ただの映画好き日記

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新装版・高野山の案内犬ゴン

2020-06-09 | 本 犬本
新装版・高野山の案内犬ゴン
関 朝之 作 木内 達朗 画 / ハート出版 初版 2003.07 新装版 2014.11


その犬の名前は「ゴン」といいました。ゴンは、和歌山県九度山町に、ふらりと現われた白いノラ犬です。
平成元年、そのオス犬は、誰が教えたわけでもないのに、町のお寺・慈尊院から、弘法大師の御山である高野山まで、参拝者をガイドしはじめました。けれども、お寺の住職・安念清邦さんは、小さいころから犬が嫌いでした。それでも、ゴンはお寺にやってきては、参拝者たちの道案内をつづけました。
20キロはなれた高野山までつづく山道を歩くゴンのすがたに、さすがの犬嫌いの住職も、心引かれるものがあったのでしょう。
やがて、住職はゴンの飼い主になることを決意しました。



或る日突然現れた成犬が、その瞬間から、参拝者を高野山までガイドするという、不思議なお話ではありますが、不思議なことではないだろうなとも思わせてくれました。

ゴンと名付けられたその犬は、毎日、高野山までの20キロを参拝者に合わせて歩いたそうで、往復40キロです。
どれだけ大変なことだろうと思います。
途中、参拝者から食べ物やお水を差し出されたそうですが、ゴンは決して口にせず、途中、参拝者から離れ素早く川の水を飲みに行き、急いで戻って来たそうです。
まさに修行だと思いました。

年老いて歩けなくなったらどうするのだろう?修行を終えるのだろうか?と読みながら考えましたが、歩けなくなる前に、フィラリアにかかってしまったそうです。
ゴンを飼い犬として迎えてくれたお寺の住職さんは犬嫌いだったそうで、犬の病気の知識がなかったのか、フィラリアの予防をしていなかったようです。
ですが、そのフィラリアを克服し、長生きしたゴン。
ある程度で、修行は終わっていたのだなと思いました。

ゴンちゃんの命日は6/5、空海さんのご母堂様のご命日も6/5だそうです。
やはり不思議な話ではなく、ゴンの修行だったのだと確信しました。
受け難き人身を得るべくゴンちゃんの修行、来世は人間になれますね。
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