時の観察者 no つぶやき

世の中嘘ばかり。何が真実なのか?

中国大陸からの「越境汚染」 米にまで影響?

2008-03-21 10:37:52 | 自然/環境
中国大陸からの大気によって光化学オキシダントの濃度が上昇する「越境汚染」問題で、
日本海沿岸部のある地点のコメの収量を調べたところ、
内陸部との比較で約1割少なくなっているとする研究結果を、
農業環境技術研究所(茨城県つくば市)が3/20、
山口県で開かれた日本農業気象学会で発表したようだ。

近年、光化学オキシダントが高濃度で観測されているようだが・・・
農作物の収量減少に関連づけた研究は今までに発表されてはいなかった。
実際に濃度と収量の関連が裏付けられたのは初めてということらしい。

研究は、
品種と肥料水準は同一の米において
日本海沿岸部の1地点と
約30km内陸に入った1地点で
1980年からの収量データを比較。

両地点の近くで測定された光化学オキシダントの5~9月の平均濃度、
2001~2005年の平均で
沿岸地点---0.045ppm、
内陸地点---0.031ppm

濃度は沿岸、内陸ともに上昇。
沿岸では1996~2005年にかけて毎年、内陸部の2倍にあたる0.001ppm高くなっていたらしい。

両地点の玄米の1平方メートル当たりの収量は、
沿岸
1980~1996年----平均588g
1997~2005年----平均560g

内陸
1980~1996年----平均577g
1997~2005年----平均609g

1980年代は沿岸の方が内陸よりも多かった収量が、1990年代半ばから逆転し始め、2000年以降は内陸が沿岸を常に上回ったようだ。

沿岸では、内陸と異なり、夜になっても光化学オキシダント濃度が下がらなかった。
夜間に海からオゾンが流れ込み、昼間の高濃度を保ったとみられているようだ。

東大農学部教授によると、
「収量が減るのは、光化学オキシダントの主成分であるオゾンが植物の葉の中に入り、光合成作用を妨げるため。」ということらしい。

農作物への影響について、
中国の研究者らは
「2020年には濃度が0.055ppmを超え、大豆、トウモロコシ、小麦の収量が40~60%減少する」と推定しているようだ。

近年、CO2削減ということでバイオ燃料が注目され始め、穀物全体の価格が高騰してきている上に、
全体の収穫量が減ってきてしまったら・・・
燃料への転化どころではなくなってきてしまう。
地球気温変動の影響は様々なところへ出始めているようだ。

宇宙を航行する「地球号」の未来はいったいどうなるのやら・・・
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