ただの映画好き日記

観た映画と読んだ本の自分用メモ。

老犬クー太18歳 / 小堺正記

2008-07-27 | 本 犬本


  老犬クー太18歳 一匹の柴犬と家族のものがたり

  小堺 正記     文藝春秋 / 2007.3



  鎌倉・材木座海岸の近くに住む齋藤家に、クー太がやってきたのは20年前のこと。
  波打ち際で走り回っていたやんちゃな子犬は、あっという間に家族の年齢を追い越し、
  気がつくと、目が見えない体の不自由な老犬になっていた。
  「クー太の目となり、耳となって、できるだけのことをしよう」齋藤さん一家の、必死の看病が始まった…。

  プロローグ TV番組「老犬クー太18歳」の誕生
  第1章 クー太がわが家にやってきた
  第2章 喜びも悲しみもいつも一緒だった
  第3章 クー太の異変
  第4章 老犬介護の日々
  第5章 「弟」の旅立ち
  第6章 ありがとう、クー太
  クー太への手紙
  エピローグ 裏切られ続けた番組
  介護アドバイス 「獣医師さんに訊く老犬介護のツボ」






NHKの『にんげんドキュメント』という番組で放送されたそうですが、残念ながら私は見ていません。
本当に残念。。

うちの柴犬ハナも今年で9歳になります。
最近は、それ程暑くない時にも散歩ではハアハアと呼吸が荒くなったり、無理に長い距離を歩こうとしなくなったり、今まで滅多にしなかった下痢をして、尚かつ、完治にかなりの日数がかかるようになったり、去年は膀胱炎も患ったし、お顔にも白い毛が多くなって近所の人にも「ハナちゃん、お顔が白くなったね」と言われたり、普段のわがままやんちゃぶりは健在だけど、目に見えて徐々に老化していることを実感しています。

そして、近い将来、訪れるであろう介護については、決して他人事ではなく、仔犬の頃のしつけへの覚悟より大きな覚悟として意識しています。
その事については、夫ともよく話をしているのですが、身体的な老いについて考えているようで、やはり、犬の性格を重視していることに気がつきます。
やはり、仔犬のころから一緒に暮らしているのですから、犬の性格については誰よりも理解しているので、プライドを傷つけないように、少しでも快適に過ごせるように介護をしたいと思っていました。

クー太君も、お父さんの定年と同時期だったこともあり、常に家族の誰かが側にいてくれるという幸せな日々を過ごせたんだろうと思います。
夜中の散歩や、顎と胴を支えながらの散歩など、本当に大変だったと思います。
そんなクー太君の介護が3年も続き、一日中、お世話をしていたお父さんがクー太君に書いた手紙に、

 今になってみれば、クー太の介護は、長かったようで短かった、というより、あっけなく終わってしまった感じがする

と書いています。
このお父さんの言葉が、私はとても印象的でした。
クー太くんが亡くなって喪失感でいっぱいだと思うけど、でも、やり遂げた、見送れたという気持ちもやっぱりあるんだな~と思ったのです。

いずれ訪れることが分かっている介護と最期だと思います。
自分の年齢や体力を考えてペットを迎えるべきだな~と思わされます。
もちろん、それぞれの家庭の事情もあるので、どこまで介護するべきかとか、ペットの苦しみの度合いも充分考えなくてはならないと思います。
ペットの最期なんて考えたくないけど、それは、きちんと考えておかなければならないことなんですよね。
これ以上書くと想像だけで号泣してしまいそうなので、この辺にしておきます(笑)。

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2 コメント

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愛しいです (マーちゃん)
2008-08-01 19:09:21
この番組は見ました。2、3年前だった(もっと前だったかも)と思います。クーは足腰が不自由になっても、外でオシッコをしたがるのですよ。その都度、お母さんが抱きかかえるようにお外に出してやっていました。歳をとっても日本犬の特性というか誇りを持ち続けていて、それを飼い主さんが尊重してあげている姿に感動しました。

ピーコはハナちゃんより、一つ年上の10歳です。ここ1年ぐらいで、めっきり足腰が弱ってしまい、ソファへの昇り降りは人の助けが必要になっています。自分で上がれなくても、犬用のベッドではなく、ソファの上で寝たいみたいです。長年の習慣ですからね。一生懸命ソファに上がろうとするのを見ると、切なくなります。

うちも夫婦で「ピーの面倒はとことん見てやろう」と話しています。生き物ですから命がつきる日は来ますが、老衰で逝かせてあげたいですよね。あと、犬より先に飼い主が死んでしまわないこと。近所であったことですが、愛犬を残して飼い主さんが交通事故で亡くなってしまいました。その方とは一緒に散歩する仲でしたのでショックを受けました。ワンちゃんも寂しそうで・・・。

izumiさんは中野孝次著「ハラスのいた日々」はお読みになりましたか?これも柴犬の一生を綴った随筆です。その中に「老犬になればなるほど愛おしい」と書いてありました。目を見ただけで相手の気持ちが分かるようになりますものね。
長々とすみません。
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マーちゃんさんへ (izumi)
2008-08-02 21:31:58
コメント、ありがとうございます!!
マーちゃんさんはご覧になったんですね~、いいなぁ~。
そうそう、やっぱり散歩に出たがるようでした。
クー太君が外に出る時も、最初はスロープを作ったり、その後は胴と顎を支えながら・・と、本当に大変そうでしたね。
でも、クー太君がそう望むのであれば、なんとしても、してあげたい!って思うんでしょうね。

ピーコちゃん、ソファがいいんですね~。
そうですよね~、長年の習慣であり、自分の場所ですもんね。
うちも、そのうちソファやベッドに上がれなくなるだろうな~と思って、スロープがあった方がいいなか~?って思うんですが、きっと、異物とみなすだろうな~と思います。
本当に切ないですね。

やっぱり、今からいろいろと考えちゃいますよね。
ホント、そうですよね。
人間が看取ってあげなきゃね・・・。
愛犬を残して・・・、飼い主さんも辛かったのではないでしょうか。。
でもいつか、必ず、虹の橋で逢えますよね!

はい、ハラスは読んでます。その他もろもろも。。
老犬になればなるほど・・、これは本当にそうですね。
今、実感しています。
もぉ~、愛おしくて愛おしくて(笑)。
ホント、目を見れば解りますよね!頼られているのもヒシヒシと感じますしね!
ただ、中野さんの著書に、自分の年齢を考えずに次の犬を飼っていて、自分が先に逝こうとも犬を飼うのをやめられない(それくらい犬との暮らしは楽しいということなのですが)と書かれてあって、それはちょっと違うだろう??と思いました。
やはり、犬を残すワケにはいかないですよね。。
と言いつつ、私は、ハナ亡き後、自分がどうなるか想像できません。。。。。。

いえいえ~、私も長くなっちゃいました。
話は尽きませんよね!
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