異邦人 上・下
パトリシア・コーンウェル 著 講談社文庫 / 2007.12
全米女子テニス界のスタープレイヤーが休暇先のローマで惨殺された。
遺体はひどく傷つけられ、くり抜かれた眼窩には砂が詰め込まれていた。
イタリア政府から依頼を受けた法医学コンサルタントのケイ・スカーペッタは、
法心理学者のベントンと共に、事件の調査に乗り出した。
検屍官シリーズ待望の第15弾。
検死官シリーズ、大好きでした。
大好きだったのですが、いつの間にか、積ん読コーナーに……。
久しぶりに読みたくなって(くれたので)、この後も検死官シリーズの感想が続く予定です。
前作でも感じた“イマイチ”が、今回も…。
物凄くプロで、リアルで、残虐で、引き込まれるお話ではあるのですが、さすがに飽きてしまっているのかもしれません。
残虐な事件の他に、さすがに15作目ということで、登場人物にも思い入れがあり、今回は、マリーノが可哀想でした。
ローズも年老いたうえに病気になってしまい、ルーシーも脳に腫瘍ができてしまい、スカーペッタはベントンと婚約し…と、それぞれに劇的な展開を用意したことも、“敢えて”の変化なんだろうなと感じました。
でも、これほどのプロフェッショナルな作品は日本人作家ではお目にかかれないので貴重だと思います。