ただの映画好き日記

観た映画と読んだ本の自分用メモ。

ルワンダ 流血の4月

2007-03-27 | 映画 ラ行


20世紀に入ってから、フツとツチの2つの民族の間で次第に不和・対立が深まるようになった、アフリカ、ルワンダの地において、1994年、フツ族の過激派たちがクーデターを起こして大統領を暗殺。国内はすっかり無政府状態に陥り、フツ族によるツチ族の虐殺が至るところで行なわれるようになる。ツチ族の妻を持つフツ族の軍人オーガスタンは、何とか妻子を虐殺の運命から逃れさせようと、彼女たちの身を、弟のオノレに託すのだが…。

ルワンダ 流血の4月 2005年/仏・米・ルワンダ/ラウール・ペック



『ホテル・ルワンダ』よりもドキュメンタリータッチだったので、より緊張感がありました。
それにしても、内戦っていうのは本当にどうしてよいのか解りません・・・。
でも、助けを求められているのならば、国連としても手を差し伸べるべきのようにも思うし。。
「ルワンダには価値がない」っていう言葉に、それまで鬱々としていた気持ちすら一瞬にして真っ白になってしまいました。
国としての価値は解らないけど、人の命に価値があるとかないとか、誰が決めていいんだろう?
と、思ってしまうように、ルワンダの外の国々に恨みつらみが大きく描かれていたのがいいのか悪いのか・・・。

そして、ルワンダ内に目を向けたとき、やはり、部族は違えど、同じ民族を殺せてしまう狂気に、ある種、冷めたものを感じてしまいました。
もしかしたら、そういう民族なのかもしれないし(そんなワケないはずだけど)、私の知らない世界では想像もできない程の習慣だってあるはずだろうし・・・と、そんな突拍子もないことさえ考えてしまうような、あまりにも呆気なく殺せてしまうということに、普通の意識が及ばなくなった瞬間もありました(学校のシーン)。

この罪は、一体、どうやって拭うんだろう?
この後もずっとずっとツチ族の人々の気持ちに忘れることのない憎しみとして残るだろうし、今後、何世代もが生き続けるように、ずっとずっと語り継がれることだろうとも思うと、憎しみからは憎しみしか生まれず、どこかで断ち切るにも断ち切れるはずもないのがルワンダだろうと思いました。

それと、ルワンダに限らずだろうけど、どうして、女性は男の好き勝手にされるんだろう・・・。
手榴弾のピンを抜いたその勇気に、常日頃、自ら命を絶つことはいけないと思ってはいるけれど、あの瞬間は人間としてのプライドを感じました。
でもまた、必死に耐え抜き、後に裁判で全てを証言したその勇気にも女性としてのプライドを感じ、どちらの女性からも“強さ”を教えられたように思います。

実話ものの映画とは、事実は映画用に脚色されるのは当然で、より衝撃的に演出するのも当然だと思います。
中には、あまりにも突飛な脚色や演出された映画もあるだろうけれど、ルワンダのような悲劇を映画として表現し、伝えることが必要な世の中なんだと思い知らされました。
この悲劇を本当に二度と繰り返さない為に。

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2 コメント

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izumiさん、こんにちは。 (アスカパパ)
2007-08-29 16:27:38
izumiさんにお奨め頂いたこの映画、さっそく観ていたのですが、izumiさんが仰ってる通り、「ホテル・ルワンダ」よりもドキュメンタリー・タッチだったので、ショックが倍増でした。
宿命の国、宿命の民族なのですね。ルワンダ・・悲しいです。
izumiさんの女性から眺められた視点には、感じ入るものがありました。
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アスカパパさんへ (izumi)
2007-08-31 09:45:08
おはようございます!
再放送してくれてよかったですよね~。
WOWOWはこういうヒット作以外のものを放送してくれるところがいいと思います。
ホント、ショックですよね。。
どうしてこんなことになってしまったのか・・・。
傷はずっとずっと残るんだろうな・・と思ってしまいます。
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