「ありがとう」のかわりに

日曜日に、実家の母親に顔を見せに行くことになりました。
本当は、キモノ友達との楽しい会がありましたけれど、今回は断念いたしました。

あたしの母は、今のあたしと同じくらいの歳にあたしと兄を産み育てました。
結婚して10年以上経ってからの子供でしたから、それはそれは愛情を沢山もらいました。
以前はそんな愛情が重たくて反発した次期もありましたが、今ではとても有難く思っています。
ただ、やはり、なかなか面と向かって言葉では言えないですね。

だから結婚して11年になりますが、毎月一回夫婦で会いに行きます。
心配性な母ですから、平日にあたし一人で行ったとしたらかえってヘンに思うことでしょう。

実家までは車で50分弱の距離で、父も健在ですし兄もまだ結婚せずに同居しています。
あたしの部屋は、結婚して家を出た途端に物置化しているので、あたしにとって実家はあまり居心地が良いわけではありませんが、それでも月に一度帰るのは欠かしたことがアリマセン。

では何故実家に行くのか？
それは、母親に自分の顔を見せることで、「ありがとう」を伝えたいのです。
小さな体で、自分の楽しみより子供優先で育ててくれた母親から「今度はいつ来るの？」と聞かれたら、やはり「用事があるからまたね」とは言えません。

あたしには子供がいません。
だから、子を思う母親の気持ちも子育ての苦労も分かりづらいのですが、それでもこの歳になって(この母親の子供に生まれてよかった)と思えるようになりました。

母に会えば憎まれ口しか出ませんが、母親に会うと自分の原点に戻るような気がして(面倒くさい)と思っていた以前よりは、楽しみになってきました。

もし「ありがとう」なんて言ったら、最期のお別れみたいでやはり言えません。
だから、その言葉はもう少し先にとっておきたいのです。

日曜日はいつも母の大好きなお菓子を買っていきます。
そしてまた沢山の「ありがとう」を伝えてきます。