問い合わせをしたところ、修理受付可なので福島のSC(サービスセンター)に送るように返事がきました。また、修理が込み合っているので日にちがかかる旨の注意がありました。
購入時の箱に入れて福島に送付しました。
数日で、到着の案内と見積書がメールで到着しました。修理代金+送料+代引き料金+消費税で、総額29.7K円です。(修理も高くなったなあ)
日にちがかかるということで、待つこと約5週間で電話連絡がありました。修理完了したので、代引きで送付するとのことです。費用は見積通りでした。
修理内容は、USBインターフェイスIC「 CP2105-F01-GMR」が故障しているので交換とのことです。原因としては、「ICに異常電圧がかかったための故障です、ご注意下さい」と書かれていました。
この CP2105-F01-GMRを調べてみたら、約4mm四方の正方形で24pinの形状のようです。実装状態は見ていないのですが、小さくてはんだ付けする場所が多いICを自分で交換するのはしんどいなぁという感想です。メーカー修理が無難かなあ。
注意としては「ICを交換しているのでCOMナンバーが変わっています、お使いのソフトで設定変更して下さい」とありました。
早速、動作試験を行います。指摘どおり、COMポートナンバーは変わっていたので、デバイスマネージャで調べてWSJT-X側の設定変更を行います。
まだ動かないので、仮想COMポートのソフトウェアの上書きを行い、パソコンを再起動したところ無事に無線機を認識しました。無線機側の各種設定は、FT8用に変更していましたが、それらはそのままの状態でしたので助かりました。
【故障の考察】
USBインターフェイスのICに異常電圧がかかったということですが、パソコンのUSB端子からどうして異常電圧が発生したのか?
・車での運用のため、無線機からモービルホイップアンテナ間の距離が1m程度で近い。
・FT8で運用する場合は、パワーを絞っていた。
・CWで運用する場合は、フルパワーだった。また、無線機とパソコンケーブルはつないだままである。
以上の事から推測ではありますが、無線機アンテナ間の距離が近いため、RFの回り込みで瞬間的に過大電圧が発生したか?
【傾向と対策】
・無線機とアンテナを極力話したい⇒車での運用の場合は難しい
・CWのフルパワーで運用する場合は、USBケーブルを外す。⇒ハムログと連携する場合は、無線機の周波数自動取り込みができなくなるが仕方ない。(これが一番現実的か)
・CW運用時のパワーを低減する。⇒とは言うもののできれば50Wは欲しいところ。
・USBケーブルにフェライトコアを入れる。(これはある程度効果はありそう)
と考えられますが、50W程度で運用してUSB_I/Fが壊れるか? ちなみにパソコン側の故障はなく、無線機側のみ故障しました。
工賃も高いし、部品代はメーカーやモノによりますが「その製品を作るために会社が量産用として買った時の3〜5倍の値付けをサービスパーツ代としている。」場合が多いようです。
なぜこんなにボッタクるのか?
理由は修理は儲からないからです。メーカーの本心は「ケチって修理なんか出さずに新商品買えよ!」なんです。
でも一般電気製品に比べたらまだ車の修理の方が良心的に思います。
車の修理って、僅かでも物凄く高いですが、生産ラインで使う大量購入の部品と比べてもそれほどボッタクり価格でも無さそうですし、高価になる場合は相談すればディーラーでもサードパーティ部品や中古部品を使ってくれる事もあります。
国内最大のあの自動車会社でも相談すればそのように対応してくれます。
ところでICの損傷との事ですが原因の特定は難しいと思いますがUSB関連に繋がるICならば、そのポートへの異常電圧印加(RF回り込み含む)によるICのラッチアップや全てのIC内には必ず存在する寄生サイリスタが回り込みや高電圧でトリガーされて、過電流が流れ続けて壊れるとかなのかな?と思いました。
サイリスタは瞬間でもトリガーされると大元の電流が止まるまで、またはデバイスがぶっ壊れるまで電流は止まりません。
それとロジックICや外部ポートに繋げるICは最低でも必ず入力ラインと電源側及び対アース間に入力のオーバースイング防止のダイオードが入っていますが、これはサージ電圧でいとも簡単に壊れるのです。
以前、OEMで産業用無線データ端末を設計していたときに納入先から「ポートに繋がるICの全ての端子には保護用のディスクリートダイオードを入れること。内部のダイオードは簡単に壊れるので信用出来ない。」と言われた事がありました。
当然コストはかなりアップしますが産業用だったので、そのコストアップ分含めても悪どいほどボロ儲けしましたが。
20年以上前の機器だと、回路図も付いていたので自分で直すかなと思いますが、今の無線機はチップ部品なので手がでません。金さえ出せば、メーカーがやらない修理もやってくれるところはありますが、さすがにどうしても直したいという以外は厳しいです。とっとと新品を買えということなのですね。
過電流の件は了解しました、CWを運用するときはUSBケーブルは抜こうと思います。また3万円は痛すぎます。