「クルンバーの謎」
コナン・ドイル著
創元推理文庫
コナン・ドイルと言えば、無論シャーロック・ホームズの作者ですよね。
自分はもう小学校の頃からシャーロック・ホームズものを読み続けて
新訳が出るたびに読み直しています。
理論的、科学的な推理が醍醐味であるホームズものが有名な為、
著者であるコナン・ドイルも同様の主義主張を持っていると思われがちですが、
実際の所はそうでもなかったようです。
ドイルが読者からホームズものの新作を書き続けることを求められる状況に
否定的だったのは、何度もシリーズ打切りをしようとした事からも明らかです。
と、言うのもドイルは実に多作家で、歴史ものや超自然的な著作が多く存在し、
これらの作品群を仔細に読み込むと、ドイルは自身の作家としてのイメージが
ホームズものだけに定着するのを嫌っていた様に感じられるのです。
前置きが長くなってしまいましたが、本著は、そんなドイルのホームズもの以外の
著作を集めた全集の3冊目に当たります。
特に、本著には東洋にかかわるミステリとオカルトめいた超自然的な作品が
5編収められています。
なんといっても、表題の中篇が最も印象的なミステリになっていますね。
インドの仏僧による因果の応報という、東洋的な趣味溢れる作品になのですが、
これについては、後に発表することになるホームズの「四つの署名」に通づる
ものがあると、解説でも書かれています。
本著の一連の作品を読むと、一般の常識では計り知れない不思議な力にドイルが
興味を引かれていた事が分かります。
更に本著の作品の書かれた年代と、ホームズものの書かれた時期を照らし合せると、
ドイルは理論的な話と、説明不可能な怪奇譚を著作ごとに自在に書き分けている事が
分かり、なかなか興味深いのです。
こうした楽しみは実に近年はじめて知った訳で、ホームズものは少年期から
大人になるまで何度も読み直すに値する作品なのだなあ、と痛感するのです。
コナン・ドイル著
創元推理文庫
コナン・ドイルと言えば、無論シャーロック・ホームズの作者ですよね。
自分はもう小学校の頃からシャーロック・ホームズものを読み続けて
新訳が出るたびに読み直しています。
理論的、科学的な推理が醍醐味であるホームズものが有名な為、
著者であるコナン・ドイルも同様の主義主張を持っていると思われがちですが、
実際の所はそうでもなかったようです。
ドイルが読者からホームズものの新作を書き続けることを求められる状況に
否定的だったのは、何度もシリーズ打切りをしようとした事からも明らかです。
と、言うのもドイルは実に多作家で、歴史ものや超自然的な著作が多く存在し、
これらの作品群を仔細に読み込むと、ドイルは自身の作家としてのイメージが
ホームズものだけに定着するのを嫌っていた様に感じられるのです。
前置きが長くなってしまいましたが、本著は、そんなドイルのホームズもの以外の
著作を集めた全集の3冊目に当たります。
特に、本著には東洋にかかわるミステリとオカルトめいた超自然的な作品が
5編収められています。
なんといっても、表題の中篇が最も印象的なミステリになっていますね。
インドの仏僧による因果の応報という、東洋的な趣味溢れる作品になのですが、
これについては、後に発表することになるホームズの「四つの署名」に通づる
ものがあると、解説でも書かれています。
本著の一連の作品を読むと、一般の常識では計り知れない不思議な力にドイルが
興味を引かれていた事が分かります。
更に本著の作品の書かれた年代と、ホームズものの書かれた時期を照らし合せると、
ドイルは理論的な話と、説明不可能な怪奇譚を著作ごとに自在に書き分けている事が
分かり、なかなか興味深いのです。
こうした楽しみは実に近年はじめて知った訳で、ホームズものは少年期から
大人になるまで何度も読み直すに値する作品なのだなあ、と痛感するのです。
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