ただの映画好き日記

観た映画と読んだ本の自分用メモ。

マリアビートル / 伊坂幸太郎 著

2012-02-17 | 本 伊坂幸太郎


  マリアビートル
 
  伊坂 幸太郎 著     角川書店 / 2010.9


  元殺し屋の「木村」は、幼い息子に重傷を負わせた相手に復讐するため、
  東京発盛岡行きの東北新幹線“はやて”に乗り込む。
  狡猾な中学生「王子」。
  腕利きの二人組「蜜柑」&「檸檬」。
  ツキのない殺し屋「七尾」。
  彼らもそれぞれの思惑のもとに同じ新幹線に乗り込み―物騒な奴らが再びやって来た。
  『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲。






おお~、書き下ろしなんですね~。
そうそう、『グラスホッパー』ですよ!
読み進めていくと、なんだか前に読んだことのある続きっぽい?と、読み始めてから気付きました。
『グラスホッパー』はあまり乗り切れなかった私ですが、この『マリアビートル』は面白かった!

続々登場する物騒な人達が何をしでかすのかというドキドキ感と、王子へのイライラ感。
このクソガキを始末するのは誰だ?というのが1番の関心どころでしたね~(笑)。
蜜柑と檸檬、七尾もそうだし、とても魅力のあるキャラクターが揃っていました。
しかも、クライマックスには木村茂!ステキでしたぁ~。

お話は、リンク好きな伊坂さんらしく(?)、サービス満点っていうんですかね~、全てが繋がってる!という、反対側から見れば面白くも何ともないかもしれない繋がり方でも、繋げ方や設定が伊坂さんならではなので、「よしっ!」と言いたくなってしまいます。
たくさんの人間が死にますが、その中でも、蜜柑と檸檬は切なかったですね~。
ラストの3等賞に思わずウルッとしてしまいました。


王子について少しだけ。
クソガキではありますが、なかなか鋭いです。
王子が読書感想文に書いていた、「人がいかに、扇動されやすいのかを学ぶことができた」とは、これはぜひとも「自分はどうだろう?」と振り返ってみたいところだと思いました。
王子のように扇動する側ではなく、果たして自分は扇動されやすいのか?と…。
ルワンダの虐殺についての感想ではあったけれど、他にもナチスも然りです。
どうやってヒトラーが注目され、どうやってナチスが出来上がったか…。
周りの意見に惑わされないよう、扇動されないよう、自分できちんと向き合い、考え、判断することが重要だと思われます。
何より、同じ失敗を繰り返してはならず、言うだけなら誰でもできる(ようなことに)…に乗せられてはいけませんね。
ほっ、むっ、ちっ。

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