柳は緑、花は紅

ありのままのすうざん

お久しぶりです。

2011-07-17 17:13:13 | Weblog

随分とブログを休んでしまい、心配された方からは、お出かけのお誘いメールや新しい着物ショップの情報メール、そして素敵なお葉書も頂戴しました。

本当にありがとうございました。

何度もブログを書こうと思いましたが、なかなかパソコンに向かうことが出来ない状態でした。

そして本日、ようやく書く覚悟が出来ましたので、お久しぶりに近況をお知らせします。



土砂降りの七夕

2011-07-17 17:00:37 | Weblog

この日ゆくのんは、1年と3ヵ月を過ごした施設から、実家から車で約10分の特別養護老人ホーム(特養ホーム)へ移りました。

今までの施設は、医療上のケアやリハビリテーションに重点を置き、病状の安定している人が自宅に戻れるよう支援する入所施設です。

6月末に要介護認定調査を受けたゆくのんは、もうリハビリの必要がないくらい認知症の症状も身体的な衰えも進行していました。
ですから同じ時期に特養ホームの面接を受けた後、すぐに入所が決定したのです。

すなわち今のゆくのんは、寝たきりや重い認知症などで日常生活全般に常時介護を必要とし、自宅での介護が困難になっている状態です。

特養ホームの入所が決定したと、兄からの連絡を受けたときに私は泣きました。

なかなか入所できない方もいらっしゃるという特養ホームに、申し込んで約一年で入所できるのはかなり珍しくラッキーなことで、こうゆう場合家族としては喜ぶべきなのでしょうが、私はゆくのんの認知症がかなり進行しているという現実を突きつけられた様で哀しかった。


春のゆくのん

2011-07-17 16:43:51 | Weblog

振り返ると、今年の春は寒い日が続き、桜が待ち遠しかったですね。

そんな4月の上旬、私がゆくのんの面会に行った日はとても暖かく、施設近くの公園の桜が満開で丁度見ごろになっていました。

そして偶然にも、ゆくのんの施設の入所者さんたちとスタッフさんがお花見をするというので、私も参加することにしました。

思えば昨年の今頃は、実家近くの桜をほぼ毎日ゆくのんと一緒に見に行っていました。
今年もこうして一緒に桜を見ることができたことに喜びを感じつつ、来年もまた、こうして一緒に桜を見るだろうとこの時は思っていました。

この頃は血圧も安定し、「夜も自室(4人部屋)でぐっすりと眠ることができるようになったんですよ」と、スタッフさんから初めて聞きました。

というのも、昨年の4月に入所して以来、深夜に起きたゆくのんが不安になって、兄や私の名前を泣きながら呼んでいたそうです。
そうすると同室の方達が起きてしまい迷惑がかかるので、就寝時間になるとゆくのんのベッドをスタッフさんたちの目の届くところに置いて、ゆくのんの世話をしてくれていたようです。

この話を聞いたとき、ゆくのんがどんなに不安だったか寂しかったかと思うと、胸が張り裂けそうになりなるのと同時に、仕事とはいえスタッフさんの優しい配慮に心から感謝しました。




進む、ゆくのんの症状

2011-07-17 16:16:48 | Weblog

5月になっても、体調がよい時は落ち着いて会話・・・と言っても長い話は出来ませんが、それでも私の名前を呼んだり、昔話や他愛も無い話をすることは出来ました。

が、体調が悪いと、車椅子に座りっぱなしのせいか体中が「痛い」と繰り返し訴えます。そんな時には、ゆくのんの身体を優しくさすりながら落ち着くのをひたすら待ちます。
たった一週間に一回の面会でも、こうして世話をしているとゆくのんが愛おしく感じてきます。

そして6月のある日、ゆくのんがふと「もうガンバル気力が無くなった」と呟きました。
私はこの時まで、ゆくのんがどれほどこの施設で気を張っていたかを知らずにいました。知らずにいた自分が情けなく、ゆくのんに対して申し訳ないような気持ちになり、ゆくのんにはもう「頑張って」とはとても言えず「今まで十分に頑張ったんだから、もういいよ」と答えました。

その日を境に、ゆくのんの認知症の症状が悪化し身体的な衰えが加速したのです。

施設に入所した当初は、一日3食きちんと食べていた食事も2回に減り、食事の内容もかなり細かく刻まないと飲み込めなくなって、食事のペースも遅れがちに。
私が面会のたびに持ってきている、ゆくのんが大好きなオレンジジュースも飲めない日が増えてきました。

6月下旬の要介護認定調査の日を迎える頃には、素人の私が見ても明らかに要介護度が上がっている様子です。

その際調査員の方に、今後の介護プランはどうするのかと聞かれ「明日の午後、特養ホームの面接があります」と告げると、あまりのタイミングのよさに一瞬驚いた様でしたが、「それはよかったですね。ずーっと居られる場所があると落ち着きますから。(ホームが)決まるといいですね」と少し喜んでくれました。

そうなのです。これまでお世話になっている施設は、あくまでリハビリ施設ですので、いずれは退所しなければなりません。
そんな話をしている私たちの横で、相変わらず「痛い。痛い。」とゆくのんは言っていました。


ゆくのんの認知症

2011-07-17 16:16:35 | Weblog

ここで不思議に思いませんか?

認知症って、こんなに早く進行するの?って。

私はゆくのんが認知症と診断されてから、ずーっとそう思っていました。

モチロン進行の度合いというのは、環境にも左右されやすく、その人の性格によっても違うとは思いますが、それにしてもゆくのんの場合は、私の対応が追いつかないほどに早く感じました。

そしてある介護の本には「施設の入所や入院などの急激な環境の変化によっては、認知症の症状がひどくなる」と書かれてありましたので、私はずーっと心の中で、ゆくのんをこうゆう状態にしてしまったのは、自宅での介護を諦めた私たちのせいなのかもしれないと、自分で自分を責めていましたが、最近別の介護の本を読んでそうではないのかも。と思えてきました。

昨年、ゆくのんが受けた認知症の診察では、簡単なテストをしただけで、本人の強固な意志によりMRI検査やCTは受けていませんので、頭の内部構造をキチンと確認したわけではありませんが、これまでのゆくのんの症状を看ていると『レビー小体型認知症』というあまり聞いたことが無い種類の認知症の特徴と殆ど合致するのです。
(この認知症について、詳しく知りたい方はHPなどで調べてみてください)

その特徴の中の一文に、アルツハイマー型認知症の場合に比べて10倍はやく寝たきりになる。とあり、私が感じていたゆくのんの認知症に対する疑問が解けた気がします。
そして、少しだけ気持ちが楽になりました。

その後のゆくのん。

2011-07-17 15:34:02 | Weblog

特養ホームへ移る日は、晴れ女のゆくのんには珍しく、朝から土砂降りでした。

施設に迎えに行くと、先に兄が来ていていろんな手続きをしています。
この日のゆくのんはというと、前日は自室でスヤスヤ寝ていたのに、今朝になって発熱し血圧も高くなってしまったと、スタッフさんが申し訳なさそうに言っていました。

いくら天気が悪くても変更することは出来ませんので、お世話になったスタッフさんに見送られ、親子3人で雨の中を久しぶりのドライブになりました。

リハビリ施設から特養ホームまでの道のり、始めは話しかければ答えていたゆくのんですが、体調があまりよくないまま苦手な車に揺られたせいで、目的のホームに着く前に具合が悪くなり、ホームに到着するなりすぐに部屋のベッドで横になりました。

この日からゆくのんはこのホームの住人になります。

リハビリ施設に居た頃は、あくまで住所は実家でしたが、特養ホームに入るということは、ここに最期まで居るということになるそうです。
住所も移りました。

リハビリ施設よりも特養ホームの方が、家族の負担はかなり減るそうですが、実感はまだありません。
リハビリ施設には「預かってもらう」で、特養ホームは「任せる」ということでしょうか。

これでもう、私の実家に居るのは兄だけで、その兄も近いうちに出て、その後は跡形も無く壊されてしまいます。

即ち、私が20年間住んだ実家はもうすぐ無くなります。


ゆくのんのこれから。

2011-07-17 15:08:10 | Weblog

ゆくのんが特養ホームに移って四日後、ゆくのんが気になって一度面会に行きました。

今までの施設は我が家から近く、電車に乗って10分で最寄り駅に到着し、駅から徒歩数分という、私にとって大変都合のよい場所にありましたが、こちらの特養ホームは、電車を二回乗り継ぎ、最寄駅からはタクシーを使っても片道一時間以上かかります。

今までのように、気軽に行ける距離ではなくなりました。

ホームに到着しゆくのんの部屋(4人部屋)に入ると、窓際のベッドで横になっていました。近づいて話しかけると簡単な返事は出来ますが、ゆくのんが何を私に話しかけているのかは分からず。その前に、私のことが分かっているのかのも・・・。
それでもたった一言だけ「今何時?」と、いつもの優しい声で聞いてくれたので、多分分かっているのだと思う。と思いたい。

それから二言三言話して、ゆくのんの頭をなでていたらそのまま寝てしまい、まだおでこが温かいのが気になりつつ、他の同室の方たちも寝ているようでしたので部屋を後にして、また一時間以上かけて帰りました。

流石に疲れたのか、次の日の朝に足元がふらついたので、その日は一日休みました。

先日ゆくのんに会ってきた兄からのメールでは、特養ホームに来てから一週間が経つのにまだ微熱が下がらない。とスタッフさんに言われ、食事もミキサー食でないと食べられないそうだ。とありました。
でもこの日のゆくのんは、兄のことは分かったが何も話さずに、ただ兄が撮った猫の写真を見せたら喜んでいたらしい。

実は私たち兄妹は、この先あまり長くないと感じています。
それは年単位ではなく、月単位で。

年内までもつのか、もしかして80歳になる九月まで、それともお盆まで?

だからもう少し、その日が来るまで、ゆくのん優先の生活を送りたいと思います。



私から伝えたいこと。

2011-07-17 14:12:03 | Weblog

ゆくのんの認知症を通じて、いろいろと経験しました。

以前から『親が認知症になった時』を覚悟していたと思っていたけれど、いざ本当にその時がきたら、私の『覚悟』がいかに薄っぺらい『覚悟』だったかを思い知らされました。

まず、認知症に対しての知識が、殆どありませんでした。

介護保険については、兄が少し前から調べておいてくれたので、その点は助かりましたが、認知症は病院の何科に相談すればいいのか、、、そんな事すら知らなかった。

暫くして介護についての本をいろいろ読むようになり、ある程度の知識が増えたとはいえ、本には書かれていない事も数多くあるのも事実です。

このブログを観てくださっている方で、これから先、ご両親の介護が必要になる時に、少しでも私の経験がお役に立てればよいかと思い、私の反省もこめて書き出したいと思います。


なかなか話しにくいとは思いますが、ご両親がもしそうなった時に、どうしたいか、どうして欲しいかを相談してはいかがでしょう。

在宅介護がいいのか、いずれ施設に入所したいのか。

どちらの場合でも、ある程度のお金が必要になりますので、その用意があるのか。

私の両親もですけど、殆どの方は在宅介護を希望します。

そうなると認知症の程度にもよりますが、介護ヘルパーを依頼されることをおススメします。
これはヒゲ君の同僚の方のお話ですが、その方はお父様の介護をお母様が自宅で介護されていて体調を崩し、急に入院をされたそうです。
介護ヘルパーがいらしたかどうかは分かりませんが、一日に一時間でも身体を休める時間があれば、介護は楽になると思います。

ただその場合、介護される方と介護ヘルパーの相性がありますので、一度でいいからどんなヘルパーさんかお会いするといいでしょう。

ゆくのんの在宅介護をしていた約二ヶ月間、数人の方がローテイションを組んでゆくのんの世話をしてくれました。
ある日偶然ですが、一人のヘルパーさんに会うことがありましたが、その方の印象があまりよくなくて気になっていました。
この時に、ヘルパーさんと私たち兄弟は交換日記のようなことをしていましたので、いつどのヘルパーさんが来ているかが分かったのですが、どうも私が気になるヘルパーさんが来たときに限って、ゆくのんの機嫌がよくないのです。

“認知症”は出来事は忘れても、その時に感じた感情の記憶は暫く残るそうです。

ある日の日記を見ると、印象がよくなかったヘルパーさんの記述に「お風呂のお湯の沸かし方が分からなかったので、お母様にはお風呂を止めてもらいました」とあり、私は驚きと怒りで口がきけませんでした。
ゆくのんが自分から「お風呂は入らない」と言っていないのに、自分が出来ないからといってお風呂を勝手に止めるなんてっ!
分からないなら教えてもらおうとは思わなかったのでしょうか。
しかもこの時点で、もう一ヶ月が経過していましたので、このヘルパーさんが来たときは、ゆくのんは風呂無しだったということになります。
この後すぐに連絡して、この方は夜の時間からはずしてもらいました。

あと、近いうちに施設の利用を考えているのなら、早めに健康診断を受けておくとよいでしょう。日帰りのデイサービスの場合でも、宿泊のショートステイの場合でも、必ず診断書を提出するように言われます。

そして、介護ヘルパーにをお願いするときや施設利用の前に、その度に必ず面接があり、その手続きの際には保証人が二人必要になってきますから、事前にご家族の役割を決めておくと煩雑な手続きも、少しはスムーズになります。

他にもいろいろあったかもしれませんが、あまりに一度にいろんな事がありすぎて忘れてしまいました。

大変なのは、ご家族も介護される本人も一緒です。
出来る限り協力してください。