この三菱製エンジンは、当時の整備解説書には三菱DR型ディーゼルエンジンと記載されています。4DR5エンジンとしては、4DR50ADエンジンと4DR50Aエンジン、更に4DR51Aエンジンの3種類のものが三菱ジープ用に設定されていました。厳密にいうと4DR50ADエンジンは自衛隊向けJ54Aに専用に開発されたものになります。実は、4DR5エンジン用のラジエターホースの開発に着手した際にこの3本のラジエターアッパーホースのパイプ内径を測定したことがございます。どなたもこんなデータは所有されていないと思います。
- 3本ともウオーターアウトレットパイプ側のパイプ内径とラジエター側のパイプ内径が異なっています。つまり左右でパイプの内径が異なっているということです。このあたりラジエターホースの奥の深さに驚きます。
- 更に、4DR50ADと4DR50Aエンジンでこれまたそれぞれの内径が異なっています。
つまり4DR50ADと4DR50Aエンジン用のラジエターホースには互換性がないということです。自衛隊向けJ54Aのラジエターホースは種類が違うということです。
- ちなみに電子ノギスで測定したところ以下のような関係になっていました。(mm)
4DR50A 4DR50AD 4DR51A
ウオーターアウトレットパイプ側 38 40 38
ラジエター側 36 37 36
以前にも触れたことがありますが、もしかしたら4DR50Aエンジンが搭載された三菱ジープの生息数そのものが少ないのかもしれません。あらためて4DR50Aエンジン用のラジエターホースと4DR51Aエンジン用のラジエターホースの製品画像をアップします。両方のラジエターホース、実は純正部品番号は全く異なった法則で設定されていますが、前回ご説明したように何のことはないロアホースは実は共通部品だったのです。つまりMA316954=MB007914なのです。しかしながらアッパーホースは、ウオーターアウトレットの形状が異なるため互換性はありません。といいながら、車両生産時のウオーターアウトレット関連の部品在庫が切れてしまったのか、4DR50Aエンジンのラベルが装着されたエンジンであっても、4DR51Aエンジン用のラジエターホースが適合する場合が本当にあります。このあたりの生産対応は三菱自動車の伝統のようなものだと思います。（続く）
《4DR50A》
《4DR51A》
★三菱ジープ互助会★
代表発起人J57改＠日野市
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塩井まで。
