この日ゆくのんは、1年と3ヵ月を過ごした施設から、実家から車で約10分の特別養護老人ホーム(特養ホーム)へ移りました。
今までの施設は、医療上のケアやリハビリテーションに重点を置き、病状の安定している人が自宅に戻れるよう支援する入所施設です。
6月末に要介護認定調査を受けたゆくのんは、もうリハビリの必要がないくらい認知症の症状も身体的な衰えも進行していました。
ですから同じ時期に特養ホームの面接を受けた後、すぐに入所が決定したのです。
すなわち今のゆくのんは、寝たきりや重い認知症などで日常生活全般に常時介護を必要とし、自宅での介護が困難になっている状態です。
特養ホームの入所が決定したと、兄からの連絡を受けたときに私は泣きました。
なかなか入所できない方もいらっしゃるという特養ホームに、申し込んで約一年で入所できるのはかなり珍しくラッキーなことで、こうゆう場合家族としては喜ぶべきなのでしょうが、私はゆくのんの認知症がかなり進行しているという現実を突きつけられた様で哀しかった。